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スプートニクのmのレビュー・感想・評価

スプートニク(2020年製作の映画)
4.6
ジャケットは完全にB級バトルSFだけど実際は完全に違っていて、硬派で地道なちゃんとしたSF映画だった。一応言っておくと主人公がこういう格好をして銃を持つ事は一切無いし、ヘリはちょろっと出てくるだけです。

冒頭の宇宙飛行士2人の会話、台詞から立ち上るちょっとしたユーモアと人間味で脚本家に腕がある事はすぐに分かる。その冒頭に続くシーケンス、不敵で堂々としたキレ者主人公の女性医師が登場するのを一工夫して印象的に見せる演出やカメラワークで、監督も腕がある事がすぐに分かった。映画としてちゃんとしてる。

先述の通りかなり地味な物語で、なにしろほとんどの舞台が研究施設内だし、劇中のほとんどの時間が宇宙飛行士の体内に共生して毎晩数時間だけ外に出てくるエイリアンの観察と研究と推察に充てられるのだ(とはいえグロい所はしっかりグロい)。この地味なサスペンスを、地道に映画的にしっかりと構築していて、そこまで派手な事が起きないのに充分に惹き付けられた。やはり演出と脚本の力量が優れている。

エイリアンのCGは普通にハイレベルで、その造形と動きも素晴らしい。

頭のキレと行動力が抜群な主人公を演じたオクサナ・アキンシナの、眼力と抑え目な芝居から醸し出される強い意志と感情が良かった。軍人おじさんの「アバター」のラングさんバリなアクの強さもイイ。
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