鈴木ピクさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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ミンナのウタ(2023年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

まさかLDH映画、それもGENERATIONS10周年記念というイベント映画で清水崇完全復活 乱れる時系列、ゲストキャラ、呪われた家など『呪怨』サービスも散らせつつ、マキタスポーツ主演の疑似探偵モノと>>続きを読む

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

3.9

ビックリした事に、帰宅して気づいたのだけれど自分の記憶から『フォール・アウト』が消えており、『ローグネイション』の、言ってしまえば『スカイフォール』化したミッション・インポッシブルが自分の中で完成形と>>続きを読む

特別編 響け!ユーフォニアム アンサンブルコンテスト(2023年製作の映画)

3.5

ともかく「肉体」が迫ってくる映像体験である アニメなのに

事件以降の京アニは全社一丸となって作品世界に情報量を詰め込み、惜しげもなく贅沢な作画がテキパキさばかれ、その呆気なさまで心地良いという独自の
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きさらぎ駅(2022年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

2ちゃんの洒落怖を映画化していくシリーズの先鞭を切った(本作の好評を経て後続が生まれた?)一本。
都市伝説をFPSホラーにし、更に後半ではRTAになるという正にゲーム的映画。
『カメラを止めるな!』以
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CUB/カブ 戦慄のサマーキャンプ(2014年製作の映画)

3.1

YouTubeで無名だが見れば光るものがある映画を強気に無料公開しまくっているプレディシオチャンネルで視聴したが、どうにもエンジンがかかるのが遅い

ありがちな「森の中に野生の殺人一家がいた」ぽい描写
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カーズ/クロスロード(2017年製作の映画)

3.6

すでに一線を退いたライトニング・マックィーン、その再起の物語

。。。にしては、彼が一番凹んでいただろう時期が「四ヶ月後」の字幕一つで処理され、そこから奇妙な回り道が始まる
第一作ではロケハンの時に出
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ファインディング・ドリー(2016年製作の映画)

4.7

他動的である事に加え健忘症 そしてすぐに思考が興味の対象を推移させて落ち着かない 自分でも時折そのおかしさに気づくが、気づいた時に頼れる場所がない

重度から中度のADHD/ASDの典型的な症状を持っ
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

2.2

大半のシーン恥ずかしくて見ていられなかったけれど、
そうしたシーンの合間合間にジングルのように挟まれる「黄昏れる本郷猛」に宿る、「よくわからない漠然とした哀愁」がやけに決まっていて、『シン』シリーズに
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.3

『シン・ゴジラ』がどこか空疎なオモチャに見えたことと『シン・エヴァ』が長年のファンとして何も得るもののない最悪の体験だったことに加えて、無料公開されていた『シン・ウル』の冒頭10分間で、正直『シン』シ>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

2.4

初日鑑賞 あまりに多くの感想がひしめいてまとめる事叶わず、いずれブログに書こうと思っているのでその前に今の気持ちを乱雑に吐き出します

巷に言われている通り駿の原体験についての物語で、タルコフスキー『
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劇場版ツルネ ―はじまりの一射―(2022年製作の映画)

4.5

京アニは『響け!ユーフォニアム』の総集編劇場版第二作で「TVシリーズと映画で大会の時期を変えてしまう」という「編集のウソ」を大々的に用いていて清々しさを覚えましたが、『ツルネ』に到っては「TVシリーズ>>続きを読む

マルセル 靴をはいた小さな貝(2021年製作の映画)

3.7

ユーチューバーのディーンが仮住まいに見つけた家には、「しゃべる貝」のマルセルがおばあちゃんと共に暮らしていた。ディーンはカメラを回してマルセルの生態を捉え、離ればなれになってしまったマルセルの家族の捜>>続きを読む

さらば、愛の言葉よ(2014年製作の映画)

3.6

ゴダールの難解さに3D撮影が加わって訳わからない作品。その難解さには、単純にフランス語のミーニングや引用される作品や歴史を知らないこちらの無知も作用しており、検索すると意外とストーリーらしいストーリー>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

4.2

公開から半年以上経ってレンタルも開始してるのに劇場満杯で、終映後の熱気も高くてビックリした

インド映画の過剰さ(そうじゃないのも知っているけれど)にはまだ数見てないので完全に波長を合わせられたか自信
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インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

3.9

あまり評判芳しくなかったのだが、話が過去編から現在に戻って以降、一気に乗れた 研究室に押し込んでくる悪漢たちからの逃走、デモ行進の中の追いかけっこ、異国でのチェイス、これだけ見せ場を繋げても、あれだけ>>続きを読む

SING/シング:ネクストステージ(2021年製作の映画)

3.4

前作が大好きなのでみんなにまた会えて嬉しい。
前作ではその素っ気なくすらある群像劇が人生賛歌として輝いていたけれど、今回も一見すると集団劇のようでいて個々に新たな出会いを果たしてる一同のバラバラ具合は
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アンテベラム(2020年製作の映画)

4.2

予備知識ゼロで映画見るようになってから、「いや少しは知っておくべきだった」と思う事もあれば「これは知らなくて良かった」と思う事もありましたが(多少知ってても思い出せなくなってる)、「これは知らなくて良>>続きを読む

ビースト(2022年製作の映画)

4.0

大傑作『2ガンズ』のバルタサール・コルマウクルが撮った、イドリス・エルバvs野生のライオンというシンプル過ぎる構図 その一騎打ちに向けてシークエンスごとに長回しで人と野生、人と獣の距離が近づいていくの>>続きを読む

ブルー・ストリーク(1999年製作の映画)

3.8

昔、何故か繰り返し見ていた作品 好きというか「見やすい」映画だった
久しぶりに見返すと理由は明白で、細かな挙動がナイナイ岡村にそっくりでお馴染みマーティン・ローレンス演じるコソ泥が盗んだダイヤをとある
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ダブル・サスペクツ/ルーベ、嘆きの光(2019年製作の映画)

3.7

アルノー・デプレシャンがジャンル映画を? と驚き、半分外れて半分正解だった。

サスペンスかはたまたミステリーかノワールかみたいな展開は中盤まで。移民と犯罪の街ルーペを舞台に、同時多発的に起きるありふ
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暗数殺人(2018年製作の映画)

4.2

社会派カリカチュアとエンタメの鬼、と思われがちな韓国映画だけど、例えば日本のサスペンス小説を原作にした一連の作品の様に堅実で地味なジャンル映画の基礎もしっかりしてる。

本作は留置所の容疑者の支離滅裂
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青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない(2023年製作の映画)

4.5

言ってしまえば「全日制の高校を目指すか」「通信制の高校に進むか」それだけの話なのである

シリーズのフィクション要素であった思春期症候群は大きく後退し、ただ一人のひきこもり少女の進路をハラハラしながら
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ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 NEXT SKY(2023年製作の映画)

3.5

エンドロール後にメッセージ載せていただけたので満点にしたいけれどそれは来たる劇場シリーズ3部作への期待値にお預け。

わずか30分の内容なのに最後の歓びで少し記憶飛んでしまったけれど、話よりも面白かっ
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探偵マーロウ(2022年製作の映画)

4.2

私立探偵フィリップ・マーロウのもとへ、運命の美女から捜索人の依頼が届く。マーロウは淡々と聴き込み調査を開始するが、人づてを辿れば辿るほどに泥沼にハマっていく。。。というフィルム・ノワールの掟を、ちゃん>>続きを読む

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

3.7

前作で生み出した独創的なアニメーション世界が瞬時に業界のニュースタンダードになってしまった為、もっと趣向を凝らした世界を見せてやる!とビジュアルショックのインフラ状態。
いつのまにかかつてのように新感
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エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

4.0

ロジャー・ディーキンスの撮影にねじ伏せられてしまう。

伝統の松竹映画みたいなお膳立てとイギリス青春映画の匂いが高級感で包まれて、実は「映画を上映する館」としてではなく「この映画館『エンパイア』という
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キングスマン:ファースト・エージェント(2020年製作の映画)

3.7

マシュー・ヴォーンのコミック的な演出あってこその仕掛けが良くも悪くも魅力的なシリーズなのに、明らかに監督より巨大な手が入ってると思しき編集の跡があちこちに見られ、尺に対する緩急の付け方が冗長に感じてし>>続きを読む

ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

4.5

ギレルモ・デル・トロの新作なのにコロナ禍でひっそり公開されて内容もまるで知らず、一ヶ月だけ入ってるディズニー+の元を取らねばと見つけて予備知識ゼロで見た次第。
ただ公開時にひっそりとしたシネコンで本作
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ザ・メニュー(2022年製作の映画)

4.0

『オリエント急行殺人事件』『ナイル殺人事件』から続けざまに見たことが功を奏してか、ここでは乗り物とは少し異なるけれど「孤島で味わうフルコースのディナー」というライド体験を複数の登場人物と共有できるワク>>続きを読む

バズ・ライトイヤー(2022年製作の映画)

1.8

『トイ・ストーリー』の世界で「アンディが見ている」フィクションをそのまま見せられる。それはどういう事かというと「観客である私」と「この『バズ・ライトイヤー』という作品」との間に架け橋がかかっていないと>>続きを読む

アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023年製作の映画)

2.0

アメコミという媒体を映像に置換する。その壮大な試みの末端、量子世界にまで漫画世界が広がっていますよという拡張端子としてのみ置かれた一作。
アントマンという題材ならやってもおかしくない内容で、敢えて志を
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ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー(2022年製作の映画)

3.4

一つずつ丁寧に展開を置いていくライアン・クーグラーの性質と、恐らくは限られた時間の中でなんとか間に合わせたのだろうCGの質の弱さとが相まって、故・チャドウィック・ボーズマン自身が晩年残した数々の映画(>>続きを読む

ナイル殺人事件(2022年製作の映画)

4.5

旧作は昔深夜テレビで見たことがあったきり内容を忘れていたので、令和の時代に真っ向からポアロが挑む豪華客船の謎解きを楽しめてしまった。
こんなにシンプルな映画の愉しみ方があったのか。
そしてすべての準備
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オリエント急行殺人事件(2017年製作の映画)

3.8

今ゆったりスター映画を、誰もが知ってる古典に載せて見る醍醐味。うっかり『ベルファスト』が傑作になってしまったが、きっと賞狙いとは無縁でやりたい事をやってるケネス・ブラナーの余興が映画本来の贅沢を思い出>>続きを読む

アパートメント:143(2011年製作の映画)

3.8

 POVがどうしても抱かせる無理を、「でも少数精鋭でやってるしお金もないだろうから自分たちの宣伝の為にこのくらいカメラ回して編集しててもウソはないかも」と愛着によって納得させてくれるのがまずウレシイ。>>続きを読む

オールド(2021年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

 不平等に降りかかる災難、そして人の数だけ理不尽な程にその彩りの豊かさに差が生じる、極めて相対的で不確かな「時間」という概念を、『皆殺しの天使』張りの大胆な設定と特殊メイクやアンサンブルの歪な時間差に>>続きを読む