片腕マシンボーイ

ミューズは溺れないの片腕マシンボーイのレビュー・感想・評価

ミューズは溺れない(2021年製作の映画)
4.9
いやね、マシンボーイってば同じ映画を2回以上劇場で観たのって、「学校の怪談」と「学校の怪談2」を子供の頃と、去年のリバイバル上映で観たの……くらいやと思うんやが……
本作のみは昨年秋公開の時に2回、そして再びの東京公開の今回でまた観に行ってしまい3回目です、すいません!
ってか、前回たくさんいいね!やコメント貰っていたし、再レビューはする気無かったんやが、3度目の鑑賞でまた良いとこいっぱい見つけちゃったし、スコアも上方修正するしかなく……ひゃー!

昨年秋最大の期待作やったと言っても過言では無い本作、もちろん最初は上原実矩っつ〜大好きなキャストに惹かれて興味もったには違いないが、きっとマシンボーイはこういう映画に出会いたくて年に何百本もの映画観てんだろうなぁ……つって震えた、本物の映画を観ているっつ〜悦びが半端ない、最高

美術部のみんなで港で絵を描いていたんやが誤って海に転落した朔子……しかもその場面の私をモデルに描いた西原さんの絵が絵画コンクールで審査員特別賞?くぅ……恥ずかしいやら悔しいやら、自分の絵に自信を無くし進路に悩む朔子は、恋のことで友人ともギクシャクすっし!父の再婚やら家庭のことでも悩みは尽きんし……モヤモヤすんぞぉ!……って話

そうね!「青葉家のテーブル」で一昨年のマシンボーイ映画賞で助演女優賞を受賞した上原実矩ちゃんがTAMA NEW WAVEで女優賞を受賞したということでずっと公開を待ち遠しく思っていた作品やったんやが、あまりにマシンボーイのお胸にストライクで昨年のマシンボーイ映画賞作品賞主演女優賞はじめ各賞を乱獲した傑作
しかもお父さん役が川瀬陽太、友人役に森田想と、もうインディーズ映画好きなら震えずにはいられない盤石の布陣、もう初見の時はキャストだけでも震えたんやが、三度目ともなると……

くそぅ!やっぱり良過ぎた!オープニングからラストまで、マシンボーイのお胸を貫く良いシーンしかなくて痺れた!なんやこれ?もはやいろんなものを諦めてきたおっさんやからば沁みた部分もあるが、もし彼女たちと同世代、いや20代前半くらいまでに観ていたらいろんなものがフツフツとして映画館でてから駅までの人混みの中をとりあえず真っ直ぐ全力で走らずには居られんかった気がする、マシンボーイは芸術系の大学行ってたから余計にあの頃の気持ちが蘇り感じるとこもあったかも?

そうね、本作は主人公の朔子が自分に自信を失いモヤモヤするところから、紆余曲折を経て前へ進むまでを描く、言うたらよくある青春映画なんやが、その紆余曲折がほんま紆余曲折でしてね、進路のこと、友情、家庭、恋、ジェンダー、いろんなことがまさに波のように襲いかかりアップアップするんであります!
しか〜し!「ろくでなし」で初めて観て以来ずっとマシンボーイのミューズであり続ける実矩ちゃん演じる朔子はその波にもがき苦しもうと決して溺れないのでありますよ!まぁ割と気弱で内面に溜めがちな性格からか、何度か沈みそうにはなりましたがね、なんとか再浮上を果たすのであります!やったー!
ま、詳しくは言えんから観れとしか言えんが、とりあえずオープニングの港から学校でのアレコレにマシンボーイも一喜一憂、愉快な造形に勤しみだす辺りでは胸の高まり止まらんかった!

実矩ちゃんは本作でもマシンボーイの好きなムスッと顔は健在ですよ!思った通りに筆が進まずムスッと、溺れている様子を絵に描かれムスッと、モデルやって欲しいと言われムスッと、お父さん達と言い合いしてムスッっと、しかしそのムスッと顔も魅力的ながら、終盤の笑顔の弾ける瞬間の素晴らしさよ!マシンボーイのモデルにもなってくれ!
そうね…実矩ちゃんは実力派女優さんやから演技の上手さは当然なんやが、なんせ表情のバリエーションの数々にはまぢマシンボーイもメロンパンナのメロメロパンチなんよ!例えば本作では壊れた鳩時計を直している時にお父さんの新しい奥さんに話しかけられた時の表情とか…はぁ、そういう時ってそんな顔するんやぁ!ってめちゃ感心しちゃった
あとね、スカートは短くしすぎやからも少し下げて欲しいぞぉ、階段のシーンが多く印象的なんやがあやうくパンツ見えるかと思って心配した…ハラハラ
とりあえず実矩ちゃんの演じる役って等身大の女の子の役が多いのにどの作品でもめちゃ魅力的なんなんやろなぁ!…やっぱ豊か過ぎる表情の数々かなぁ!あ〜マシンボーイもキャンバスオールスターになって実矩ちゃんに履き潰されてぇなぁ!

朔子の友人エミ役の森田想ちゃんもね、マシンボーイは好きやからばね!最初は仲良しでマシンボーイもキャッキャしているんやが…、ぐふぅ、なんとふたりは恋バナがこじれて喧嘩してしまうんよぉ!スンスン、マシンボーイは早く仲直りしてくれぇ、思っていたんやが、内面に溜め込みがちの朔子に対し、思ったことを口にしがちなエミやからば…まぢ絶望よ
そうね、想ちゃんってこういうハッキリ言い過ぎて誤解を招きがちな損している役柄多いよね?気のせいかな?とりあえず途中から、想めぇ…思いながら観ていた、いやいや好きやで想ちゃんも!
でも本作で数少ない欠点かな?5.0に届かなかったのはそこかな?思うんは、想ちゃん演じる友達のあまりに過剰な他人の気持ちを踏み躙るズケズケ感かなぁ、だってマシンボーイなら普通にこの子と友達にはなれんもの、孤立するならこの子やろ思ってしまうわぁ

あと何と言っても本作で実矩ちゃんに負けず劣らず素晴らしかったんは美術部のエース、マッシュルームカットのボーイッシュな西原役の若杉凩さんよね!こがらしさんやで!カッケー名前やな!
とりあえず凩さん演じる西原はね、友達も作らずひたすらイーゼルに向かっているからば、他の美術部員には孤高の存在と畏れられているんよ、ところが朔子とのある一幕を経て弱味を見せ、人間味を魅せてくるのです
いや〜、まぢ朔子と西原の絡みはどのシーンも良くてね、まぢこのふたりには2000万パワーズの勇姿が重なって見えたよねぇ…しみじみ、そんな映画ちゃうけど!
あと制服姿はまぢ孤高なんに私服の絶妙なギャップもまた良いよなぁ

え?川瀬陽太……最高に決まっているだろうがよ!「激怒」の熱く暴れ回る川瀬陽太も良いが、こういう人の良いおじさん役の川瀬陽太は最高やなぁ、実矩ちゃんと川瀬陽太の後半の親子感まぢ良すぎて震えた、カッコつけて娘に笑われるんかわいすぎかよ!あと川瀬陽太禁煙しろて!
川瀬陽太の新奥さんも可愛らしくて素晴らしかったなぁ

そうな、そんなこんなでストーリーもキャラクターも演出も最高でマシンボーイずっとキュンキュンしながら観ていたんやが……こんな傑作が毎日21時スタートの1回1週間限定上映?……アホや、と前回公開時は思ったもんやが、今回はポレポレ東中野で3週間公開中!みんなも是非観ろし!
って事であと2週間弱まだあんのかな?終わるまでにもっかいくらい観に行きてぇなぁ!ぺろぺろぺろぺろ



あ、前回公開時は二度とも舞台挨拶付きやったんやが、それのレビューは残しとこ、今回は舞台挨拶付きは予定合わずに行かれんかったわ…残念!

今日の舞台挨拶にはもちろん監督さんと実矩ちゃん登壇で最高やったわぁ、ゲストがよう知らん派手な姉ちゃん出てきたからどうなることかと思ったが、まぢそのお姉さんからの監督と実矩ちゃんへのQが的確過ぎて素晴らしかったな!見応えしかなかった、しかもその方がパンフに寄せているコメントが素晴らし過ぎて……
それに「この街と私」に続き本年2度目の実矩ちゃんにサインいただけましたよ、はぁ…最高かよぉ、サイン書いた後に眩しすぎる笑顔むけてくれた、眼球潰れた…最高かよぉ


↑これは1回目の舞台挨拶ん時のんやな、2回目はテレ東のディレクター佐久間宣行さんがゲストで監督が佐久間さんのファン過ぎてアタフタしていたん覚えているわぁ、実矩ちゃんもちょっとだけやけど登壇してくれて嬉しかったね!

うん、本作への出会いはまぢ邦画を観続けてきたマシンボーイへの最大のプレゼントやし、実矩ちゃん応援し続けてきてまぢ良かったし、監督!次の作品も楽しみにしてるぞぉ!
できたらまた実矩ちゃんも出演したしてもらえたら最高なんやが!ぺろぺろ

なんて書きながらまた予告編観て震えている今、DVD出たら絶対買う〜、リリースして〜
ってか今回も一般公開とすると…今年のマシンボーイ映画賞ではどう扱ったら良いんや?2年連続総なめなってしまぅ…アタフタ