このレビューはネタバレを含みます
ちょっと凄すぎたな。
人間が食したことで知恵を得たエデンの果実、更には物理学の象徴でもある林檎にオッペンハイマーは物語の冒頭で毒を注入する。
毒を注入した後に自分の過ちに気付き、その林檎をゴミ箱に捨てる。
その後、彼は原子爆弾という毒林檎を作るが、簡単には捨てられない。そしてその原子爆弾は多くの人間を殺す。
自分の過ちに気付き、水爆の開発に反対し軍縮を唱えたことや、自らの過去の過ちで赤狩りの対象になり、映画の終盤では苦しむことになる。
映画の最後で、自身と同様に認められることはあっても、許されることはない、またその認める行為も、オッペンハイマーの為ではなく自分たちの為だと、アインシュタインがオッペンハイマーに告げたのが良かった。
日本の被害があまり描写されてなかったけど、アメリカ視点で作ったらそうなるよなとは思う。
時系列がバラバラで同時進行し、登場人物も多いので、困惑する場合もあるので、多少前知識があった方が楽しめると思う。