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学園広場のmitakosamaのレビュー・感想・評価

学園広場(1963年製作の映画)
3.5
スカパーにて。これは思ったより面白かった。同じ舟木一夫の出演作である高校三年生は気持ち悪いくらいに道徳的な内容だったが、今作は同じテイストでもドラマ性が豊富で物語に起伏があった。

東京からの転校生の山内(山内健)は新しい学校の風習に馴染めるにいる。
それは代々勇気あると思われる生徒に“勇者の帽子”なる学帽を譲り受けるという制度だ。
だが、形骸無実化してしまい意味を成さなくなっている。

まずこのシステムが、映画の膨らみに上手く貢献している。
“勇者の帽子”は、田舎町の閉鎖性のシンボルであり、これを巡り後半には暴力団を巻き込み騒動の元となる。

またこの田舎町が絶妙に田舎で良い。長閑な田舎では無く、一応街はあるが東京ほど栄えてはいない感じ。場所は特に特定されていないが、劇中で「織物で有名」と言ってる。桐生とかの設定なのかな?

レストランのヌードの看板に服を塗りつぶした者が次期勇者の条件となるなか、現在の勇者は帽子を紛失してしまい野良犬に持って行かれてしまう。
山内は帽子を盗んだと責め立てられ、お水の姉が学校に抗議。山内は立場が悪くなるが、舟木一夫だけは味方でいてくれる。

一方暴力団は老人ホームの建設費用を横領するが、さらに部下(由利徹)がその金を持ち逃げ。
しかも勇者の帽子を手に入れて学生に化けて逃げようとするが、生徒たちにバレて追いかけ回される。

更に悪事がバレたと思ってヤクザが山内を拐い、監禁して罪をなすりつけようとする。
舟木の説得で山内を皆で救出に向かい、山内は真の勇者として認められる。

エンタメ性が盛り込まれたおかげで、道徳的なメッセージが説教くさくならなくなった好例!
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