lordanthonyさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

3.9

人物の関係性が徐々にわかってくるストーリー構成。結構観るのに集中力が必要とされる。登場人物が感情を爆発させるシーンがわりと長くて、ちょっと疲れてしまったところもある。

役者はみんな素晴らしくて、特に
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グッド・ストライプス(2015年製作の映画)

3.6

この作品のだいぶ後に撮られた「あのこは貴族」でも、ひとりは地方から東京に出てきた設定だったが、今回は2人とも地方出身の設定だった。実家を見られる、過去を知られることのなんともいえない恥ずかしさは少し共>>続きを読む

一晩中(1982年製作の映画)

4.0

セリフは少なく、それぞれの登場人物の背景は、ほぼ説明されない。男と女という組み合わせがほとんどのなかで「抱擁する」、「踊る」シーンがところどころ描かれる。夜だから当たり前なのだけど暗いシーンが多い。登>>続きを読む

故郷の便り/家からの手紙(1977年製作の映画)

3.7

アケルマンの私的な作品とも捉えられる。ニューヨークの風景をバックに、母親からの手紙が読まれるのをひたすら観る。アケルマンの返信は滞りがちで、それに少しイライラする母親の様が表れている。アケルマンがどう>>続きを読む

街をぶっ飛ばせ(1968年製作の映画)

4.1

アケルマンがここから始まったのかと思うと妙に感慨深くて、見終わってから数時間たつけどずっと泣きそうな気持ち。彼女が映画に出会えて良かったなとか、勝手に1人でいろいろ考えていた。あの暴れぶりは秘めたエネ>>続きを読む

東から(1993年製作の映画)

-

アケルマン万博、今年も開催ということで1作目。一言で言うと「東側諸国の人を見る」作品。時代背景とかも前知識無しでは正直よくわからない。寒いのもあるせいか、みんな表情が険しいというか硬い。人が多くいる場>>続きを読む

欲望のあいまいな対象(1977年製作の映画)

3.6

おじさんというかお爺さんが、性欲まるだしで若い女性に迫り翻弄される作品。コンチータ側の目的はなんなんだ?と思った。「欲望のあいまいな対象」って、コンチータ側のことなのかな。2人1役という珍しい設定のた>>続きを読む

The Son/息子(2022年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

点数をつける気にはなれない題材。ピーターがニコラスに寄り添りそうべきだったといえば、それはその通りなのだと思うところもある。ただ、「子どもを作ったのなら、子どものことを第一に考えろ」というのは、個人的>>続きを読む

コントラクト・キラー(1990年製作の映画)

4.1

無性にカウリスマキ作品が観たくなり、久しぶりに観た。彼の作品は時間が短めなのだけど、改めて観ると無駄がないと改めて感じた。

人が「死にたい」と思う理由はいろいろあって、アンリの場合は仕事を無くしたこ
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私の殺した男(1932年製作の映画)

3.7

戦争とはいえ、人を殺すということは、殺す側も気持ちが辛いことがあるのだと思う。墓場でレシピの話をするシーンが悲しかった。戻ってこない息子に対する思い。死に方の残酷さを思うと辛かった。

細かいことなの
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エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

4.0

映画館が舞台ということだけでもう胸がいっぱいになる感じ。ファーストカットから数分くらいの映画館の描写がたまらなく良かった。ロビーもそうだけど、映写室の空気とかにおいまで伝わってきそうな。映画館という空>>続きを読む

PLAN 75(2022年製作の映画)

3.7

なかなかすごい設定の作品。監督は脚本も書いているようでそこもすごいなと思った。ただ、設定が良いのにちょっとストーリーが平坦過ぎるかなとも思ってしまった。大袈裟な演出ではないのは良いけど、もう少し奥行き>>続きを読む

ブエノスアイレス(1997年製作の映画)

4.0

二十数年ぶりに鑑賞(2Kだった模様)。ウォン・カーウァイの他の作品を観ても思うのだけど、映像のカッコ良さが抜きん出ている気がする。この作品もストーリーはわりと単純なのだけど、記憶に残るシーンが多い。自>>続きを読む

恋はデジャ・ブ(1993年製作の映画)

4.0

ストーリーがシンプルで見やすくて面白かった。タイムリープものなのだけど、フィルが利己的な感じから人に優しくなっていく様が良かった。そういう人のまわりは笑顔が多い気がする。人に好かれるには、人に優しくす>>続きを読む

百年の夢 デジタル・リマスター版(1972年製作の映画)

-

初めの10分くらいで、既にちょっとしんどかったが、結局終始よく理解できなかった。歯がみんなあまり無いのと、牛と羊の映像が目に焼き付く感じ。楽しそうとは映らないのだけど、彼らは彼らの世界で生きているのだ>>続きを読む

パリ、テキサス 2K レストア版(1984年製作の映画)

4.8

20年ぶりくらいに鑑賞。凄まじく良かった。スクリーンで観られて幸せだった。心が震える感じ。観ながら、辛さとか切なさとか幸せさとか、いろんな感情が混ざった。家族の物語だった。

序盤から中盤は景色と音楽
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ちひろさん(2023年製作の映画)

3.9

人が優しい世界が描かれていた。人の気持ちはわからないという前提にたった上で、人が嬉しいと思うこと、喜ぶと思うことを自分なりに考えて行動することが大事なのだなと彼女から教えられたような気持ち。無理に人に>>続きを読む

いつかの君にもわかること(2020年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

余命短い設定の作品は、わりと感情に訴える演出が多いいけどこの作品は全編通じて抑え目の演出で落ち着いて観られた。個人的にはジョンよりも、養子を迎える側の女性たちの思いが様々で印象に残った。それぞれの思い>>続きを読む

小さき麦の花(2022年製作の映画)

4.0

観ながらいろんな想いを抱く作品。人や自然の残酷さ、理不尽さ。なかなか普段見ない人工的でない自然の色、麦の色、麦を運ぶときの音など、心地よく体に入ってくる感じがした。

引き合わされた2人、いわゆる恋愛
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コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

3.7

劇場が連日満席とのことで、早めに観に行った。ちょっと期待しすぎてしまったか、自分にはそこまで刺さらなかった。今のその人の状況によって、わりとハマる人とそうでない人がわかれそうな作品。今孤独さを強く感じ>>続きを読む

パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

4.0

かなり久々に観た。なぜだかわからないが、英語を勉強するシーンが自分のなかで不思議と記憶に残っていた。感情はあれど、表情のない登場人物たち。いろいろうまくいかない中、意を決して行動する瞬間が素敵だった。>>続きを読む

ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

4.0

映画館で観たのだけど、1回で理解できず結局アマプラで2回見直した。モノクロの写真の連続というのもあるせいか、第3次世界大戦という架空のものがどことなく現実味があるように思えた。写真で観たほうが動画より>>続きを読む

シベリアからの手紙(1958年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

序盤結構眠くなってしまった。記録映画のような。淡々とした感じで進んでいくのだけど、シベリアの人たちの生活は興味深かった。人生の中でヤクーツクの情景を見る機会が得られて良かった。

「人にあわせて住む家
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サン・ソレイユ(1982年製作の映画)

4.0

外国人が撮る日本は、日本人である自分が日本を見るのとは違った角度で撮られているのでとても面白い。ばかにしているとかではなく、彼らからしたら単純に不思議なことが多いのだろうと思う。合理性とか論理性よりも>>続きを読む

月は上りぬ(1955年製作の映画)

3.8

節子役の北原三枝の話し方とか仕草がとにかく可愛かった。末っ子役というのもあるのだろうけど、楽しく生きている様が伝わってきて見ていて楽しかった。モノクロで観る奈良の風景も美しかったな。小津安二郎の脚本と>>続きを読む

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

3.9

話の切り口が面白くて引き込まれた。「仲のよかった人との関係に急に冷める」というのはそれなりにあるのではないかなと思えた。どちらかと言うとコルムの気持ちのほうがわかるかも(ということは自分は嫌な奴なのか>>続きを読む

ブルーに生まれついて(2015年製作の映画)

3.8

ジャズは正直あまり聴いたことないのだけど、映画のタイトルに妙に惹かれて観てみた。

どこまでがフィクションなのかよくわからなかったが、ジェーンとの関係がすごく良いというか、美しく感じて、なんか羨ましい
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ジェネレーション・ウェルス(2018年製作の映画)

3.6

富の話というだけでなく、名声や外見の美しさを追い求めた人たちがたくさん出てくる作品。同じような境遇になったことがないので、出演者に共感する場面はそれほどなかったけど、うまく行かないことがあったとしても>>続きを読む

テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)

4.0

出てくる男たちがいちいちどうしようもなくて、自分が男でいるのが嫌になる。ストーリーがわかりやすくて観やすかった。テルマのしっかりしてないところが人間らしくて好き。強盗のシーンのかっこ良さたるや。景色も>>続きを読む

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

3.8

前半の閣僚の会議シーンはコメディ要素強めで面白かった。渡された紙を読むだけの大臣とか、役にたたなそうな有識者とか、決断できない総理とか、日本を象徴しているかのよう。コロナの政府の対応とか見ていて改めて>>続きを読む

セールスマンの死(1951年製作の映画)

3.8

切ないというか、哀しい話。主人公がセールスマンである設定はそこまで強調されず、あくまで親子の話が軸にあって、親が子に期待してしまう構図はあまり現代と変わらないのだと感じた。親子でもそうでなくても、人に>>続きを読む

按摩と女(1938年製作の映画)

4.0

ファーストシーン、2人並んで話しながら歩いているところがすごく良かった。会話を聞いているだけで涙が出てきそうな気持ちになった。ハンデを抱えながらも楽しく生きようとしている。心があたたかくなる感じがした>>続きを読む

セールスマン(1969年製作の映画)

4.0

観ていて結構辛さや苦しさを感じた。お金のため、欲しがっていない相手に聖書を売るロジックを組み立てる様は異様な感じさえした。ただ、彼らにとってはそれが仕事であるし、生活や家族もあると思うと嫌うことも憎む>>続きを読む

ジェニーの肖像(1947年製作の映画)

3.6

タイムリープものではあるのだけど、アダムスとジェニーの関係がああいう展開になるのは少し意外だった。個人的にはそういう要素が入るのはあまり好ましいとは思えなかったけど。全体的に芸術性の高い作品と感じた。>>続きを読む

そばかす(2022年製作の映画)

4.0

アセクシャルな人、人となかなかうまくやっていけない人など、それぞれの立場でいろんな受け止め方ができる作品だと思った。「旅をしないロードムービー」にも自分には捉えられた。

多様性ってなかなか浸透するの
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

3.7

劇伴がないことにより、ボクシングのシーンもそうだが、いろんな音が耳によく入ってくる。考えてみると、ケイコは耳が聴こえないので、ミットを打つ音も聴こえない。彼女の背景があまり描かれていないので、入り込め>>続きを読む