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イノセンツのanemoneのレビュー・感想・評価

イノセンツ(2021年製作の映画)
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深緑色の湖、軋むブランコ、膝を怪我してしまいそうなコンクリート、四角い窓のこそこそ話、静寂の森、銀球
さあ、夏休みが始まる

透明な何かに、思わず触れてしまったような不穏なビブラフォンがみぞおちに響く

ただのサイキックスリラーではなく、子供から大人へ、成長の過程で生み出される繊細で、不穏な心の歪みをあぶり出した少年少女章
私たちの善悪の枠に留まらない、イビル(悪)を超えるイノセンツ(無垢)

1番弱く、幼い者が1番強い力を持つ
成長すれば、力は失われてしまう

ラストのバトルシーンは、完全に大友さんのオマージュだった。童夢が好きなので
そこに完結して嬉しかった。
北欧の建物や森は意外と団地と相性が良くて、ひんやりとした美しい景観が、日本のそれとは一味違う不気味さを纏っている。
同じ団地の男性がいじめっ子を殺すシーンは、浪人生のお兄ちゃんのあのシーンでしょうか…

イノセンツには、"世間知らず"という意味もある。
自分と違う者を受け入れない、排除したい
そんな誰の心の中にもある排他性が、子供達を、子供の頃の私たちをモンスターにするのかもしれない
羽化に失敗したベンは、大人になることができなかった


〜衣装語り〜
北欧ファブリックや花柄が可愛い

・アナのライラックカラーのざっくりニットと、ミントグリーンの花柄キュロットの組み合わせがキュート

・イーダ
Tシャツにデニムのミニサロペットがデフォルト。
①ブライトイエローにブラッドオレンジと白のボーダーT
②白地にレインボーストライプのプリントT

無機質なコンクリートの建物なのに、ドアが木だったり、湖や森に接しているのが北欧らしい

・イーダの子供部屋の、爽やかなアイスブルーのファブリックとシアーなロールカーテン、北欧カラーの少し温かみのあるモービル
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