タキ

わたしは最悪。のタキのレビュー・感想・評価

わたしは最悪。(2021年製作の映画)
4.0
オジサンがオンナ子どもをつかまえてやたら自分の知識を披露するという行為に名前がついてることを初めて知った。マンスプレイニング、略してマンスプなどと言うらしい。

マンスプレイニング(英語: mansplaining、男(man)と説明する(explain)という動詞の非公式な形のsplainingのブレンド語)は、「(男の)見下したような、自信過剰な、そしてしばしば不正確な、または過度に単純化された方法で女性や子どもに何かについてコメントしたり、説明したりする」という意味の批判的な用語である(Wikipediaより)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0

マンスプレイニングをナチュラルに知らなかったのか知ってて分からないフリをしたのかどっちだろうか。知ってても話に乗ればめんどくさそうだし、知ったかすればオジサンにマウントとられるだろうし、「え?ウーマンスプレイニング?どういう意味?」がマンスプレイニング回避術になってるのは面白い。
社会的な成功や周囲に期待されている役割より、ユリアは自分のフィーリングをとにかく大事にしている。いわゆる「自分探しの旅」をしてるうちに30歳になってしまった。「妻」とか「母親」という役割に収まってしまえば社会的にはずっと楽に生きられるというのに、焦らず丁寧に真剣に自分と向き合う主人公のメンタルの強さよ。でも彼女は役割を担わない代わりにずっと「ユリア」自身でいられる。この自由は何者にも代え難い。
カメラマンに戻ったユリアがラストに穏やかな顔で元カレ家族を見送っている。
(社会的には)間違ってたかもしれないけど(ユリア的には)間違ってなかったんだなぁと思う。清々しい。こういう自己肯定感の強い人は世界最強だ。
タキ

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