カラミティのUのネタバレレビュー・内容・結末

色彩の美しさと絵柄の可愛さとは裏腹に、当時のジェンダーロールの厳しさと、序盤から中盤までマーサが過酷な目に遭いすぎるところが、まだ子供なのにこんなことを背負わすのかと観ていて辛かった。

特に旅団の狭いコミュニティの中で孤立したマーサを見る人々の目や、迷惑をかける人を疎む人間が投げかける言葉、指揮の責任や権力をめぐるあれこれなど、人々の反応や表情の描写にリアリティがありすぎて心がキュッとなってしまった。

恐らく個々のキャラクターのパーソナリティ設計が上手すぎるのだと思う。アニメーションとは思えないくらい、現実感のある人ばかり。

それでも旅団の外に出て、マーサがありのままの自分で付き合える人々に出会って逞しく育っていく姿はこの映画の救いなんだろうと思いつつも、前半のダメージが大きすぎてなかなか大団円の気持ちに切り替えられなかった。


犬の可愛さと、実は最後までちょうど良い温度感の良い奴だったサムソンの元に犬が帰っていけたところがハッピーエンドで癒しだった。