ごろちん

デカローグ デジタル・リマスター版のごろちんのレビュー・感想・評価

4.8
集合住宅に住む人々の悲喜交々。

この『デカローグ』(10の言葉)は「汝の父母を敬え」、「汝、姦淫するなかれ」「汝、盗むなかれ」といったモーセの十戒がベースなんだそう。最初は「戒律を守れない罪深き人間に天罰を!」みたいな説教じみた話を勝手に想像。が、寧ろ「色々欲が出ちゃうよね、人間だもの」と業の深さが割と肯定的に描かれていた。

各ストーリーは完結型。かといって全く繋がっていないかというとそうでもなく、前の回でちょい役だった人が別の回では主役で出て来たりと、脇役にも人それぞれのドラマがあるんだということを再認識させられる。

10話もあるのに似たようなストーリーはほとんど無く、結末が全く読めないのが凄い。まるで人生そのもの。どの回も面白くて本当に目が離せなかった。特に1話目『ある運命に関する物語』、5話目『ある殺人に関する物語』は息を飲む展開で余韻が強烈!

上映時間のトータルでいえばめちゃくちゃ長いけど、1話1話は60分程度なので全然苦にならなかった。 あ、嘘です。背中痛かった…。
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