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激怒のletrouのネタバレレビュー・内容・結末

激怒(2022年製作の映画)
2.2

このレビューはネタバレを含みます

激怒するまでの展開に全くノレず。

理由の一つは、序盤の引き籠りの青年について。社会的弱者の象徴である彼に対して主人公がどういう眼差しでいるかは、その後の流れに大きく影響すると思うのだが、ただの厄介な人物として殴ってタイホして終わりという扱い。路上のカップルやタイヤチューブ被害者、前署長などの現状を見ても基本スルーで、自身や身内の不当な扱いにだけ暴力が発動する主人公像は、自身が激怒の対象とする悪党と同列。主人公よりも、社会に行き場のない怒りを感じていた引き籠り青年の方が気になります。

二つめの理由は、怒りのポイントが自分とはズレていたこと。彼が最も愛情を寄せている杏奈が桃山に変わり果てた姿にされたことを知った瞬間にこそ、怒りが頂点に達してほしかったのに、あっさり引き下がってしまったこと。その後、チンピラが痛めつけられたことでようやく、ヤツらをぶっ殺すモードに入るといった具合に、怒りのボルテージの上げ方、話の組み立て方に難があるのではと感じました。

高額であろうNYの施設に公費で3年も入れてくれる富士見町の公務員に対する手厚い待遇に嫉妬。自腹で入院させられていたのなら、激怒してもいい。
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