ナチョスさんの映画レビュー・感想・評価

ナチョス

ナチョス

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猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)(2017年製作の映画)

4.3

3作目はクラシカルな雰囲気。

西部劇や『七人の侍』『大脱走』等を思い起こす。

人間に成り上がった(成り下がった?)類人猿と、未だ対立し続けている人間。

人間側の類人猿と類人猿側の人間という対比が
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猿の惑星:新世紀(ライジング)(2014年製作の映画)

4.2

ポスト・アポカリプスの世界。

文明を築くシーザーたちの生活に資源を求め侵入する人間。

人間の類人猿化と類人猿の人間化。

いよいよ境目が曖昧。

ゾンビ映画的なアクションやナショジオを観てるかと錯
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猿の惑星:創世記(ジェネシス)(2011年製作の映画)

4.1

2024/05/06
再鑑賞2

人間と限りなく近い類人猿と私たちの違い。

実験台としての動物と家族としての動物。

言葉は必要性によって生じる、の再現。

分断と対立が付きまとうオリジン。

矛盾
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見知らぬ乗客(1951年製作の映画)

4.5

パトリシア・ハイスミス原作のヒッチコック作品。

列車で出会った男から一方的な交換殺人を提案される男の話。

サイコ野郎に巻き込まれるサスペンスがとにかく面白い。

2人の運命を暗示する足元クローズア
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.7

2024/04/29
再鑑賞2


2024/04/04
初鑑賞

映画鑑賞中、これほど時よ止まれと願ったことはない。

その罪と影響は原爆の爆風爆音と同じ。

時の経過とともに凄まじい轟音をたて、彼
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ゴジラvsコング(2021年製作の映画)

4.0

ゴジラKOMでゴジラが人類側のように描かれたのに、本作はコングがほぼ主人公。

サイズ感もバグってきて、たまに普通のゴリラに見える笑笑

地下空洞の世界とか、表情豊かなコングとか、真剣な映像がめちゃく
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ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(2019年製作の映画)

3.7

モンスターバース3作目。

子どもの頃はゴジラを観て育ってきてないから正直乗り切れない部分がある…

キングギドラ、モスラ、ラドンは流石に知ってたけど、モスラってゴジラにとってそういう感じなのか!
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キングコング:髑髏島の巨神(2017年製作の映画)

4.2

『地獄の黙示録』×『キングコング』

ギャレス・エドワーズ版『GODZILLA ゴジラ』とは対照的というか、反アメリカ的な物語。

モンスターバースのなかでは1番好き。

テリトリーに侵入されるよりも
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GODZILLA ゴジラ(2014年製作の映画)

3.8

今まで観てこなかったモンスターバースを、『ゴジラ×コング 新たなる帝国』に向けて。

だいぶアメリカ的な物語だなぁ、というのが第一印象。

勝手なイメージでモンスターバースはド派手バカ路線だと思い込ん
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異人たち(2023年製作の映画)

4.2

ほとんど空っぽのマンション。

隣人と孤独を分け合い、死んだはずの両親との対話で満たしたい心。

誰もが心の奥底に隠しているものを直接触れずとも繊細に優しく包み込む。

私たちは喪失の記憶や孤独の形が
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インフィニティ・プール(2023年製作の映画)

4.0

自分のクローンを殺すことで全てが赦される場所。

天国のリゾート地は冒頭でひっくり返る。

自分が殺されたのを見た後も、それでも自分は自分のなのか。

鮮烈なビジュアルで"自分"とは?をエグられる体験
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エクス・マキナ(2015年製作の映画)

4.0

再鑑賞2
2024/04/15

社内抽選に当選し、人里離れた社長の大豪邸に1週間滞在する機会を得る主人公。

そこで行われていたのは人工知能に対する実験。

鏡や反射のイメージに重複。

他人が信じ
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オーメン(1976年製作の映画)

3.8

子ども・犬ホラー。

ホラーにも関わらず、大事なシーンはほとんど昼間で、人が死ぬところをまざまざと見せつけるために悪魔が仕向けているように思える。

宗教的なテーマを抱えながら子を持つこと、親になるこ
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アマデウス ディレクターズ・カット(2002年製作の映画)

4.7

再鑑賞2
2024/04/01

自由奔放な天才モーツァルトと天才を殺したと語るもう1人の真面目な天才サリエリ。

彼はモーツァルトの才能と性格を妬み、音楽ではなく権力で排除しようとする。

視点が途
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プリシラ(2023年製作の映画)

3.9

14歳でエルヴィスと出会い、後に妻となったプリシラの結婚生活はまさに籠の中の鳥。

シンデレラは果たして幸せなのか。

プリシラに寄り添った繊細なタッチと距離感で苦悩と孤独と愛を描く。

2人の姿を等
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関心領域(2023年製作の映画)

4.4

強制収容所所長一家の生活観察体験。

塀越しに聞こえてくる銃声やうめき声の中で暮らす家族。

美しいはずの庭で咲く花々は毒々しく妖しい。

暗闇で響く音楽は亡霊の叫び声のごとく耳朶を打ち心を突き刺す。
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ダンケルク(2017年製作の映画)

4.4

再鑑賞3
2024/03/23

オッペンハイマーに向け再鑑賞。

戦争映画というジャンルにノーラン独自の作家性で新たなスペースをこじ開ける本作。

違う速度で展開され、同じゴールに向かう。

スピル
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SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

3.8

舐めてたらやばいヤツだった系。

「俺は不死身のアタタミだぁ!」というセリフがあってもおかしくないような『ゴールデン・カムイ』×『マッドマックス』みたいな映画。

コテコテで非常に景気が良い。

劇場
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十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

4.6

再鑑賞2
2024/03/18

言わずもがな密室劇の金字塔。

十二人の陪審員の男たちが、父親殺しの罪に問われる少年が無実か有罪かを審議する。

民主主義の根幹、そしてそれは1人ひとりの人間によって
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

4.2

"陳腐な白人に迎合した小説が売れるなら俺もお遊びで書いてみるか…?がまさかのベストセラー。

実生活と仮面作家(逃亡者)生活の狭間で生きる中年黒人男性。

一体俺の人生は誰のものでどこにあるんだ!
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.6

放心状態。

前作より何倍もスパイスが効きすぎてる。

IMAXフルサイズを活かした映像が砂漠のように観客を飲み込む。

全てが最上級で圧力が激強。

私もスパイスを吸いすぎたか。

サンドワームに平
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テルマ&ルイーズ 4K(1991年製作の映画)

4.5

初めて映画館で4Kで観たけどめっちゃくちゃ綺麗!!

警察からの逃避行は有害な男性性からの逃避行だし、彼女たちの自由への旅。

たどり着く先はマチズモを代表する西部劇の舞台。

解放を求め、馬のように
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ロッタちゃん はじめてのおつかい 2Kリマスター版(1993年製作の映画)

4.3

「いい子になんかなるもんですか。」

スウェーデン絵本原作映画のリバイバル。

絵本がそのまま映画になった、優しくてカラフルな作品。

ロッタも家族も、服装もお家も町も、全部がかわいい。

思ったこと
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

4.0

母に囚えられたボーの頭の中に囚えられる、3時間の不安と恐怖と罪と恥の旅路。

これまでの理論的な作風からは比較的して本能的で、感情的。

切れることのない母親との関係。

エディプスコンプレックスを克
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.3

パニック障害とPMSを抱える2人。

移動式プラネタリウム等を扱う科学教育教材の会社で出会う2人。

会社やコミュニティという名の小宇宙で生きる彼らは大宇宙の星々と同じ。

夜空のかつての輝きは、私た
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あなたの死後にご用心!(1991年製作の映画)

3.8

『ボーはおそれている』リファレンスに挙がっていたので初鑑賞。

タイトルとクレジット出るところのテンポ感が良くて、すこし奇妙な世界観にスムーズに入り込めた。

世界観とか設定は結構好みで、裁判で過去を
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荒野の千鳥足(1971年製作の映画)

3.7

ホリデーにシドニーの彼女の元へ向かおうとする主人公。

一泊だけのはずだったブンダンヤバという町で親切な町民たちとアルコールに捕まってしまう。

「ブンダンヤバは最高さ。みんな親切だ。」と言う町民たち
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(1951年製作の映画)

4.2

ガンジス河の辺りに住む少女の恋と青春。

異国情緒あるれる国で愛に憧れる物語。

思春期特有の目まぐるしく変わる心情と、インドの豊かな色彩と文化が混ざり合う。

女性たちの服装の色、土着の舞、何気ない
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ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

4.5

再鑑賞2
2024/02/17

完成度がめちゃくちゃ高い。

ツリーハウスで始まり、ツリーハウスで終わる。

家族という目に見える境界線。

不可抗力の繋がりの閉塞感と恐怖。

ミニチュアハウスを作
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ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還(2003年製作の映画)

4.1

再鑑賞2
2024/02/15

この壮大な物語を3部作にする、どこを削るかという作業はめちゃくちゃ大変だっただろうなと感じる。

正直3作とも長いけど、それでも足りないくらいのボリュームだからエクス
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デッドプール2(2018年製作の映画)

4.2

再鑑賞2
2024/02/12

前作同様OPでテーマを宣言。

その通りの家族の物語。

冒頭からウルヴァリンネタ。

前作にもヒュー・ジャックマンネタがあって、プライベートでも仲良い2人が3作目で
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デッドプール(2016年製作の映画)

4.1

再鑑賞3
2024/02/12

『デッドプール&ウルヴァリン』のトレイラーが解禁され見返したくなったので再鑑賞。

下ネタ満載でグロでメタメタで固有名詞ばっかり出てくるけど、OPで宣言通りしっかり愛
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ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔(2002年製作の映画)

4.1

再鑑賞2
2024/02/10

1作目よりも中つ国が現実世界の鏡写しの世界であることを強く感じる。

幼少期に観ていれば、レゴラスに憧れただろうなぁ。

本作が与えた他のファンタジー作品への影響も発
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コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

4.3

物静かで孤独を感じる少女コットは夏休みを親戚夫婦の家で過ごすことに。

丁寧で柔らかい妻のアイリンと不器用だけど優しい夫のショーン。

心地の良い静けさととっても素直な映像。

口数の多くない彼女の心
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.2

幼児の脳みそを入れられ蘇った女性ベラ。

自由意思と自己を探し求め旅する姿は、獲得というよりも修復のように感じられる。

美術・衣装・音楽の世界観の確立とエマ・ストーンの存在感が見事だけど、いい意味で
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レッド・ロケット(2021年製作の映画)

4.1

昨年公開時に見逃し、アマプラで配信が始まっていたで鑑賞。

まず、爽快感のある表情と共にポスターに書かれた「人生は、スウィートだ」に対しやかましいわ!とツッコミたくなった。笑

主人公の落ちぶれポルノ
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