先日『エレファント』のDVDを購入し、再視聴したことをきっかけに、本作を鑑賞。
ビクトル・エリセ目的で鑑賞。デビュー作かつ3監督によるオムニバス。
2本目も面白く見れたが、やはり真打ちは3本目のエリセ作品。暗示が散りばめられた表現、やや直接的ではあるが、その尖り様が見事。ここか>>続きを読む
撮り方・構成は『エレファント』にそっくり。カートの自殺に対する考察であれば最後のチャプター2つは要らないと思える。それもそのはず、サントは他殺説も疑っているのだろう(チャプター10の最後で小屋の中に赤>>続きを読む
姨捨山の伝説。本作は(最終カットを除く)全編セット撮影で観劇してる気分にさせる。
献身的にしきたりに従うおりん。楢山へ向かう最中、「月が隠れて了ったな」、「雪が降るかもしれねぇな」と苦しさ紛らわすよ>>続きを読む
序盤、全学連の安保反対のデモ行進から、映画全体の方針が示される。戦後復興という時代の若者、姉との対比によってニ種類の恋愛が映されるが、秋本の発言の通り、それらは敗北という結末を迎える。
日本のヌーヴ>>続きを読む
久々にエンタメ作品を。話の繋がる様が面白かった。
小津作品らしいローポジションと一点透視図法により統制された画角、ドラマ性に溢れた脚本。開き直りも噂好きも悪態も、すべて人情から生まれるもので、それら一切が美しい。
テンポという意味での「間」が、物語>>続きを読む
アニエス・ヴァルダによる、ヌーヴェル・ヴァーグの原点。
やはり、ドキュメンタリーの名手なだけあり、ローカルの撮り方が秀でている。伝統、労働、共同体意識の中で、ポワント・クールト(タイトルは舞台となっ>>続きを読む
プロローグ、ファスビンダーパート、エピローグのみ鑑賞。
ドイツの秋と呼ばれる一連のテロ事件を受け制作された、学生運動を擁護していた映画人らによるオムニバス作品。
まず、プロローグとエピローグ、それ>>続きを読む
ブレッソン初のカラー作品にして、日本で唯一ソフト化されてない作品。シネマトグラフの目指す「エモーションへの訴え」が、もっともわかりやすい形で達成されている作品ではないだろうか(後述)。
元来、妻が「>>続きを読む
ファスビンダー流『嘆きの天使』。しかし、オリジナルには囚われていない。ここがらしい。
極めつけは、歌うローラに魅了されるのではなく、動揺し、退室する点だろう。出て行くフォン・ボームを見、ローラはシュ>>続きを読む
ウディ・アレンの中では相当好き。映画の都合や定番、あるあるが盛り込まれる、異色なコメディ。
ラストシーンの演出素晴らしすぎる。
おそらくタージオへのズームアップやパンを観てだろうが、この高い撮影技術に感動し、ブレッソンはこの撮影技師の『湖のランスロ』、『たぶん悪魔が』、『ラルジャン』への起>>続きを読む
ファスビンダー目当てで見たが、、
最後のユルマズ・ギュネイ監督の意見に全面的に賛同したい。一本も観たことないのが申し訳ないので、『路』は必ず見ようと思う。
ローポジションと一点透視図法。寸分の狂いのない完璧な構図。
映画が時代を切り取るとかでなく、映画全体を時代性が彩っている。話も素晴らしい。
終始テレビの雑音や赤ん坊の泣き声、不快な機械音などのノイズに塗れている。聴覚的な雑音だけでなく、便所の落書き文章の引用など、視覚的なものも含まれる。
冒頭に映される映画はブレッソンの『たぶん悪魔が』>>続きを読む
ヴィム・ヴェンダースのロードムービー三部作の大トリ。フリッツ・ラングに捧げられた映画とのこと。即興演出に満ちたドラマ。
正直少しウンザリしたが、さすがはロードムービーの名手、テーマ性は素晴らしい。
アップリンク配給作品。ドキュメンタリーとしては今ひとつに感じたが、「現代のケツを拭くのは未来世代」といった人間の業が、テーマに詰まっていた。
フリッツ・ラング監督のハリウッド時代の作品。『M』を思わせるような、冷酷さと不条理さ。あと白黒表現。
主人公は、オープニングで勤続25周年を祝われる、実直な男であるが、若い女性への憧憬を捨てきれてい>>続きを読む
テレンス・マリック監督初期作。階級社会も絡めた、いたって普通の愛憎劇なのかもしれないが、とにかく映像美に圧倒される。
風景はもちろんのこと、火の海ですら美しい。また、『裸の島』などを観ても思ったこと>>続きを読む
ゴダールの私的作品(と言われても仕方ないはず)。斬新にも、映画撮影の裏側をありありと示す。
ドイツの巨匠フリッツ・ラングを本人役として招いたものの、その扱い方が分からずあたふたしているゴダールを想像>>続きを読む
ファスビンダー監督の『13回の新月のある年に』の屠殺シーンに関して調べている際、とある論文で、他にも屠殺シーンをそのまま使用している映画として、この『カルネ』が挙げられていた。
ギャスパー・ノエ監督>>続きを読む
ノスタルジーが題材に撮られたわけだが、そこに普遍的なストーリーなどない。タルコフスキー監督、それも監督の当時のタイムリーな立場が反映されまくった個人的な作品である。後半にかけてぐんぐん引き込まれ、考え>>続きを読む
蒸気船が川を上り、山を越える!
ニュー・ジャーマン・シネマのヴェルナー・ヘルツォーク監督による叙事詩的大作。撮影現場も「ホントに出来るの?」という空気だっただろう。
ファスビンダー唯一のSF映画(TV放送用)。およそ50年前に作られた多層世界を舞台にした作品(原作は50年代)。二部作で計3時間半。
フォルマー教授の遺した「アキレスと亀」の落書き(ゼノンのパラドッ>>続きを読む