もちお

余命10年のもちおのネタバレレビュー・内容・結末

余命10年(2022年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

 初鑑賞です。
 落ち着いた作品でした。
 空気感が良かったです。
 ただ、飲み込めないところもありました。

①良かったところ
・役者さんたち
 メインの方々の魅力。
 脇を固める役者さんたちの安定感。
 作品に重みがありました。

・時代の振り返り
 その時のニュースや年号が示されることで、自分史に想いを馳せさせられました。
 「あの頃こうだったなあ」と懐かしい気持ちになりました。

・親目線
 若い2人が主軸ではありますが、親側の視点も印象的でした。
 静かな演技に伝わってくるものがありました。

・同窓会
 全体的に苦かったです。
 他人との比較もそうですが、強烈だったのがタイム・カプセル。
 過去からの視点。
 じわじわと効いてくるものがありました。

・和人さん
 特に序盤。
 視野が狭くなっている様子。
 緊張感がありました。
 そこからの変化。
 少しずつ前に進んでいく過程が心地よかったです。

②合わなかったところ
・旅行と別れ
 いろいろとモヤモヤしました。
 旅行先から黙って帰ろうとしたこと。
 治療法が確立されていないことを黙っていたこと。
 そして、お別れ。
 拒絶するのも分かりますが、もう少し相手の気持ちに耳を傾けても良いのではと思いました。

・動画削除ラッシュ
 飲み込めなかったです。
 大切な思い出なのに。
 美しい記憶だからこそ残しておくと苦しくなるとか、自傷行為のような意味合いがあるのかなと思いました。
 が、違和感の方が強かったです。

③難病を主題とする作品
 丁寧な作品と思いました。
 ただ、本作を観ている時の私自身に思うところがありました。
 上から目線の同情になっているのではないか。
 罪悪感、無力感、違和感。
 複雑な気持ちになりました。

④まとめ
 飲み込めないところがありました。
 ただ、胸に響く描写もありました。
 観て良かったです。
もちお

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