このレビューはネタバレを含みます
《陰日向で過ごす者へ植えられた残酷な情緒障害》
先日発表されたBAFTA主要部門の英国作品賞すら『イニシェリン島の精霊』に逃してしまい、アカデミー賞では撮影賞ノミネート留まりとなってしまった本作。こ>>続きを読む
《MCU拡張事業量子世界編》
DCに比べ神話性が少なく現実世界に寄り添ったヒーロー像が素敵なMCUも夢が広がる領域を開拓してきた。北欧神話の惑星、スペースオペラ、アフリカ未開の桃源郷、マルチバースと>>続きを読む
《一線を越える決心と越えてくる執念に愛を感じるファムファタール》
エロスとバイオレンスでお馴染みのパクチャヌクがその要素を極力オミットしたという本作だが驚くほどにパクチャヌク版『めまい』に二部構成面>>続きを読む
《アカデミー賞の有力候補にみえて暴落の可能性高し》
今度のアカデミー賞は配信映画やアートハウス系の少なさが特徴的な傾向、大作に富んだラインナップな様子。なんせA24枠の謎エンタメ作品が今回のトレンド>>続きを読む
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《主人公の猪突猛進目線志向のあのチャゼルが暴走する事件簿をフォーカスした》
てっきり今年のアカデミー賞の最多ノミネート案件かと予想していたがまさかのエブエブ無双で意外でした。なんせアカデミー賞に育て>>続きを読む
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《法では満たせない遺族の正義を企てたクムジャさんの懺悔を振り返る娘》
そんなクムジャさんをあなたは許せますか?と復讐についての論文を3作品創り上げた最後の宿題としてパクチャヌクは問いかける。『復讐者>>続きを読む
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《ザルドスのみがそこへ運んでくれるグロテスクな風刺》
70年代カルトディストピアSFというもはや死語となってそうなフォーマットにおいて一際哲学で前衛派。そして自費も捧げたジョンブアマン監督による渾身>>続きを読む
《同情/感情移入の操作術〜即物的な衝動》
韓国バイオレンスのクオリティを世に知らしめたパクチャヌクが復讐を題材に開拓し始めた一本目。俗な好奇心を刺激するようなバイオレンスとエロスの職人であり性格の悪>>続きを読む
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《パブと内戦とバリーコーガンしかない退屈を引き裂く気まずい関係》
今回のアカデミー賞はノミネーション段階でサプライズ過多だった。なにせ誰もが脚本賞BETしていた『スリービルボード』に続くか、と比べて>>続きを読む
《報復とエクストリームが支配したヴァイキング時代のモンド的アクション巨編》
近年、最もエクストリームさをウリとする映画作家ロバートエガースがA24体制から飛び出し急激にバジェットを上げたヴァイキング>>続きを読む
《手彫りの世界観で再構築された木彫り人形の残酷で心温まる冒険》
忘れかけていたけどようやく鑑賞ギレルモデルトロ版ピノキオ。『ナイトメアアリー』の方向性も強く惹かれた分、どうかなーこういうのと今更感を>>続きを読む
白石監督「"オカルト"の傑作よ!もう一度」a.k.a.俺流『8 1/2』の巻だ!
2022年はアジア産ホラーがアツいトピックがあり分けてもPOVの復刻が実に著しかった。POVブームにあやかってその手>>続きを読む
《集積した群像劇VS高次元クオリティの試合が侵食し合う血湧き肉躍るコート》
人気マンガが満を辞して公開される劇場版アニメは全くと言っていいほど見る機会がない。非常に評判高い本作も僕の人生からはスルリ>>続きを読む
《Over the Rainbowへ行けなかった35歳のアリス》
『ミーンストリート』で脱ロジャーコーマンし本格的に映画監督マーティンスコセッシが動き始め、名作『タクシードライバー』へ繋がるニューシ>>続きを読む
《オープンな関係性に属すも閉じた画面で捉える彼女》
キツイ、ツラい、痛いな感想多数で興味が湧き(←お恥ずかしいもので)臨んだ本作が観た後情報で2022年のノーベル文学賞映画化だったと聞き仰天。更にヴ>>続きを読む
《夢を飲み込む花の都パリを夢に飲み込ませ究極の楽観的?ではなくハッピーエンドを魅せてくれる》
『ララランド』の引用元作品として当時タイトルだけ知って以来、ノーチェックだった古典ミュージカル。そりゃあ>>続きを読む
《地獄の底までライドするフィルティペットの黙示録》
『スターウォーズ』にてモンスターチェス、AT-AT始めジャバザハットetc. 『インディジョーンズ』のトロッコとかまで子供の夢を特殊効果で叶えてき>>続きを読む
《キャメロンが夢見た窓の向こうのパンドラツアーはひとまず見世物の場としてあまりにとてつもなかった》
未完の映画の一つとして長年、延期の情報しかなかった『アバター』の続編がついに現実のものとなった。キ>>続きを読む
《公認された正義では手が回らない誰かに必要とされた時の正義》
正直、ドウェインジョンソンはあんま思い入れがないし全く食指が伸びなかったが、DCが変なノリでコラボったらしいからまあ流石に、と失礼な態度>>続きを読む
《なんというセンスオブワンダー 全ての物理法則を弾き飛ばしボッチなビューティフルドリーマーが世界と自分から旅立つ?》
"実話に基づく物語"のテロップに始まり世界が滅んだSFを見せてくる。そんなワケあ>>続きを読む
《全ての万物に魂が宿った理解不能な概念のどっかのマルチバース》
今年、最強に常軌を逸した予告編であり2017年地点で完成されてるのに日本まで輸入されなかったエストニアの言語化不可能な映像作品。とにか>>続きを読む
《俗悪最悪、ピージャクが仕掛けるグロこそエンタメだ》
『ロードオブザリング』おっさんことピータージャクソンの出だしはまるで想像ができないほどのエクストリームなスプラッターの世界にいた。なんたってデビ>>続きを読む
《風の向くまま気の向くままさすらった少女を目撃した証言たち》
監督ジャックドゥミの奥さんでありヌーヴェルバーグの先駆的人と謳われてたらしいアニエスヴァルダ監督。中でもヴェネチア映画祭で金獅子賞を獲得>>続きを読む
《ティルダスウィントンと犬とAirPods》
ペドロアルモドバル最新作『パラレルマザーズ』の付録でついてくるティルダスウィントン案件の短編。短編映画一発のみを劇場で観たのは今回が初体験。のはず。
記>>続きを読む
《産みor育ての親か?の永遠の議論があまりに早過ぎたママ友トラブル》
サッカーだけじゃない。映画界でもスペインの外国賞レース系監督ペドロアルモドバルの新作がやっていた。この監督は『ペインアンドグロー>>続きを読む
《トラウマを掘り返し戸締る感情整理を未来へ繋げる》
震災ネタが危なっかしいセカイ系アニメ職人になりつつある新海誠の最新作、ようやく観てこれた。なんたってシネコンのロビーは『すずめの戸締り』勢と思しき>>続きを読む
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《彼のクリスマスプレゼントは英雄として語り継がれる悪魔契約だった》
およそ1年半?ほど遅れての日本上陸を果たしたA24の奇天烈魅力全開さが久々に観客を惑わす寓話。向こうのサイトでのその界隈じゃ話題が>>続きを読む
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《何者かのベールが剥がれゆく欲求と禁断》
『シャイニング』や『ツインピークス』の調合からインスピレーションを得たとのホラーっぽいタイムリープと聞かされたら無性に食指が伸び観に行ってきた。
一口にタ>>続きを読む
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《かつてない超高度な文明同士の桃源郷VS黄金郷》
MCU史上類を見ない緊急事態となった憧れのヒーローが現実で先に亡くなる悲劇。これを前に製作者が本作を完成させた取り組みにまず拍手の一言です。なんせ誰>>続きを読む
《ヌーヴェルヴァーグの息子ジャンピエールレオの凝視と背後を打つ新しい波》
ゴダール追悼にと『ふたりのヌーヴェルヴァーグ』を観たらやっぱり観たくなるのはこっちのやつ。『大人は判ってくれない』。昔の映画>>続きを読む
《「最低って?」と答えを求めてくる瞬間、映画という覗き見はスクリーンを飛び越えた》
映画ファンにとってのゴダール葬儀は映画館へ彼の作品を鑑賞しにいくこと+ジャンポールベルモンドの追悼企画も合わせた2>>続きを読む
《アンナカリーナ時代としてのゴダールなら最高傑作か?》
ゴダールが他界したこの年に今回のリバイバルは葬式参列のような企画に思えるので追悼の意を込めてミニシアターへやってきた。ゴダール映画は毎回評価が>>続きを読む
《観るアドレナリン劇薬!ラージャマウリがまたまた最強のエンタメ映画を振る舞った》
2010年代入ってからの映画史の一大娯楽大作を振り返る時、MCU、『マッドマックス怒りのデスロード』、ノーランに加え>>続きを読む
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《将来の選択肢が減らされゆく無垢でありたい代償》
ビリーワイルダー、キューブリックに愛されたフェリーニ製青春映画と聞くと、今度こそ誉れ高い端正さを期待したく思うがちゃんと『8 1/2』吹っ切れ前のフ>>続きを読む
《スコセッシがフィルモグラフィ史上最も暴力哲学に感化されてしまった殴り合いスポーツ》
これと、『タクシードライバー』『グッドフェローズ』合わせてスコセッシの3大文脈の金字塔ってことになってる本作。ア>>続きを読む
《理解し難い死を克服することで共依存の2人の世界を完結させる》
久々に全く情報の知らない作品を映画館で観た。この手のある種死者との決別をセカイ系の表現文法で大胆に魅せるタイプは大林信彦チックで好みな>>続きを読む