風の旅人さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

ぼくは明日、昨日のきみとデートする(2016年製作の映画)

3.5

小松菜奈が小松菜奈たる所以を余すことなく発揮した作品。
福寿愛美を小松菜奈が演じていなかったら、目も当てられない映画になっていたのではないかしら?
とにかく小松菜奈が可愛い。
あんな目で見つめられたら
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桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)

4.0

桐島という不在の中心を巡る群像劇。
トップの桐島がいなくなることで、高校のヒエラルキーに変化が起こり、勝ち組負け組の価値観が揺らぐ様が爽快だった。
それまで勝ち組にいた運動部と帰宅部が自身のレーゾンデ
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鬼灯さん家のアネキ(2014年製作の映画)

3.5

「少しでも人の気持ちとか考えたことあるの?」

以前水野(佐藤かよ)と同じ台詞を片想いしていた女性に言われたことがある。
愛とは「自分より人のことを大切に想うこと」(オラフ『アナと雪の女王』)だとすれ
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紙の月(2014年製作の映画)

3.5

梅澤梨花(宮沢りえ)は別に平林光太(池松壮亮)のことが好きだったわけではない。
この退屈な日常から脱出できるなら、誰でもよかった。
それは確かに偽物だけれど、まだこちら側の関係だった。
しかし梨花が光
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退屈な日々にさようならを(2016年製作の映画)

3.5

僕は君のことをどれだけ知っているのだろう?
僕と知り合う前の君はどんな人生を送ってきたのだろう?
僕は君の人生の一部しか知らない。
僕は嫌いになる程君のことを知らないし、知ることもできない。

「日常
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パンとバスと2度目のハツコイ(2017年製作の映画)

4.0

今泉監督は触れたら壊れてしまいそうなガラス細工のような繊細な感情の揺らぎを見事に表現する。
今泉監督の映画は恋愛映画に分類されるのだろうが、そこで描かれているのはいわゆる「恋愛」ではなくて、「好きとは
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色即ぜねれいしょん(2008年製作の映画)

3.5

決して華やかな青春ではなく、文化系男子の悶々とした青春。
高校生の頃は年上の女性に憧れるもので、オリーブ(臼田あさ美)のようなエロいお姉さんに出会ったら、一発で好きになってしまうだろう。
臼田あさ美は
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四月は君の嘘(2016年製作の映画)

3.0

原作既読。
原作ファンからすると、広瀬すずは宮園かをりのイメージに合っていない。
自由奔放・天真爛漫な宮園かをりを演じるには、広瀬すずは色々知り過ぎているように思う。
ここはフレッシュな新人女優を起用
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ピースオブケイク(2015年製作の映画)

4.0

綾野剛の大人の色気、多部未華子の背中の美しさ。
流されやすく、恋愛体質の梅宮志乃(多部未華子)は、引っ越した先の隣に住む菅原京志郎(綾野剛)に一目惚れする。
恋に落ちる瞬間を「風が吹いた」と表現するの
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ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY(2020年製作の映画)

3.5

ハーレイ・クインのジョーカーからの解放を「女性の自立」というテーマで料理した作品。
ジョーカーの庇護のもと、好き放題をやってきたハーレイ・クインは、後ろ盾をなくしたことで、街中の悪党から狙われるように
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mellow(2020年製作の映画)

4.5

今泉監督は会話劇を作るのが非常にうまい。
会話をしている当人同士だけでなく、その周りの状況を巧みに映し出す。
ラーメン屋の訳ありカップルの会話、青木家の三者会談はかなり面白かった。
恋愛という閉じられ
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17歳の肖像(2009年製作の映画)

3.5

大人の世界に憧れる無垢な少女が、年上の男性に見染められ、人生について再考する物語。
紳士的な振る舞いのデイヴィッド(ピーター・サースガード)に煌びやかな大人の世界を見せられ、これまでの退屈な人生に別れ
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仮面病棟(2020年製作の映画)

3.5

ミステリーとして観た場合、不自然さが目立ち、必ずしも出来がいいとは言えないが、この物語の本流はそこにはない。
大切な人を亡くすという同じ経験をした二人の人間が共鳴し合い、互いに立ち直っていく過程に素直
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初恋(2020年製作の映画)

4.0

惚れた女を命懸けで守ろうとする葛城レオ(窪田正孝)の姿に、『トゥルー・ロマンス』や『ドライヴ』を想起した。
とにかく窪田正孝がかっこいい。
一見草食系の優男なのに、実はボクサーで強いというギャップに萌
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NINE(2009年製作の映画)

3.5

ジャケ写から、唄って踊る極上のエンターテインメントを期待して観たら、苦悩する映画監督を描いた内省的な映画だった。
女優たちは豪華絢爛な衣装を纏い、魅力的で目の保養になったが、いかんせんストーリーが退屈
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劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語(2013年製作の映画)

4.0

別の世界線の記憶を保持しながら、何度も何度も何度も同じ時を繰り返してきた暁美ほむらの苦悩は計り知れない。
ただ鹿目まどかを救いたいという純粋な想いを胸に。
しかしいつしかその想いは歪んだ愛情へと変わっ
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ハスラーズ(2019年製作の映画)

3.5

この世はストリップ劇場。
ステージで踊る側と金をばら撒く側がいる。
男が女をコントロールしているのか?
それとも女が男をコントロールしているのか?
資本主義社会では、金さえあれば大抵の望みは叶う。
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フラグタイム(2019年製作の映画)

4.5

「それは刹那の夢だが、二人にとって確かに実在した時間」

時を止める能力と言えば、「ジョジョ」と『フローズン・タイム』が想起される。
前者の使い手は世界征服のために使用し、後者の使い手は絵画のデッサン
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劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 後編 永遠の物語(2012年製作の映画)

3.5

最強の魔法少女が忌むべき最悪の魔女になるという残酷な結末。
祈りで始まり、呪いで終わる魔法少女の過酷な運命。
これまでただただ消費されてきた「魔法少女」というジャンルに批評性を持ち込んだ画期的な作品と
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サヨナラまでの30分(2020年製作の映画)

4.0

「私」が過去の記憶の総体であるならば、たとえ身体が滅びようとも、「私」は死なない。
「私」を憶えている人がいる限り。

颯太(北村匠海)が偶然拾ったカセットテープには、交通事故死したアキ(新田真剣佑)
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この世界の(さらにいくつもの)片隅に(2019年製作の映画)

4.5

オリジナル版が北條家ですずが自分の居場所を見つけるまでの物語だとすれば、本作はよりポリフォニックな語りになっている。
もちろんそれは今回大幅に追加されたリンのエピソードによるところが大きい。
生まれる
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カイジ ファイナルゲーム(2020年製作の映画)

2.5

久しぶりに酷い映画を観た。
これっぽっちも映画である必要を感じなかった。
作中に登場するゲームも戦略性が希薄で、逆転のカタルシスを得られなかった。
強いて言えば、吉田鋼太郎の演技と関水渚の太ももが印象
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ラストレター(2020年製作の映画)

4.5

大学時代からその後の未咲(広瀬すず)の人生が映像化されることはない。
美咲の遺影が象徴するように「映像作家」岩井俊二は彼女が最も輝いていた高校時代を映し出す。
物語は未咲の葬儀(死)から始まり、初恋の
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ティーンスピリット(2018年製作の映画)

3.5

主演は『ネオン・デーモン』のエル・ファニング。
相変わらずの透明感。
エル・ファニングは特別美人ではないけれど、開花する前の蕾のような可愛さがある。
本作はそんな彼女を愛でるための映画だ。
監督はエル
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劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 前編 始まりの物語(2012年製作の映画)

3.5

可愛い萌えキャラとグロテスクな魔女の対比的な描写。
「魔法少女」という華やかな存在が、実は過酷な運命を背負っているという設定。
キュゥべえの不気味さ。
タイムリープを組み込んだ巧妙なストーリー。
主要
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屍人荘の殺人(2019年製作の映画)

3.0

浜辺美波の顔芸炸裂!
『センセイ君主』でコメディエンヌとしての才能を発揮した浜辺美波がまたやってくれました。
持ち前の可愛いさを前面に押し出し、浮世離れしたキャラクターを見事に演じ切った。
本作は浜辺
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ぼくらの7日間戦争(2019年製作の映画)

3.5

「見かけの自己」と「真の自己」。
誰もが本音を隠して生きている。
自分の居場所を守るために。
既視感のあるシーンの連続で、個人的には『何者』『心が叫びたがってるんだ。』『天気の子』を想起した。
『HE
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CLIMAX クライマックス(2018年製作の映画)

4.0

ルカ・グァダニーノ版『サスペリア』を彷彿とさせる圧巻のダンス・シーン。
自意識から解放され、躍動する身体に魅了される。
特にセルヴァ(ソフィア・ブテラ)の存在感は圧倒的で、彼女が映るだけで絵になる。
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羊たちの沈黙(1990年製作の映画)

4.0

FBIという男社会の中で男性の好奇の目に晒され、性的対象化されてきたクラリス(ジョディ・フォスター)と、異常犯罪者として恐れられてきたレクター(アンソニー・ホプキンス)。
二人の「会話」ではなく「対話
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アナと雪の女王2(2019年製作の映画)

4.5

「ひとつにならなくていいよ
認め合うことができればさ
もちろん投げやりじゃなくて
認め合うことができるから
ひとつにならなくていいよ
価値観も 理念も 宗教もさ
ひとつにならなくていいよ
認め合うこと
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アナと雪の女王(2013年製作の映画)

4.0

「愛っていうのは、自分より人のことを大切に想うことだよ」(オラフ)

多くのディズニー映画が描いてきた運命の相手との情熱的な恋愛ではなく、姉妹愛に焦点を当てた画期的な作品。
一目惚れや王子様とのキスと
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アフター・ウェディング(2006年製作の映画)

4.0

視線の先にあるもの。
多用される目のクローズアップ。
目は心を映す窓だと言われる。
言葉を発さなくても、目には真実が映ってしまう。
しかし人と人は互いに理解し合えず、簡単には「見つめ合う」ことができな
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ボーダーライン(2015年製作の映画)

4.0

善悪の彼岸。
観客はFBI捜査官ケイトと共に、混沌とした世界に投げ込まれ、作戦の全容もわからぬまま翻弄されることになる(まるでカフカの小説を読んでいるような感覚)。
正義というものの不確かさ。
狼の前
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神様のパズル(2008年製作の映画)

3.5

学問的分析と芸術的直観。
中盤までの宇宙の始まりについての議論はとても興味深く、ベートーベンの「運命」が始まる前の8分休符についての考察は面白かった。
が、それ以降の人間ドラマには乗れなかった。
結局
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映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ(2019年製作の映画)

3.0

すみっコたちが可愛い。
ただそれだけの映画。
説明過多なナレーション。
退屈なストーリー。
睡魔との戦いを強いられた。
過大評価も甚だしい。

エル・マリアッチ(1992年製作の映画)

3.5

ギャングの抗争に巻き込まれたマリアッチ(歌手)が、ギターケースの中身をギターから銃に変えて、死闘を繰り広げる物語。
人生何が起こるかわからない。
マリアッチとしての人生を歩むはずだった男は、たまたまギ
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