このレビューはネタバレを含みます
登場人物の所属している団体、会社や役職と名前、は多く、汚職の内容もなかなか複雑で入ってこず苦戦。
カロリーを使う映画だったが、見応えは抜群にあった。
よくある復讐物かと思っていたぶんラスト15分の展開は衝撃だった。
悪人に対して制裁を与えることなく復讐が潰える最後は、非常に後味が悪かったけど、現実味があって嫌いではなかった。
最初、西と佳子の結婚式というイベントの中で、マスコミ達の会話の中で状況の説明、登場人物と役職の説明を行いつつ、その裏で誰が汚職に関わっているか炙り出そうとする西の策が動いている、というのはシーンとしてとても練られていて驚く。
復讐と愛の狭間で揺れる三船敏郎は見応えがあったし、加藤武の板倉の最後の嘆きもとても良かった。
ラストの電話の後、タイトルが出てくるのは、電話の相手のように本当に悪いやつというのは表にすら出てこない、映画の中にすら顔を出さないということなのか。
副総裁から課長補佐と、役職が低くなると反比例して善良性と人間性が高くなっていくという皮肉。
2024 193