何度見てもフィンチャーの語りのテクニックと洗練された演出の到達点の一つだと思う。
これは噂に違わず素晴らしかった。主人公の妻を初めとする登場人物が全員どこかに不安定さを抱えているので見ている側も感情移入できる所もあれば梯子を外されたりと宙吊り状態を保ったまま話を転がしていくのが見事>>続きを読む
ダイジェスト的な編集で異なる時系列の場面を並べ、カラー、モノクロといった色味の切り替えが矢継ぎ早に行われる混乱した映画のスタイルが、錯乱していくオッペンハイマーの内面の揺らぎと合致していて伝記映画とし>>続きを読む
賛否割れてるが個人的には好み。前作のSFノワール的な世界観は引き継ぎつつ、よりブラックなコメディとしての側面が出ていて楽しい。オープニングクレジットからエンドロールのフォントに至るまで息子クローネンバ>>続きを読む
人間ドラマパートを大幅削減し、怪獣たちのアクションとドラマに大半を費やすという潔さは好ましい。前作や前々作と比べれば個人的には大分楽しめた。終盤コングとゴジラのバディムービーと化しタッグマッチへと流れ>>続きを読む
個人的には「偶然と想像」の方が好みではあるが、これはこれで凄い映画だった。とにかく終始話がどこに向かうか判らないし、安心して見ていられる場面が無い。延々と流したかと思えばいきなりぶつ切るような音響設計>>続きを読む
ジェームズ・ガンの最高傑作。悪趣味なコメディだが厳しさと優しさが同居したラストに泣いてしまう。
和製ノワールとして、とても面白かった。「ケンとカズ」もそうだったが脇役に至るまで出てくる役者の面構えが素晴らしく、裏社会の人間の生々しい怖さをしっかりと感じさせてくれるし組織の人間と主人公が会話するシ>>続きを読む
大林版の方が好きではあるがアンドリュー・ヘイの映画の中では一番良い。基本的には抑制された演出と端正なショットで魅せるヘイらしい映画だが、大林作品のリメイクということもあってホラー、ファンタジーの要素が>>続きを読む
絵本が動いているような可愛いビジュアルに反して登場人物が全員狂ってるし「チキンが食べたい」という願望を発端にスラップスティックなアクションとミュージカルが展開されるカオスな映画。近年だとラ・ジリのレ・>>続きを読む
レオーネの作品の中で一番軽やかで、とにかくカッコいい。これぐらい贅沢な時間の使い方をしている映画は今はもう無い。
グロテスクさとユーモアが同居したイーライ・ロスの名作。何気にロケーション選びも巧みだと思う。
ストーリー自体はこれ以上ないぐらい悲惨だがこれ見よがしに悲劇的な見せ方はしておらず、抑制された演出と省略が効いた、ある種ドライな語り口を全編貫いているのがとても良い。それぞれの登場人物の描き分けも過不>>続きを読む
評判通り良かった。長回しや横移動を用いた躍動感のあるカメラワーク、ロケーション選びのセンスの良さ、過剰にならずに作品の世界に溶け込むアンビエントな劇伴など細部の魅力によって特別な作品に仕上げていると思>>続きを読む
期待以上に面白かった。70年代のイタリアの空気感を捉えた上品な画作りとカーテンや鏡と言ったディテールを活かした堅実なホラー演出が光る。長回しや横移動と言ったカメラワークで不穏さを生み出していく手腕も正>>続きを読む
久しぶりに見直したけどやっぱり面白い。脚本の緻密さは言わずもがな、高低差を活かしたアクションの見せ方が巧い。
最高。実話ベースなのが疑わしいほど壮絶な展開の連続で、一つの映画の中で戦争映画と青春映画と犯罪映画が同居しているような濃密さがある。主人公を見つめる距離感が絶妙で、軽快なテンポと渇いた演出を最後まで貫>>続きを読む
タランティーノの映画の中で一番サントラがカッコいいのはこれ。恋愛映画としても犯罪映画としても傑作。
金子修介の映画ほとんど見たこと無いけどこれはめちゃくちゃ面白かった。いくらでも重いタッチにできそうな脚本をドライな演出と編集のテンポの良さで映画としてのドライブ感重視で軽快に語っているのが良い。主人公>>続きを読む
何度見てもフィンチャーベスト。この手の実録犯罪映画の中でも撮影のカッコ良さ、編集の無駄の無さはずば抜けている。
2も名作だがこちらも大好き。全体的にコミカルで可愛らしい映画なんだけど、悪趣味な描写は容赦なく映し出すのがジョーダンテの信頼できる所。
最高のホラーにして恋愛映画。人体の変容のフェティッシュな見せ方はクローネンバーグの真骨頂。
名作。サム・ライミはホラー映画の「お化け屋敷感」を大事にしている作家だから大好き。
最近のマシュー・ヴォーンの映画はあまり乗れなかったけどこれは久しぶりに良かった。現実とフィクションの境目が曖昧になっていく脚本が単純に面白いし、特にスパイ映画というジャンルの中では珍しい構成だと思う。>>続きを読む
非常に面白かった。リッチーの作品の中でも上位に来る出来。「キャッシュトラック」同様テロップの使い方とか、ギレンホールが運ばれていた時の記憶を鮮明に思い出す時の見せ方とか、要所要所に初期ガイ・リッチーら>>続きを読む
ワイティティの近作に比べてシンプルで肩の力が抜けた映画になっていて楽しかったが、編集がダイジェスト的過ぎるのは物足りなくはあった。
流石アジャとカルフンのコンビだけあって面白かった。ガソリンスタンドの売店を舞台に全編展開する胆力、室内のアイテムを巧妙に活かしたスナイパーとの攻防戦の見せ方が良い。要所要所のゴア描写にも拘りを感じさせ>>続きを読む
優しい映画で染みた。普通に過ごしていれば見過ごしてしまうような瞬間を、三宅唱の映画はいつも特別なものとして映し出してくれる。松村北斗が上白石萌音の忘れ物を自転車で届けに行く場面の光の射し込み方があまり>>続きを読む
株という画的には地味な題材なだけに堅苦しい映画になりそうな所を、人の動きをクレイグ・ギレスピーらしい軽快なテンポで繋いでいく編集でしっかりと躍動感のあるポップな映画にしているのが良い。公聴会の場面もパ>>続きを読む
