バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版のタキのネタバレレビュー・内容・結末

獅子雄と若宮ちゃんの絆どころかなんとなく精神的に距離を感じたまま終わったテレビ版からの劇場版。物理的にも距離があるし(獅子雄は蓮壁家には宿泊せず単独行動をしている)若宮ちゃんがさらにマヌケな感じになってるしで、もうシャーロックホームズとワトソンというコンビでなくてもいいのではないかとすら思う。この話、ジェレミー版とカンバーバッチ版を見たことはあるが両方ともに改変がありジェレミー版の方がより原作に近いようだ。本作は魔犬伝説のくだり以外はほとんど別の話と思っていい。
さて、魔犬伝説のある瀬戸内海に浮かぶ島ということだったが島の規模がイマイチよくわからない。こんな禍々しい伝説があるわりには絶海の孤島などでなはく、かなりにぎやかなショッピングモールもあるし飲み屋街にキャバクラもあり、執事がいるごつい洋館がこれまたアンバランスだ。瀬戸内海の島というと私の頭の中ではやはり閉鎖的な村や島を舞台に描く横溝正史的なアレを連想するもので1900年初頭に書かれた洋物の話を日本風に改変する難しさを感じる。
登場人物の職業もなんとか関連づけるためなのか無理くりでチグハグだし、原作では重要人物の捨井(ステープルトン)の使い方があれであってるのだろうかとモヤモヤが止まらない。
犯人は自殺し大地震でみんな瓦礫の下というラストも後味の悪さというより安易に始末をつけた感が残る。面倒くさいものはみんな埋めちゃってディーンフジオカがかっこよかったなという感想で終わる、ある意味製作者の思惑通りなのかもしれない。