流之助

樹海村の流之助のネタバレレビュー・内容・結末

樹海村(2021年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

犬鳴村から樹海村まで見て、呪怨の怖さ=伽椰子バーン!じゃないところにこの監督の作家性を見て、清水崇監督好きだわぁ!もう制約なにも課さずに自由に作っちゃって欲しい!

マジで人と繋がるの怖くなる作りがいいよ。血筋こえー!土地のアレコレこえー!

ホラーといえば注目されちゃう脅かし要素に使われているものが手作り感あって「血を吸う粘土」みとか感じて楽しいし、影を使った表現とか面白かった〜。
たぶんこのあたり、従来のJホラーのイメージとは違うので好きな人にしか刺さらんのかなーと思ったりする。

塚地、今より太ってた頃?かな?
あいつは犬鳴村ボーイがじゅるりんこしてたから、そっちから繋がってたから樹海村に出てこなかったってことでOK??

あとは國村隼と安達祐実!!!!
めっっっっっちゃ!!!
演技!!!
えぐ!!!
ずるっ!!!

マイナスポイントをあげるとYouTuber?のくだりは余計すぎた。
おもしろくないし不愉快だし、こんな配信を楽しく見ている層がこの映画を楽しむとも思えないからダレトク感すごい。
これ入れるんだったら別な要素使ったりゴア表現増し増し演出差し込んだり時空シャッフルドンと来い!にしても良かったと思うんだけどなぁ。なんで若者のステレオタイプとしてネット文化を映画に持ち込むんだろ。おもしろくないよ、こういうの!!

古き良き写真で念写(脳内に直接!)なシーンとか坊さんが夜中にめっちゃガチお祓いしているシーンとかベタながらも現代っぽさがあって良かったんだから、下手に今っぽさ感を作る必要ないんだよなぁ。

テーマ的には、「社会的弱者不要論(障害者差別)」「臭いものに蓋」「アンチ効率重視社会」みたいなものに焦点を当てたように感じた。
キレイな表面が富士山、裏側が樹海。そして「村」って付けただけであら不思議、土着っぽい感覚になってきて、拭いきれないナニカの持つイメージを想起させる。

土に埋めたりデータの端数だったりするものを切り捨てて無駄を切り捨てて、それが本当は誰かは必要としていたとしても多数が不必要なら簡単に切り捨てられちゃう怖さみたいなのを感じた。

あとは、いわゆる見える人が異常者扱いされることの怖さ。
私も軽い精神疾患抱えているから主観的な世界を誰とも共有できない恐怖って底知れないってことを知っているので、実はそこが一番怖かったのかもしれない。

「だれにもわかってもらえないやつが集まって死にに来る」

というセリフがあるけれど、それを引き寄せているのは、そもそもそれを当事者の意志関係なく切り離してきたこれまでの過去が積み重なったことによる呪いである、と結びつける発想が好き。

捨てても捨てても一度触れたら一族を祟るって構図とかも「村」の暗澹なイメージと重なるよねぇ。
なんでだろ。
牧歌的なものとか、人の温かさを描くのにも「村」のイメージってすごく生きてくる反面、こうした裏のイメージはホラーにぴったりよなぁ。ものごとには表裏あって面白いわ!

まあスコアがこの点数なのは、結果的にホラー的な怖さがなかったってところにあるんだけどね。
流之助

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