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オッペンハイマーのKのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
3.5
この作品を楽しみ尽くすには、こちらの事前準備が足りなかった感。
いくつかの時間軸を行き来し、人間関係が複雑に入り交じる構成のため、脳が一番エネルギッシュに活動してる(と思われる)昼の時間帯を狙って観ることをおすすめしたい。笑

そんなこともあり脳みそをフル回転させ続けながらの鑑賞体験だったので、なかなか映画そのものへの感想も難しいところがあるけれども、それでもトリニティ実験後のドッと湧き起こる歓声と人々の笑顔で画面が埋め尽くされるシーンは強烈な記憶として焼き付いている。
様々な叡智と労力を結集させてたどり着いた”成功”が、一重に多くの命を奪う未来を暗示することのやるせなさ。
普段、苦難を乗り越えてチームで目標を達成した瞬間の高揚感はポジティブな印象をもって迎えられ、観てるこちら側までその喜びに共感し涙するものなのに、今回に限っては作中の人々の喜びが増せば増すほどに辛く悲しく形容できないドロドロとした感情が込みあげてきて、そのむなしさに涙が出た。
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