タキ

パラレル・マザーズのタキのネタバレレビュー・内容・結末

パラレル・マザーズ(2021年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

産院での赤ん坊の取り違えから母性について掘り下げるメロドラマ的なストーリーかと思ったら全く違う着地点で消化するのにちょっと時間がかかっている。ジャニスが娘セシリアと血縁関係にないと知っても誰にも言わなかったのは血のつながりより共に生きてきた時間が彼女の母性の根幹にあったからだとは思う(しかしほんの数ヶ月なのがちょっと…)ジャニスは一方でフランコ独裁政権下の政治弾圧で虐殺された曽祖父が埋められている場所を発掘して間違った歴史を正そうとしていくのだが、隠された真実を追求する気持ちがありながら、DNA鑑定で示された親子の真実は明かせない明かせば2人の子を失ってしまうかもしれないと道徳的なジレンマで苦しむ。監督のインタビューを読むとここが最大の見どころのようだ。
アナの娘(本当はジャニスの娘)が誰のせいでもない乳幼児突然死症候群で亡くなったり、出産年齢がかなり高いにもかかわらずアルトゥロとの間にまた子供ができたりと甘めの展開がちょっと気になる。あのアナの様子だとセシリアの父親は好きだった彼だったんだなぁと想像するけども、それでいいのか?みたいな感情も湧き上がる。
映画を彩る暖色系の色合いは監督のオハコだそうで。ジャニスの部屋のインテリアは隅々までねっとりみた。いいなぁすごく素敵。

スペイン内戦をわかりやすく解説
https://europa-japan.com/war/spanish-civil-war/entry3058.html

2007年にスペインで成立した「歴史の記憶法」は、1936年から39年まで続いた内戦とその後75年までの軍事独裁政権下で政治弾圧を受けた犠牲者の名誉を回復し、遺族を補償する内容です。
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-01-30/ftp20080130faq12_01_0.html

「パラレル・マザーズ」ペドロ・アルモドバルのインタビュー到着、撮り下ろし写真も https://natalie.mu/eiga/news/496950

『パラレル・マザーズ』で7度目のタッグ!ペドロ・アルモドバル監督とペネロペ・クルスが振り返る25年
https://moviewalker.jp/news/article/1108395/
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