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もう終わりにしよう。のniwajunのネタバレレビュー・内容・結末

もう終わりにしよう。(2020年製作の映画)
2.6

このレビューはネタバレを含みます

「高学歴こどおじの脳内会話劇」
近代哲学、量子学、相対論、大乗仏教における時間概念が好きな人、引き寄せの法則や思考は現実化するなどの啓発本好きな人は理解が深まる映画です。多くの比喩が使われておりそう言うのが嫌いな人には良い子守唄となるでしょう。
私が受け取ったメッセージとしては「思考は未来に影響を与える事ができるので良い未来を思考しよう」という事です。

しかし、この映画、134分も使う必要があったのか!?って疑問が生まれました^_^テーマは大いに共感しますし、実験的な表現の数々も好きです。反面話としてはそれほど面白くないと感じてしまい点数は低めとなってます。この映画好きな人ごめんなさい!あくまで個人の感性です。


この映画が好きな人は「A ghost story」
や「ミスターノーバディ」あたりも好きな気がします。未見の方ご覧ください♪


この映画における時間の概念は近代哲学、量子学、相対論、大乗仏教の考えをベースにしてるようなので個人的解釈を述べます。


「雪は時間のメタファー」
時間は未来から過去に向かって流れます。それをよく理解した映画です。
我々は時間は過去から未来に流れると思いがちですが、これはニュートンが時間をそのように定義して計算したからです。後にアインシュタインが相対論でt(Time)をマイナスにしないと計算が成り立たない事を発見しました。また量子学では時間は双方向に発生するものとしております。仏教でも未来から現在に向かって時間は流れると言う事を発見しており、近代哲学でも未来から過去に時間が流れるとしています。
認識した時は過去になっている訳ですのでマイナスで表現するしか無く、未来から過去に向かい時間は流れる訳です。



作中でも雪が自分を通り過ぎると言っていますが今という時間は今という間に過去になります。
また、雪が降れば降るほど地面が隠れて行くように、過去は積み重なってゆきます。雪とは時間のメタファーでしょう。





「もう終わりにしようとは?」
ジェイクが考え続けている思考でしょう。彼にとっての終わりとは死であり、安楽死させた豚が迎えに来たのがその暗示です。


「用務員のおじさんは誰?」
彼はジェイクの現在(未来)でしょう。このお話はジェイクの頭の中で繰り返される過去のリフレインです。
彼女が話していない言葉が彼に聞こえてるあたりでそれが示唆してあったのですね。
洗濯機の中から用務員のおじさんの服が沢山出て来たのもそういう事でしょう。




「彼女は誰?」
過去にジェイクが連れて来た彼女でしょう。同時に未来に対し「もう終わりにしよう」と決めている世界の誰かでもあります。思考は現実となります。現在自分の未来に対し希望のない思考をしていてはいけないという我々へのメッセージでしょう。

「思考は現実となる?」
わかりやすいのは引き寄せの法則です。これは元は仏教経典のアビダルマ経典に書かれてるものです。
老いや頭が悪いと連呼するジェイクの両親は実際そうなって行く姿からも思考が現実となる事を伝えている映画でしょう。

「ロバートゼメキス」
作中映画のクレジットにロバートゼメキスって書いて無かったですか!?
ロバートゼメキスといえばバックトゥザフューチャー!って事でこの話のタイムマシンは脳みそではないでしょうか?



もっとミュージカルや映画に詳しければ違う解釈もありそうですね♪さまざまなメタファーが隠された映画だと思いますので皆さんの解釈が楽しみです。
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