垂直落下式サミング

女子独房刑務所の垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

女子独房刑務所(2015年製作の映画)
2.5
目覚めると赤の他人の戸籍と罪状によって刑務所に収監されていた女性が、刑務所内に横行するリンチや拷問に耐えながら、真実を解き明かすための復讐を誓う官能サスペンス。
国家権力への反逆かと思いきや、まさかの輪廻転生!これは、つくられた記憶なのか?自分の人生は本当に存在したのか?そういうことを思考しはじめるフィリップ・K・ディック系。
同室の女囚人たちは、いかにもいちばん若いやつをいじめそうな風貌。いじわる顔はバイオレンス女の花園には欠かせない。暴行から性的奉仕の強要まで、それなりの楽しさがある。
まあ、こういう描写には一家言ある私としては、三年の月日が流れたのなら、虐待がもうすでに常態化していて、その場では退屈きわまりない当たり前の光景となっているような環境の変化を、役者の演技でみせてほしいのだが…。
電流やられの喘ぎ声もよかったけど、見せ方の変態性が足らない。ショック療法って建前としては医療行為なんだから、即席の椅子みたいなのじゃなくて専用の拘束台があってほしいし、電極つけるのが乳首だけなのも逆にエロくない。喜多嶋舞の身体に濡れタオルで水を滴らせて通電の苦痛を倍増させる『人が人を愛することのどうしようもなさ』の拷問シーンくらいのリアリティはほしい。もっとサディズムをイマジネーションしてくれ。