三樹夫

猿の惑星:創世記(ジェネシス)の三樹夫のレビュー・感想・評価

3.5
『猿の惑星』のリブートシリーズ1作目。猿が人間に宣戦布告したというところまでの、まさに序章というような1作目になっている。猿といってもチンパンジー、オラウータン、ゴリラの猿連合という感じで、人間側は隣人のおっさんや施設のチンピラなどクソみたいな人間がフィーチャーされ、猿が人間に拳を向けることに共感できる作りになっている。そのため人間が鉄砲で撃ってくる様がもの凄い非道な行いのように見える。後、単純に動物実験の実験台にされている猿たちなので、人間に対してふざけんじゃねぇと立ち上がることに正当性があり、観ていて人間としてすみませんという気持ちになる映画になっている。

アルツハイマーの父を持つ主人公はアルツハイマー用の薬を開発しており、実験台のチンパンジーに投与したところ身ごもっていた子供のチンパンジーが高い知能を持って生まれた。シーザーと名付け自宅にてこっそり育てていたが、隣人との出来事でシーザーは保護施設へと送られてしまう。そこでシーザーは人間への宣戦布告を決め、施設の猿たちを束ねて人間に反乱を起こすというもの。
施設内での描写が、あたかも刑務所で痛めつけられた知能の高いリーダーシップのある囚人が他の囚人たちを率いて反乱を起こすというように見える。知能が高い奴が脳筋に絡まれるみたいな洋画でよくある描写もあったりなんかして、人間がやっていることが猿にそのまま置き換わっている。
人間に宣戦布告したシーザー率いる猿連合だが、シーザー自体は主人公に対しては好意を持っているので、猿対人間の中で猿側のシーザーと人間側の主人公との関係でもドラマを進めていくような気配を感じさせる終わり方だった。
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