タキ

リコリス・ピザのタキのレビュー・感想・評価

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)
3.8
たくさんのネタが詰め込まれた映画だということを鑑賞後に知った。バイクスタントのくだりとかどういう意味なんだろうと不思議だったし、プレスリーみたいな衣装を着た女好きのエキセントリック激ギレオジサンが超有名な映画プロデューサー(本名そのまま)だとは知らなかった。主人公のゲイリーはトム・ハンクスと共に映画プロダクションをやっているゲイリー・ゴーツマンがモデルらしい。人気子役からその商才を武器に10代からウォーターベッドやピンボール店経営に乗り出し、ゆくゆくは映画プロデューサーへという彼のサクセスかと思いきや、そのあたり片鱗も見せずに終わる純粋な青春映画になっている。なんと潔いというか、2時間ほぼ使ってゲイリーとアラナの微妙で絶妙な距離感を手を替え品を替え見せていくというのは主役ふたりの底知れぬ魅力への信頼だと思う。毎シーンアラナの顔面にクギづけだった。ピーターズのフェラーリをゲイリーがブチ壊すのを笑って見てたらトラックがガス欠で真っ青、アラナが険しい顔でバックのまま坂道を延々と運転、無事麓にたどり着く。朝、わちゃわちゃと猥談しながらガソリン入れているアホ男子どもを見ながら「ワタシ何やってんの…」的な表情の流れがすごく良かった。25歳だからオトナかというとオトナになりきれない少女の部分はいくつになってもあるもので等身大の自分に迷う、そんなところを上手く描いていた。いやとにかくアラナが巧かった!

【町山&藤谷のアメTube】
https://youtu.be/lOAR4Bnpxm0

『リコリス・ピザ』徹底解説! 実在の人物・元ネタ・時代背景 あなたを1973年の夏に導く青春映画 https://www.banger.jp/movie/80738/
タキ

タキ