ゆき

なぎさのゆきのレビュー・感想・評価

なぎさ(2021年製作の映画)
3.7
トンネル

喪失と向き合いきれない青年の記憶を辿る時間だった。
家庭環境とか兄妹間の感情とか、受け止めきれない事実も目の前の不条理も、いろいろ重ね合わせていく展開。
場所に憑くというか、生きている側が幽霊の様に彷徨う。
無駄な音楽は無く、セリフも表情のカットも少ない。ほの暗い画面の中で、聞こえてくる音で想像していく。
主演の青木君が消えてしまいそうなくらい危うくて、しっかり魅入ってしまった。2人の回想シーンの笑顔が実に自然で印象的。
浮遊感が終始漂う、なんだか後を引く一作でした。
***
兄妹二人。妹を置いて地元を出た兄は、後悔に苛まれながら日々を送る。ある日を境に、兄は亡き妹の幽霊を探し始めることとなる。
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