みむさん

逃走のレクイエムのみむさんのレビュー・感想・評価

逃走のレクイエム(2000年製作の映画)
4.0
原作「燃やされた現ナマ」邦訳版出版記念上映。
1965年にアルゼンチンで実際にあった出来事(現金輸送車襲撃強盗事件)を元にした小説をアレンジして映画化したらしい。
犯罪と愛のドラマ。なかなか面白かった。
ほぼ実名で登場するから本国で2回裁判沙汰になったとか。

エドゥアルド・ノリエガとレオナルド・スバラーリャ共演。ドロレス・フォンシも出てて良いキャストだった。

対外的には双子と名乗るが同性愛者の強盗ネネとアンヘルの逃亡劇。強盗そのもののシーンは序盤のみ、強盗後の逃走と二人の愛と絆、裏切り、嫉妬、苦悩、狂気。
銃撃戦はなかなかのボリューム。

基本となる話は強盗の国外逃亡なんだけど、アンヘルとネネの関係が、アンヘルの状態もあいまってとても壊れやすく脆そうに見えて、彼らの関係がどうなるのか行く末が気になってしまうのでわりと見入ってしまう。印象に残るんだよね。
しかも二人とも美しくてね(22年前だから当然若いし)。

この逃亡劇、映画を見る限りでは二人の未熟さ若さが少し出てしまったために簡単にはいかなくなってるようにも見えるが実際はどうだったんだろうね。

犯罪者には変わりないのだけど、だんだんと二人がずっと一緒にいられるといいねと願ってしまう。ラストが悲しい。

「逃走のレクイエム」ってナイス邦題だと思う。
原題、英題、原作邦題はすべて「燃やされた金/燃えた金」の意味だった。