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茶飲友達のdarumaのレビュー・感想・評価

茶飲友達(2022年製作の映画)
4.2
前から観たかった作品。確か高崎映画祭で主演の岡本玲さんが受賞されていたと思うんですが、確認したら監督賞もでした!それは知らなかったのですが、外山文治監督だから観たかったというのもあります。結果、まさに…!どちらもわかりみが深すぎる。

高齢者専門の売春クラブの話です。売る方も買う方も高齢者。実話ベースなのかな…?(着想はそのようです。公式サイトを見ました)

後味はあまりよくありませんが、逆にそこがかなり真実味があると思う。
松子さんの翻りがめちゃくちゃリアル…

主役のマナちゃん、めっちゃよかったです。
とても優しくてしっかりしている社長さん、でも、終始彼女の「陰」がずっと気になって仕方がなかった。岡本玲さんがその陰の部分を絶妙に表現していたと思います。

他に朝ドラ「舞いあがれ!」に水島学生で出ていた佐野弘樹さん、中山求一郎さんが知っている顔だったかな?会社のスタッフ役で出られています。
声がハスキーな方が公式サイトに載っていたのでメインキャストなんですね。妊娠しちゃう役の子です。印象的な声です。

お年寄りがメインの話の中で、この会社スタッフさんたちのエピソードが上手く効いていました。群像劇という扱いみたいですが、なるほどうまいな…と思いました。

うまく言えないし、ちょっと外れているかもしれないけれど、「由宇子の天秤」を観た時の感覚に近いものを感じました。
「正義とは…」みたいな。
その人にとっての正義。揺るぎないもの。

外山文治監督、実は私がフィルマに登録したきっかけの作品の監督さんです。当時「ソワレ」が観たくて、試写に応募するために登録しました。(コロナでオンライン試写が盛んな頃です)
個人的には「此の岸のこと」がとても好きで、本作は同じ高齢者がメインというのもありますが、非常に刺さりました。

今まであまり詳しく経歴を拝見したことがなかったのですが、シニア世代の婚活を描いた「燦燦-さんさん-」が長編デビュー作なのですね(未見です)。ということは、本作は物凄く系譜の作品だったということですね…!

コロナ期間に制作された短編も観たことがあるのですが(ぼくはぜろにみたない)、結構エッジが効いていた印象です。

これからも追っていきたい監督の一人です。
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