このレビューはネタバレを含みます
ずっと見たいリストに入れていたのですが、気持ちとタイミングが合わず……
ようやく視聴することができました。
4人家族でただ1人の聴者で
家族と社会を繋ぐヤングケアラーのルビー
家業での交渉などは割と気の強い様子を見せるも
学校では本当の自分を隠し違和感を覚えているのが切なかったです。
歌うことが大好きなのに、
自分を表現することを恐れていたルビーを見出し
音楽の中で自由に羽ばたけるように後押ししてくれたV先生。
最初の登場から強烈で、最後まで最高でした。
こういう先生に出会えたのは
ルビーにとって幸運であり
素晴らしい人生へのチャンスをつかんだということ。
ルビーの努力はもちろん、先生の熱心な指導も実を結び、本当に良かったです。
演出については
ルビーとマイルズが背中合わせで歌ったシーンで歌詞やメロディを最初に見せておいて
発表会では同じ曲で音のない世界にいるルビーの家族が
何を感じ取るのかを無音で表現するシーンや
ルビーを学校に車で迎えに来る時に
大音量の音楽を流して
重低音の振動を通して楽しんでいたルビーの父が
発表会が行われた夜に、ルビーの喉に手を当てて
娘の奏でる音楽の素晴らしさを体感するシーン。
発表会の時に
ルビーの歌がどれだけ沢山の人に感動を与えているのか、周りの人の様子から何となくは伝わっていただろうけど、
試験の時に父も母も兄も
ルビーの手話が奏でる歌で
彼女の本当の気持ちが伝わるシーンなど
伏線回収させる演出がどれも素晴らしかったです。
また
ルビーが発表会でマイルズと歌った曲も
試験の時に歌った曲もとても素敵でした。
歌詞にはこの映画の伝えたいことが全てつまっている感じでしたね。
誰にでも欠点はあるし
1人では生きていけない。
支え合っていくのが人間であり
その中の集合体がの一つが家族である。
そんなことを感じさせてくれる作品でした。