のすけ

キリング・オブ・ケネス・チェンバレンののすけのレビュー・感想・評価

3.6
実話。しかも実際の事件とほぼ同じ時間、時系列で繰り広げられる緊迫感が凄かった。
ドアを開けようとする警察と、開けたくない双璧性障害の主人公。それだけなのに、下手なアクション映画よりずっしりと重く緊迫感に溢れていて最後まで目が離せない。

腐った警察が終わっている。こういった事件は他にもたくさん起きているわけだけど、一体どうなっているんだ‥暴走野郎を誰も止められないし、組織全体としてやばいし機能していないだろこれは。
皆「俺様は警察だぞ。言うことを聞け!」と言わんばかりの対応。むしろ言うことを聞かせるためだけの蛮行と言えるかもしれない。目的がすり替わってしまっている。

途中から『スタンフォード監獄実験』を描いた名作『es』を観ているようだった。
人はやはり制服通りの人格になってしまうのか‥どう考えてもここまでやる必要はなかったはず。ましてや最後の一撃はありえない。でも、歯止めが効かなくなる怖さ‥

社会においても役職がつくと偉くなったと勘違いしておかしくなる人間はたくさんいる。
これが殺人まで行ってしまう外国は狂っているけど、自殺に追い込むイジメやパワハラが耐えない日本だって同じこと。殺し方が違うだけでやっていることは同じだ。
なんか、現代社会の縮図を見ているようだった。
これは決して外国だけの話しではない。人種差別に限った話しではない。今我々の身近で起きていることだ。