うーん、難しい。映画の理解も難しいし、題材としてもスコアを付けるのが難しいが、出来る限り因数分解してレビューしてみる。
原爆を作った人の話、ということしか知らない歴史アレルギーの文系卒の私だが、なんとか付いていけた。とはいえアインシュタインが存命だったことに驚いてしまったあたり、自分の学の無さを恥じる。登場人物も多いし、場面転換で時間軸も変わってややこしいはずなのだが、そこは脚本のクオリティなのだろう。
被爆国である我々日本人からすると世界の人達とは違った視点で見ざるおえなく、アカデミー賞とか賞賛して良いものか、とか考えてしまうが、客観的に見ても原爆を美化するものでもなく、オッペンハイマー博士を神格化するものでもなく、当時のアメリカのリアルを描いている点では割と中立的なアカデミアな作品とも言えるのではないか。
とはいえ主人公の努力が実ったトリニティ実験のシーンは、成功の感動がないわけではないが同時に成功してしまった、との気持ちもあり、ここは非常に複雑な心境となった。これはきっと開発チームの中でもあった葛藤であろう。またサイエンスなサクセスストーリーの側面以外にも、政治的なスリラードラマのような側面もある。180分はめちゃ長いが、これは逃げられない映画館でこそ見て浸かるべき。たぶん家で見てたら寝るか別のことするか、してしまう人多いと思う笑
また爆発で逆に無音にする、モノクロで進むパート、など演出面も光っており、さすが巨匠である。キャストも非常に豪華で、色んな人が出てくるが故に飽きずに見れた、というのもあるかもしれない。
キリアンマーフィー スケアクロウの病んだ人のイメージだが、今回の役ともマッチしていて各年齢を違和感なく演じてるのすごい
エミリーブラント まじ美人、酒に溺れて子育てに大苦戦してるのわかりみが深い。
マットデイモン なんか見てるだけでホンワカしてくるのは私だけか。なんやかんやでオッペンハイマーと良いコンビになっているのが素晴らしい
フローレンスピュー エレーナ身体張りすぎでしょ、そんな出す必要ある？って思ったけど、出したからこそ際立つシーンでもあった
ロバート・ダウニー・Jr アイアンマンももうそういえばおじいちゃんなんだよな、演技が評価されて嬉しい
その他ラミマレックやゲイリーオールドマン、デヴィッド・ダストマルチャンなど本当に豪華。
