原作既読。
少し画面に説明させすぎな感じもしたが、原作の理屈っぽい箇所をすっ飛ばし、人間関係を整理し、人探しに焦点を絞っていて、わかりやすい。
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原作は、平野啓一郎らしき小説家が、城戸と出会い、この小説を書くに至った経緯を語る場面から始まるので、城戸という男に胡散臭さを持ちながら読み始めた記憶があるが、その場面を最後に持ってきていた。
そのため、妻の不倫発覚場面の直後になり、因果関係がダイレクトな感じ。それだけではないけれど。
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息子が「もう悲しくはないけど、なんだか寂しい」と言う場面が良かったな。
大泣きはしないが、じんわりと。
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映画の城戸は妻夫木君のイメージもあり、原作よりも清廉な仕上がりなので、なぜ、あの妻と結婚したのか謎に思える。
「在日」のロンダリングだったのだろうか?
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男の正体は分かったが、見終わった後もなんだか澱が残ってすっきりとはしない、という点で、いい映画だと思う。