ラズベリー

誰かの花のラズベリーのネタバレレビュー・内容・結末

誰かの花(2021年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

辛口で申し訳ない。何も情報を入れず、Xで知人が絶賛していたのでジャックアンドベティまで見に行きました。

これはミステリーなのか?この事件の真相を視聴者に解かせる狙いなのか?容疑者が次々と現れる。まず少年の描写が一人で刃物によるけがをする、他人の家に躊躇なく行く、車のアクセルを踏もうとする、など精神疾患を感じさせ、突然の父の死に起因するものとは思えなかった。また、ヘルパーの虫を逆さまにする行為も一般的ではなく心の病を感じる。502号室の住人の無愛想な様もまるでこいつに悪意があったのかもとミスリードしているようだった。

タクシーのまたせ方(料金すごいことになってそう)やエレベーターの使い方(他の住人に迷惑)も不自然で、ドキュメンタリータッチなのに現実味がなく感情移入出来ない。認知症の家族を一人で残し外出した時は常に何か起きていないか心配するし、家の近くで騒ぎが起きていれば、速攻家に戻り確認するので、野次馬している姿に違和感がある。主人公が職場で仕事をサボり同僚に無視される姿は社会性の欠如を示しているのだろうか。少年のネグレクトも描きたかったのだろうか?盛りだくさんで中途半端になってはいないだろうか。

502号室の人が家族と会わず一人慟哭する姿はとてもよかったし、冒頭の主人公が親の安全を確認し安心する表情も良かった。様々な人間の心理を描き出すのはとても素晴らしかった。かつて被害者の立場だったものが加害者家族になる、この事だけでも骨太な作品になったのではないだろうか。ヘルパーさんにしても、疑いを共有する打算と良心、葛藤する姿が見たかった。普通に描いてくれたほうが私には見やすかったように思う。

次回作楽しみにしています。
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