先生

アイダよ、何処へ?の先生のネタバレレビュー・内容・結末

アイダよ、何処へ?(2020年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

95年、ボスニア・ヘルツェゴビナで起きたスレブレニツァの虐殺を描いた映画。
94年にはルワンダの虐殺が起きてるが、ここでも国連は無力すぎる。
一番は虐殺をする方が悪いんだが、国連もまたきちんと機能してないところがいらだたしい。
映画の作りとして、なぜ機能しなかったのかまで描いて欲しかった。なぜ助けなかったのか。関わりたくはないんだろうが、その政治的背景まで、描いて欲しかった。
また、この虐殺の前段階としてのセルビア人への虐殺も描くべきだったんじゃないかと思う。突然始まるが、それまで3年間紛争があったわけで、いきなり市民が巻き込まれる。この急な変化は、虐殺というのは理不尽で悪だと印象付けるのは良いが、それでも、なぜ?と説明が欲しかった。

この主人公が家族のために自分の通訳としての立場を振りかざしてエゴイスティックに描かれているが、それも虐殺を行ったセルビア人に重ねるという意図だったんだろうか。
あの状況じゃあ、当然だが。

臨場感はあり、自分もまた難民の一員の気持ちになったので、良い映画だと思う。

助けてって、たくさん言ったのに、頑張ったのに、助けてくれなかった。悲しい。
先生

先生