新しい風は感じるも、わざわざスクリーンでパソコン画面やyoutube、Facebookを観るまでもないだろう。どうしてもパソコン上での操作が多く、画面の奥行きとそして何より“暗さ”が感じられない。通信>>続きを読む
生産性のない、観るものに何も生まない不毛な79分だった。しがないカップルたちの痴話喧嘩。ワンルームの一夜の呪いは、いつのまにか劇場全体をも飲み込む。積み上げられた空き缶、ポケットの電卓、GPSのアプリ>>続きを読む
真実だけで十分強度があるにも関わらず、おそらくフィクションであろう、学生運動家との恋物語を大切な後半に入れてくるもんだから、どうもバランスがおかしくなる。監督には若松孝二『実録・連合赤軍 あさま山荘へ>>続きを読む
だれもが、いくつもの夜を越えて大人になる。平等に与えられた夜を、どこで誰とどうやって過ごすのか。
誰にも傷つけられず義務や焦燥もなさそうに見えるモラトリアム期に、極めて絶妙な距離感で過ごしていた3人>>続きを読む
2011年3月11日の震災が起こって間もなくは、いまある日常が当たり前とは思えずに、びくびく暮らしていたのに、いつのまにか“震災以降の日常”をあたりまえのように暮らしている。本作に出てくる麦/亮太も非>>続きを読む
やっすいララランドみたいな冒頭から始まって、見てて恥ずかしくなる。フラッシュモブ含め、日本人がやるのは相当見苦しい。
とはいえ、その後は物語的には共感できるところも多く、楽しい。ルーズソックス買っても>>続きを読む
テレビの地デジ化が浸透し、2チャンや7チャンに確かにあったはずの砂嵐が消滅した。そこに大切なものを置いて来てしまったのかもしれない、という漠然とした不安を煽ってくる本作はかなり厄介で歪んだ代物といえよ>>続きを読む
乾いた笑いと、不快極まる食事シーンの咀嚼音やBGMのジムノペディ(エンディングの曲もたまらん)。なんとも言えぬグルーヴを生み出し、とても魅力的な映画だった。切ないのは、精神的邂逅を果たしたアオミくんに>>続きを読む
マーベル・シネマスティック・ユニバースの本筋がシリアスで悲惨になればなるほど、このシリーズのスケールの小ささ・緩さが魅力。「目の前の大切な人を如何に笑わせるか」、これこそヒーローたちの本懐だ。国とか宇>>続きを読む
夫婦の愛の具象化された子ども、それが突如無くなり失われた物語。さまざまなことに思い悩み、逡巡しながら一人息子を探す様子はまさに愛を探し求める「私たち」そのものと言えよう。それでいて中盤以降、徐々に探す>>続きを読む
世界の数多ある不思議と同じように、「母のおっぱいと違ってなぜ魅力的なのか」と悩むアオヤマ少年(ワカルゾ、ソノキモチ!)。ノートを繰る少年の真剣な横顔がなんとも愛おしい。
日常とはかけ離れた、街の喫茶>>続きを読む
かたやズル休みしてまで調整を欠かさず、かたや遊び呆けビタミン剤に頼る。見え透いた勝負の行方に感動は皆無で、そもそも明からさまに2人を対比して描くことがボビーはもちろん、実のビリー・ジーンをも愚弄してい>>続きを読む
誰ぞやが「映画は監督、ドラマは脚本家、舞台は役者のもの」って言ってたけど、その通りだった。右傾化する日本への危惧やら、しまいにはインパール・白骨街道だもん。あのダンサー集団もじわじわくる。本筋とは関係>>続きを読む
美しいドレスと、グリーンウッドの精緻で豊穣な調べに乗せて繰り広げられる“悪夢”にメロメロだ。大好物すぎる!測られ身ぐるみ剥がされる、序盤の採寸シーンのエロさは今年イチだった。
はじめこそ男(ウッドコ>>続きを読む
なにひとつ“オレら”の話ではなかった。
小さいながら横浜に中庭付きの一軒家をもち(磯子区とはいえだ!)、育休明けにすぐに復帰できる仕事があり、週末には育児を手伝ってくれる祖父母が健在で、オシャレない>>続きを読む
人類のエゴと負の歴史の塗り直しムービーでありながら、恐竜を身勝手なままに動かす、製作者サイドの烏滸がましさが酷い映画でもあるように感じた。
ガスの匂いを嗅ぎつけ突如逃げ出すブルー、丁寧に窓の鍵を開け>>続きを読む
主人公に重ねるのは、内向きな現代日本そのものかもしれない。声なき声を取り戻す過程で、自分の中の“異物”とどう向き合うか。日本における基地を含め、もっと身近な仲の悪い地元の友達とどう折り合いをつけよう。>>続きを読む
好意や悪意を超えたところで、静かに営まれるスマホなき世界に胸が震える。が、後半。紆余曲折あった前半を完全に無視し、つまるところ「自分は自分なんだ」と内向きな青春劇となり違和感しかない。2人の世界の闖入>>続きを読む
とんでもない大傑作!!
人生はときにロマンスで、ときに虚無。まさに観覧車のごとき、男と女の紡ぐ“おかしみ”が心底おもしろい。極私的映画作家、齢82のウディ・アレンの優しき世界は冴えない人にほど優しく>>続きを読む
「安い・早い・質はそこそこ」と虐げられる中年監督の一世一代の大博打。各人の思惑が大きなグルーヴとなり、映画全体のうねりとして観るものに襲いかかる。まさにゾンビの如く!
いくら最悪な状況でもカメラを離さ>>続きを読む
浜辺美波・川栄李奈の見事なコメディエンヌたちが繰り出す、超絶弩級の面白さ。この面白さを、JKばかりに享受させてはならない。映画と表現の多様性を、我等の手に取り戻せ!漫然と生きるな!
白昼しかも丸腰での銃撃戦の凄まじさもさることながら、そんな狂気に満ちた世界でも、傷を負ったもの同士でなければ癒えぬ傷を慰撫し、優しく寄り添ってくれる友さえいれば生きていける。
展開に心底怖く震えても>>続きを読む
とめどなく目の前に現れる難題に、惑うことのないオーシャン(サンドラ・ブロック)による快刀乱麻の解決ぶりに一種の気持ちよさを感じつつも、途中で飽きる。まぁ、これがシリーズの醍醐味でもあるのだけれども。>>続きを読む
食糧強奪のためにマラリア流行る島へ強制移住とか、14,5の少年たちにスパイ活動・破壊工作を課すとか、戦後PTSDによる座敷牢のエピソードとか、異常なまでに恐ろしく悲しい。
2018年。沖縄戦を語>>続きを読む
昨年から合わせて3回も観た。
土地にしても家族にしても、そこにある“引力”に抗えない人間の性に息苦しさを感じつつも、でもその一方で身の回りのコミュニティなくして人間は生きられない(我々が重力に息苦し>>続きを読む
もともと期待値高かった映画。「イライザがクソみたいな女だったらどうしよう」という一抹の不安が、冒頭5分で海の藻屑と化すのが大変すばらしかった!ミュージカルに憧れる声の出せぬイライザ、ふとした瞬間に刻む>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
タッグプレーということもあり、畑は違えど“師弟モノ”として観れる、バク山・岩淵コンビは良かった。「仕事として割り切る」という言葉は、多くの茨の道を超えてきたひとだから重みがちがう。少し泣きそうになる。>>続きを読む
内容はこちらがわを深く刻んでくるような重いものだが、鑑賞後はだいぶスッキリ感じるのは子どもたちの名演もさることながら、脚本の妙かなと思った。ドッジボール・マニキュア・ブレスレッド、どの伏線もしっかり回>>続きを読む
相手をマインドコントロールして、プラシーボ効果で殺すとはいえ、そんなインパクトのない殺し方が続き、記憶に残らない。はじめの蜂殺しが良かったぶん、物足りない。また宇相吹のいう、純粋な殺意と不純な殺意の境>>続きを読む
地に足をつけ、社会にしがみついて生きるしかない2人の中年男。厳しすぎるまた虚しすぎる現実を前にして、目の前に現れる浮遊した若者はまさに社会的弱者たちの夢想でなかったか。その夢がいつしか伝播する、幸せす>>続きを読む
人が人を赦すことを信じている映画。人種やセクハラ問題を抱える昨今のハリウッドで、本作が作られた意義はたいへん深い。あまりに性善的な展開ではあるが、内なる善の可能性を信じてなにが悪い。ミルドレッド、ディ>>続きを読む
2回目。
“視線”の映画だ。
ツチダは彼の歌を盗み聞きし、せいいちは風呂場のすりガラス越しに大きな告白をする。同じ種のTシャツを着ていることにはにかみ、家財を運ぶ彼の姿を確認し、キッチンでキスする。>>続きを読む
オクタヴィア・スペンサー出演ということで、否が応でも『ドリーム』と比較してしまっていたのだけど、数億倍『ドリーム』が素晴らしいということを証明された(こんな作品に裏付けされてもなんの価値もないのだけれ>>続きを読む
2回目の鑑賞。
文句なく、2017年ベスト映画!
不寛容な時代での、運命をも変える小さな草の根の優しさに胸が震える。なんて優しんだ!しかも、一方的に施しを受けるカーリドも実は誰かを救うパーツであった>>続きを読む
あまりに自分とチューニングが合っていない映画で、たいへん見苦しかった。というのも個人的に、「守られたい系女子」よりも「守ってあげたい系男子」のほうが厄介だと思っていて、本作の陣治こそまさにそういう奴だ>>続きを読む
ストーリーはむちゃくちゃくそ面白いのだけど、本作はだいぶ映画バランスが崩れすぎちゃあいませんか。正直、戴冠式までがピークであとはだいぶ盛り下がる。前作がカーラケーヤとの戦いで締めることでだいぶ盛り上が>>続きを読む