ふろしき

オッペンハイマーのふろしきのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
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確かにノーラン節炸裂の時系列シャッフル編集で成り立つ映画だった。が、序盤はフォーカスがどこに向けられているのか判断しにくい構成(つまりは状況の説明と描写)ではあるが後半、実験成功の後の構成はスリリングに各要素へそれぞれズームしていく演出で、それはそれはクリアに描いていたように思う。正直長丁場だし観る気がなかなか起きなかったのだがサントラを聴く機会があり、翻ってすぐさま劇場に駆け込んだ次第。なので音響含めてIMAXで観てよかった。

直近にフォロウィングを観て混乱させられていたので、今作は「おお、ノーラン、ここまでZAPPINGしながらも観客の理解を得やすい構成にブラッシュアップすることができるようになったんだ!」(上から)というベクトルの感動を覚えました。と同時にノーランの映画は観客を混乱させることが目的ではなくあくまでもじわじわとスリリングに結末へ向かってゆく演出構成であることが主たる目的なのだと理解することができました。そしてオッペンハイマーではそれが大成功をおさめていると感じるのは各映画賞の受賞数にもあらわれているのでは。

日本人が不快感を覚えるような映画ではないと思う。(バーベンハイマーは別の話)
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