このレビューはネタバレを含みます
奇跡のようにいい人に仕上がった主人公のキャラと外見がイマイチ合ってない。
全身タトゥーでなければ感情移入も簡単だったのだが、タトゥーにすることによって移民の人生のリアルさが伺える。そりゃ里親を転々として虐待されていればまともな職にはつけないのが普通か。
自分が悪くないのに状況はどんどん悪くなっていく。仏教なら徳が低いからとか業だとかいくらでも言えるけれど、本質的に彼は悪くないじゃないか。それなのに悪くなってゆく。
最後、妻ともどもあのまま韓国に渡っていたらどうなったのか。いや、そもそも彼には韓国籍があるのか? 韓国語も話せずに帰って、これからの人生が悲惨でないわけがない。だから母子をアメリカに残すのは、頭ではわかる、けれどさあ。なんかなあ、なんだかなあ。
アリシア・ヴィキャンデルに惹かれて見たが、イニャリトゥ映画でも見たような、体にへばりつく気持ちの悪さが鑑賞後も離れない。