なぎさのヒノモトのネタバレレビュー・内容・結末

親のいない環境で育った兄妹、文直となぎさの現在と過去を心霊スポットとして訪れたトンネルの中でふと邂逅するお話。

ここから先は、ネタバレを含む感想となります。

古き良き日本映画のような重苦しい空気感と核心を避け続けるフォーカスの妙があって、過去の日本映画を観てない若い世代の方には新鮮に映る表現に見えると思います。

パズルのように時間軸がバラバラで、最後まで観て、脳内で組み合わせると物語が理解できるようなつくりになっていて、個々の出演者の演技、その映像自体は良いのですが、「心霊スポット→トンネル→事故死」という題材自体は、あまりにも新鮮味が感じられず、物語自体にも強く惹かれるところはなかったです。

分かり易くセリフになっている部分と何をしているのかすら分からないカメラワークの間に、想像の余地を感じさせたいのでしょうが、分からないシーンは本当に伝わらない場面が多く、セリフは無くても良いので、ショットとしては何を見せたいのかは、ぼやかすべきではなかったように感じました。

幼少期も含めて、主演の二人の自然な雰囲気自体は良かったと思うので、どこまで観客側に寄り添うのかは、違ったアプローチの仕方もあったように思えました。