「熊はいない」権力などまぼろしだ、恐れることはないと果敢に抵抗し続けるジャファル・パナヒ監督の最新作。
映画は二重構造かつメタフィクションの複雑な物語です。
パナヒ監督はこの映画を撮り終えた後逮捕>>続きを読む
原田眞人監督、例によって濃いいキャラと目まぐるしくシーンをかえる手法で何の映画かわからなくしています。
本当はネリとジョーの映画にしたかったように見受けられますが、説明ゼリフで語るだけでは無理だと思>>続きを読む
今どきの100%がこれだとすれば「卒業」のベンジャミンなんて危ない人にされちゃいますね。
いろいろな映画があっていいわけですので単に個人的評価という意味でいえばもう少しなんとかしてもらわないというこ>>続きを読む
配給の宣伝文句に惑わされずに見ると結構面白いかも。
B級臭ただようスペイン映画ですが、リベンジホラーというわけでもなく、結構複雑なシリアスドラマです。「台北ゴールデンホース(金馬)映画祭」でのタイト>>続きを読む
さすがケイト・ブランシェットと言うべきか、やり過ぎと言うべきか。
バーナデットは広場恐怖症ということですが、なかなかそうとは見えず、主張がはっきりしているのはディベートの国では特に際立っているわけで>>続きを読む
イングランド王リチャード三世の遺骨を発見したのはアマチュア歴史家の女性だったという実話ベースの映画。
サリー・ホーキンスさん頼みの映画ですね。
予告編以上のものがなく、ドキュメンタリーで詳細を見た>>続きを読む
セドリック・クラピッシュ監督、久しぶりにうまくまとまったスキのない映画だと思います。スパニッシュ・アパートメント以来じゃないでしょうか(ゴメン)。
この映画がまとまってみえるのは、失意の女性ダンサー>>続きを読む
これほどの姉弟間の憎しみのわけは何だろう?とその答を待ちます。でも映画は何も教えてくれません。
革命の国の住人と忖度の国の住人の価値観の違いかも知れません。
あるいは、そうではなく答などないのだ、>>続きを読む
加藤拓也監督「わたし達はおとな」に続く長編第2作。
W不倫中の女性のもやもやが夫の口撃によって本当に女性の意志かどうかわからないままに爆発して、つまりはキレて女性が家を出ていくことになったという話で>>続きを読む
ブルーバック撮影で描かれる表現主義的、絵画的、そして悪夢的な1920年のウィーンの街が面白いです。これに尽きると思います。
猟奇的連続殺人事件のミステリーが引っ張っていく軸にはなっていますが、明らか>>続きを読む
「アダプション/ある母と娘の記録」「ナイン・マンス」と見てきましたが、時代ものという点ではやや異質な感じがします。つくりも他の2作に比べますとやや雑です。
この映画でメーサーロシュ・マールタ監督がな>>続きを読む
森達也監督は日本を代表するようなドキュメンタリー作家かと思いますが、この映画はらしくない、つくられすぎた映画に感じます。
事件そのものは残された資料などでできるだけ事実に近いものになっているようです>>続きを読む
映画から津軽塗への愛が感じられないなあと思いましたら、そういう映画ではなく「津軽塗が繋ぐ父娘の絆 そして家族の物語」ということでした。
高森美由紀さんの小説『ジャパン・ディグニティ』がそのようですの>>続きを読む
映画の手法として、またこの現実を強く訴えようということなら、ソヒの置かれた精神的抑圧環境をもっと現実感をもって淡々と描く強く深く描くほうが正解だと思う。
二部構成にしていることで新たに明らかになるこ>>続きを読む
こんな素晴らしい映画が半世紀も前に撮られているんですね。驚きと、ああ、半世紀遅れなんだと残念な気持ちになります。
自立し主体性を持って生きようとする女性と女性を家庭に閉じ込めて自分の支配下に置こうと>>続きを読む
内容はおおよそ想像がつきますので、見るべきは俳優という映画かと思います。
横浜流星さんは身体づくりやそのストイックさは役にあっていますが、目がやさしいですし、笑顔がきれいですし、あまり枯渇感やギラギ>>続きを読む
コルセット(corsage:ドイツ語)に象徴される「抑圧された女性像」と戦い、また40歳という「老い」に抗う1878年のエリザベートをヴィッキー・クリープスが演じて2022年カンヌ国際映画祭ある視点部>>続きを読む
小気味よい見事な展開と特徴的なカメラワークが素晴らしいです。
え?!と思うことの連続ですが、リズムがいいですし、有無を言わせず引っ張っていく力強さがありますので、まあそういうこともあるかと割と自然に>>続きを読む
ザクのキャンディへの思いは、無償の善意なのか、同情なのか、愛なのか。
なにごとにも怒ることなくすべてを受け入れてしまういい人ザクが見ているのは子どもを介した疑似家族でしょう。
でも、それさえも手に>>続きを読む
穿った見方をすれば、ペットショップの水槽は中国で、フォンの水槽は香港ということでしょうし、直接的にはカメの不自由さはフォンの不自由さでしょう。最後にそのカメがエドワードの母親によって川に捨てられて行方>>続きを読む
16歳で生き別れになった恋人への思いを軸に、アウシュヴィッツのフラッシュバックがバランスよく挿入されてうまくできており集中して見られます。
恋人レアとの再会も、その時末期がんに冒されていたことも事実>>続きを読む
カンボジア系フランス人のダヴィ・シュー監督がなぜ韓国系フランス人の養子の話?と思いましたら、Laure Badufleという友人の実体験をベースにしているそうです。
パク・ジミンさんの実在感がなかな>>続きを読む
綾瀬はるかさんの映画ですね。アクション映画としてはダメだけれど、綾瀬はるかさんひとりでもっていました。拳銃を持つ様にも違和感はなく、立ち振舞も美しく、台詞に力があります。また逆に台詞がなくてもその佇ま>>続きを読む
サイキックものに興味はないのですが、ヨアキム・トリアー監督の全作品で脚本を書いているエスキル・フォクトさんということで見てみたところ、案の定、何がおもしろいのかわからない映画でした。
この映画の子ど>>続きを読む
エレガンス・ブラットン監督の実体験に基づく映画です。アメリカの海兵隊新兵訓練所での過酷な訓練シーンが多くを占めますが、映画の主題はゲイの男性の母子関係とホモフォビアです。
おそらく母親は福音派系の信>>続きを読む
「世界の果ての通学路」のプロデューサー、バーセルミー・フォージェアさんによる第二弾(的)な映画です。監督は前回とは異なり、エミリー・テロンさんという方です。
ブルキナファソ、シベリア、バングラデシュ>>続きを読む
3,4歳の幼少期から80歳くらいの人生がかなり細かく刻まれて編集されており、ある程度シモーヌ・ヴェイユさんの人生を知っていないと見ていても集中力が途切れるかも知れません。当然ながらフランスではよく知ら>>続きを読む
さすがにこの内容では菊池凛子さんでも2時間もたせるのは無理でしょう。かろうじてラスト10分でらしさを見せたという映画です。
ツタヤのシナリオコンテストの受賞作らしいのですが、ちょっとばかり首をひねり>>続きを読む
バレエダンサーのフーリアの挫折、再起、成長を描こうとしていることはわかりますが、物語の説明に終始しており、フーリアの心情が伝わってきません。
バレエの道を絶たれ、声まで失うわけですからその失意のほど>>続きを読む
邦題に「ナチスに仕掛けた…」なんて修飾語のようなものがついていますので惑わされますが、原作の主題はそこではなさそうです。監禁状態で二重人格化したヨーゼフ精神的葛藤がチェスゲームを通して描かれているので>>続きを読む
バリバリのB級ねらいなんですが、なんだか吹っ切れていませんね。
映画のほとんどがパクリというところは徹底していて、こういう映画ですからいいんですが、それだけで終わっちゃね…。
「ハイジとクララ」本>>続きを読む
ウォン・カーウァイ「恋する惑星」ですか?
物語の展開の仕方、映像センス、100万年君を愛すの決め台詞(言葉)などなど、パクリにも見えます。
これだけの出演者を使って、これだけの映画ができるのなら、>>続きを読む
主演のエデン・ダンブリンくんの演技とそれを引き出したルーカス・ドン監督の演出力は評価できます。ただ、「Girl/ガール」と同じようにその際どいドラマづくりはどうなんだろうと思います。
こんな過剰なド>>続きを読む
法廷シーンがほとんどを占めますが、映画の主題は被告ロランスがなぜ子どもを殺したかではなく、傍聴したラマの側にあります。
裁判で明らかにされることは事件そのものではなく、ロランスの生い立ちや成長過程、>>続きを読む
ウクライナ西部の町イヴァーノ=フランキーウシクは1939年から1945年にかけて、ポーランド、ソ連、ナチスドイツ、そして再びロシアに占領されるという苦難の道を歩んだ地域です。
その町の一軒(一棟)の>>続きを読む
前半の良さを後半が台無しに。
主演の花瀬琴音さんの現実感がすごいです。が、しかし、後半になりますと、こうした物語のパターンに陥り、結局、これまたパターンの感傷的シーンで終わるという、相変わらずの日本>>続きを読む