バスター・キートンが映画的トリックを行使しながら家の中を暴れ回る、『One Week』や『The High Sign』のセルフオマージュのような短編。
修了証書の取り違いによって電気技師としての仕事>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
初期西部劇、その中でも西部劇の草分け的存在であるウィリアム・S・ハートの映画をパロディした作品らしい。荒野を雪国に変え、バスター・キートンはカウボーイ的な振る舞いを続けるが全て裏目に出る。それは西部劇>>続きを読む
即興的に撮られたような映像とは対照的に、物語構造や人物設定は非常に構築的なものとなっている。映像に90年代〜00年代的なものを感じ、それが個人的に非常に苦手ではあった。
この映画は、春から夏、秋から>>続きを読む
冒頭に、ハリー・フーディーニによる「Love laughs at locksmith (錠前は恋の前に意味を成さない)」という引用が入る。ハリー・フーディーニはアメリカの有名な奇術師らしく、手錠をかけ>>続きを読む
『The Baloonatic』『鍛冶屋』と同じく、バスター・キートンがどこかに現れるところから始まり、そこから去っていくことで終わる映画で、『ハイ・サイン』から映像的なトリックを抜いてアクションだけ>>続きを読む
冒頭、バスター・キートンは鍛冶屋なのではなく、気づいたら何故か鍛冶屋になっている、鍛冶屋を演じさせられていることが明示される。この短編でのバスター・キートンはひたすら受動的で、何かを望んで行動すること>>続きを読む
深刻そうなバスター・キートンの顔が映り、手元の光を消す。そして暗闇の中周囲の扉を開ければ骸骨や龍が飛び出してくる。そして足元の床が開き、外に吐き出されて、そこが恐怖の館的なものだったとわかるという冒頭>>続きを読む
バスター・キートンが現れて、監督としてのバスター・キートンによって起こされた偶然によって何らかの状況に巻き込まれる。アクションは基本的に逃走、状況の悪化に繋がるだけで、登場人物としてのバスター・キート>>続きを読む
暴れ回るホース、ぬるっと地面に沈み込んでいくバスター・キートンが最高。
バスター・キートンはあらゆる場所に現れる。他の映画においてバスター・キートンはアクションによってではなく現実を映画として変容さ>>続きを読む
序盤からだんだんとペースを上げるように面白くなっていって、最後に最高のシークエンスが用意されている。
「私たちのヒーローはどこでもない場所から来る。彼はどこにも行こうとしないが、誰かによってある場所>>続きを読む
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絵面の作り込み方が最高な監督だと思っていて、その意味でシチュエーションだけがあって絵面のない前半は微妙だったけど、後半、馬の上を後ろに浮遊したと思ったら別の馬に乗っていたっていうショットから一気に最高>>続きを読む
新婚夫婦が家の作成キットを渡されてはちゃめちゃに家を組み立てる話。有名なアクションシーンがある。よく考えたら普通に危険なことしてるけど、やたらと絵面とかシチュエーションがかっこよくてその怖さに気が向か>>続きを読む
義務的に見たけど面白かった。
バビロン編、ユダヤ編、中世フランス編、現代アメリカ編という史実を元にした(と劇中で強調される)4つの物語で構成されているが、中心となるのは紀元前の物語であるバビロン編と>>続きを読む
とりあえずで見始めたけど凄まじい映画でびっくりした。ルノワールの独特な光の当て方、焦点の合わせ方によるくぐもって輪郭を持たない画面、嫌な部分を隠さない故に生き生きとする人物造形が物語的な意味を持って立>>続きを読む
撮影、編集がめちゃくちゃにかっこいい映画。特に前半のクライマックスが凄まじく、そこで鳴り響いていた音がラジオから流れるものだったことが再度確認され、それをガビーが破壊するという終わり方含めて最高に良い>>続きを読む
『伯林』『カメラを持った男』のような都市映画の形式をもった映画だが、それら映画とは真逆に、機械の運動はリズミカルではなく痙攣的。人間は機械の一部のように同期して動くのではなく、機械に対して外部の存在と>>続きを読む
今後この映画でしか味わうことのないだろう奇妙な感覚にさせられる映画。ヒロインがマクガフィンとなっていてひたすら運ばれまくるのが良い。ルイ・フイヤード版見てから見た方が良かったかもしれない。1910年代>>続きを読む
「こいつら嫌いだわー!」って思いながら嫌々撮ってる感が映像から溢れ出してるように感じたけど、どうなんだろう。映画全体が嫌味というか、表面的なメッセージとは真逆のことを言おうとしているように見える。映像>>続きを読む
元海軍である主人公は魚雷で船を破壊される夢を見続けている。翻訳では省略されていたが、海沿いの町の警備隊員である主人公は自身のことをビーチカウボーイと自虐する。主人公は馬に乗り、その町の砂浜に打ち上げら>>続きを読む
話の骨格や緩いリズム感含めて『エドワールとキャロリーヌ』とほとんど同じ映画。『エドワールとキャロリーヌ』では貧しい音楽家であるエドワールが上流階級出身のキャロリーヌと夫婦であり、そこに第三の男として上>>続きを読む
ブレッソンのキャリア初期と同じ時期にカール・TH・ドライヤーやこの監督の後期の映画があるということにすごく納得感がある。冒頭の空に左下にさがるように広がる暗雲、暗雲に向かうように左へと移動し舞台となる>>続きを読む
『魅せられて』と同様に、利己的な行動原理、その変わらなさ故に孤独な男が登場し、自ら死へと向かっていく。階段のショットがずば抜けて良く、それも『魅せられて』に引き継がれている。恋愛を軸にした世界劇場的な>>続きを読む
画面の演出が異様かつ洗練された映画。
遠近感の強調されたカメラによって、手前と奥の間の空間が圧縮されたような画面になっている。さらに、ほとんどのシーンが室内であり画面の奥が壁によって切られている。そ>>続きを読む
ジャック・ベッケルの映画初めて見た。おそらく代表作の中に入ってないだろう作品でここまでの傑作なのやばい。映画内に現れるものからしか鳴らない音、メリハリがなく揃わないリズムはリヴェットに引き継がれている>>続きを読む
幸福に満ちた船員の結婚式を映すカメラは、ぐるぐると忙しなく回るように移動し続ける。カットも不安定に切り替わり続ける。カメラの移動はなぜか上下に弧を描くように行われる。光に満ちた結婚式のシーンから突如、>>続きを読む
音楽家志望で40歳を間近にした主人公は未だにモラトリアムにあり、自分から何かを解決しようとしない。それは主人公が占星術を信じその結果に従っているからで、出来ることは友人に頼ることだけであり、だからこそ>>続きを読む
ボクシングジムの会長の体調の悪化に対して医師は、変化が目に見えるようになればそれは既に手遅れであること、変化は落ちた雨粒が石に穴をあけていくように、少しずつ見えない形で進行していくことを伝える。
音>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
「oh! no!」以外のセリフがない、ストップモーションに実写とCGを組み合わせた映画。あと、CGもそうだけど、特撮には自然光がないんだと思った。だからか、過去の映画から引用したショットが多く構図も作>>続きを読む
シンプルな物語構造によってサスペンスを維持する、『ゼロ・グラビティ』のようなアトラクション映画であり、そのアトラクション性によって中絶が違法だった時代のフランスで妊娠した学生の孤独な戦いを観客に体験さ>>続きを読む
アランレネの最高傑作なんじゃないかと思う。凄まじく良い映画だった。
夫婦であるピエールとロメーヌの元にマルセルが訪れる。マルセルは有名なヴァイオリン演奏家で、同じくヴァイオリン演奏家であるピエールと>>続きを読む
冒頭、黒い画面にやまぶきの花が咲くように描かれる。その絵に重なるように山が映されるが、その山は開発されやまぶきは枯れている。劇中語られる通り、やまぶきは田舎にしか咲いていないような日陰でしか育たない花>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
ほとんどワカンダと同じ背景の国との戦争の話で、1と同じく白人によって引き起こされた内戦のような話になっている。今回はエネルギーに向けた資源獲得のための政治、環境破壊が背景にある。シビルウォーからブラッ>>続きを読む
生の三部作最終作として『デカメロン』『カンタベリー物語』に続く作品。これら前二作がイタリア、イギリスと舞台を変えつつも原作の書かれた時代、同じ14世紀を描いたものだったのに対して、この『アラビアン・ナ>>続きを読む
ナチス占領下の北イタリア1944-1945年。ソドムの市をナチスによる傀儡政権だったサロ共和国に舞台を映したもの。
『豚小屋』で過去の話として間接的に語られる、権力が自分の下の存在を作り出し虐殺する(>>続きを読む