Ko

樹海村のKoのネタバレレビュー・内容・結末

樹海村(2021年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

コトリバコやら樹海村という言葉が懐かしいと感じたのは歳をとった証拠かなと思ってしまった。
肝心のレビューだが今回は比較的真面目にしようと思う。

まず、ストーリー。
ところどころに雑さが目立つ。
例えばコトリバコについてだが、まだ何も起きてないのに即コトリバコとバレるが、一番に死ぬのは不動産屋の男。
もしコトリバコとするなら女と子供がターゲットになるとか言われているので大人の男が被害に合うのはよく分からない。
終始ハコと呼ぶだけでコトリバコと呼ばないのであれば、設定をコトリバコではなく、コトリバコっぽい何かにすれば良かったと正直思う。
樹海村要素はほぼ無しというか、なんと言うか…。
無理矢理懐かしのネットロアを合体させる必要はなく、要素だけを上手に切り貼りして新しい怪談を作るほうが良かったのではと思う。
キャラの作り込みも甘く、なんだか分からないまま終わるのは残念。

次に、ホラーとしての評価。
これはホラーというかファンタジーかなと。
音やら雰囲気やらで視聴者の恐怖心を煽り、本能的に怖がらせてくるタイプではなく、精神が侵された人間が奇行に走り、気味が悪いタイプのホラー。
個人的に思うのだが、最近のホラーは恐怖をカタチにするのが下手なようだ。
物語開始時には恐怖の対象が姿を表さないことで、視聴者が恐怖の対象を勝手にイメージする事で感じる言いようの無い得体も知れない恐怖がちゃんと有る。
しかし、それが目に見えるカタチで姿を表すとどうだろうか。
途端に怖くなくなり、それまで感じていた恐怖すら無くなるため、駄作になるケースが殆どだ。
今回に至っては、視聴者が恐怖の対象をイメージするよりも早く、恐怖の対象がカタチとして画面に現れてしまうため、恐怖を感じる暇を与えてくれない。
ホラーとしては失格。

総評
意欲も題材も悪くはなかったと思うが、またしても名作になりそこなった感があるホラーだった。
次こそは、既存の怪談を複数合わせて、新たな怪談を創り出してほしいと思う。
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