あかーぎー

オッペンハイマーのあかーぎーのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.2
映像作品でカラーパートとモノクロパートと分かれている場合、現在と過去という使い方が一般的やけど
オッペンハイマーでは現在と過去ではなくて
公聴会と聴聞会の違い(それぞれ問われてる人物が違う)ってのがあまり見た事がない使い方で良かった。
まあ時間軸が5年くらい違うって意味では現在と過去ではあるんやけど。
主観が違うというより、対象人物のスポットが違う。
登場人物が多過ぎて複雑化してるって話があるけど、普通のドラマ表現ならそこまで複雑化しない人数なはずが、
公聴会と聴聞会という似たシチュエーションで何人も登場するから複雑化してる原因になってる気がした。
記憶してないと前後関係が分からず「誰?」ってなる。

日本人がオッペンハイマーを観ると結構ヘビーって感想を事前に聞いてたはいたけど
僕的に想像してない展開でハッとさせられた。
でもよく考えれば、というか歴史を知っていれば想像できたはずなんやけど。
対ナチスで始まった原爆開発計画が途中でヒトラー自殺でナチス崩壊した後にどうなるか、という。
むしろ原爆の兵器としての残酷さの描写は日本人なら教育上で腐る程見てきてるからそんなにって感じになるかと思う。

個人的にオッペンハイマーはもっと人物描写に徹底された伝記映画やと想像してたので
後半の展開が予想外でちょっと微妙に感じてしまった。
音楽でも盛り上げようとしてた(エンタメ演出)けど、後半で疲れもあって余計に頭に入ってこんかった。

オッペンハイマーの日本語字幕、結構誤訳が多いみたい。
まとめてたサイトをちょっと読んだだけでもダメだこりゃってなった。
誤訳というかその訳し方やと伝わらんってやつ。
とは言え、英語から日本語に訳する時に文化などの違いにより伝わり辛い所があったり、
字幕に文字制限があったりと色々と配慮すべき問題があるのは分かるんやけど…
作中のセリフで「(機密情報に)アクセス許可」云々てのがあってしっくり来んかったけど
帰って調べてたらセキュリティ・クリアランスの事やって日本語やと逆に分かりにくっ!ってなった。

オッペンハイマーがストローズをバカにしたときのジョークがハイレベル過ぎて理解できなかった笑
さらにアイソトープって専門用語も出てよう分からんかった。
まあストローズはバカにされてイラついてるのは分かるからストーリーを理解する事は出来るんやけど。

オッペンハイマー鑑賞後に色々調べる中で、脇役の中では割とキーとなるキャラがボヘミアンラプソディーでフレディー役やってた人って知ってビックリした。
あとオッペンハイマーの日本公開が遅過ぎて色んな情報を知った後やったから自然に思ってたけど、ゲイリーオールドマンはサプライズ寄りの配役やったのね。

IMAX映画をフルサイズで撮る(観る)って、今まではアクション系の映像に特化していた様に思うけど
映像(空想の世界)、キャラの感情に抽象表現などを用いて入り込む意図として使われたら最強やなって思っていて
ちょっとそれを期待してたけど、そういうのでは無かった。
でも、純粋にIMAXの没入感はやはり凄い。アクション系の映画でなくても。