ぐっない

わたしは最悪。のぐっないのレビュー・感想・評価

わたしは最悪。(2021年製作の映画)
4.8
子供を産むということは、自分が人生の脇役になるということで、妻として、母親として生きるということなのかもしれない。アクセルは「計画的に子供を作る人なんていないよ」と言う。そうなのかもしれない。子供を産んで、その命が成長して、母親になるって、未知数すぎてこわい。自分の親は、完璧にきちんとした大人で、子供にすべてを教えてあげられることができる人なんだと思っていたけれど、そんなことないって気がついた。みんな、まだ未熟なところがありながらも子供を作るんだなって思った。でも、私はこわい。それはもしかしたら、自分の人生に執着があるからなのかもしれない。

すごく感想が書きづらい映画だった。30代の彼女は、今の私にとってよく分からなくて、でももしかしたらこうなるかもしれない誰かだった。彼女は自由奔放で、まだ自分を探していて、行き詰まると飛び出してしまうような人で。最悪なのかもしれないけど、魅力的にも見えた。

分かるわけないよな。分かるわけないよ。自分が何をしたいのか、これからどうしたいのか、聞かれたって分かるわけない。でも、気がついたら年齢を重ねていくし、子供もできてしまう。

流産したことに気がついて、ホッとしたような表情の彼女に驚いた。そういう顔してもいいんだと思った。
子供が欲しいという男の人になんだか嫌な気持ちになってしまう。あなたが産むわけじゃないのに、と思う。手放せる立場で、言わないでと思ってしまう。

パーティーでの2人、時間が止まった映像、すごく良かった。
あと、「君は最高だ」も。私もそう言われたいなあ。

ぜんぜん、すこしも理解できた気がしないけれど、不思議な余韻を残す映画で、面白かった。30代って、女性にとって不思議な年齢だ。その年齢になって、見返したいなあ。あるひとりの女性の人生を映した、すばらしい映画だった。
ぐっない

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