昨年のベネチア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞、続いてトロント国際映画祭でも最高賞の観客賞を受賞。この2つの賞の受賞は、ここ数年、アカデミー賞の作品賞を占ううえで、重要な指標ともなっているため、早く>>続きを読む
実話を基にした物語。ベトナム戦争で空軍の救護部隊でありながら、1人激戦の地に降下して、孤立した陸軍の部隊を献身的に救助し、弾丸に倒れたウィリアム・H・ピッツェンバーガー上等兵。彼の勲功は明らかであるに>>続きを読む
1977年製作のフランスメイド。冒頭、就航したばかりのコンコルドが登場する。降りてきたのはパリから飛んできたゴージャスな美女。滑走路上に横付けされたリムジンに乗り込むと、アメリカ政界のVIPが待つ会議>>続きを読む
「裏切りのサーカス」(2011年)、「スノーマン 闇雪の殺人鬼」(2017年)のトーマス・アルフレッドソン監督の名を世界的なものに高めた2008年の作品。かつて知人に勧められた作品だったが、そのときは>>続きを読む
「裏切りのサーカス」(2011年)で非凡な才能を見せつけたスウェーデンの映画監督、トーマス・アルフレッドソンの現時点での最新作品。ノルウェーの小説家ジョー・ネスボ(ロックミュージシャンやサッカー選手と>>続きを読む
韓国メイドのSF宇宙作品。時代は2092年、地球は汚染されており、人が住むには過酷な状況となっている。ある事業家が地球の衛星軌道に緑豊かな居住空間を建設するが、そこは遺伝子的に優秀な人間しか住めない特>>続きを読む
この作品については、事前情報はあまり持たずに、観賞することをおすすめしたい。物語は、懸賞 (なんとオロナミンC)でハワイ旅行が当たったソウルの庶民一家の父、母、娘の3人が乗り合わせた飛行機がハイジャッ>>続きを読む
1996年に製作された作品のデジタルリマスター版。公開当初、見逃していたので、劇場へ。意図的にだと思われるが、登場する俳優たちは、みな演技することを抑えている印象。セリフにあまり抑揚がなく、ことさらド>>続きを読む
ポン・ジュノ監督の「ほえる犬は噛まない」(2000年)でブレークしたぺ・ドゥナ出演作品の連続上映で観賞。韓国・仁川の高校を卒業した同窓生5人のその後を描いた青春群像作品。ぺ・ドゥナが演じるテヒは、家業>>続きを読む
「パラサイト 半地下の家族」(2019年)でアカデミー賞の監督賞(他に作品賞、脚本賞なども受賞)を受賞したポン・ジュノ監督が、2000年に発表した劇場用長編映画デビュー作。この作品でブレークしたぺ・ド>>続きを読む
カトリーヌ・ドヌーブの妖艶な魅力は、この作品の舞台のように、青く輝く海、生い茂る緑、高く広がる空に囲まれた大自然のなかに置かれたときに、いっそうの美しさを見せる。舞台は南米のベネズエラ。婚礼を数日後に>>続きを読む
冒頭シーンの旭川刑務所から出所する役所広司の演技にまず感嘆してしまう。「上手い」という言葉しか浮かばない。懲役10年の刑で服役しているはずの役所扮する主人公は、「13年」の刑期を終えて出所する。そのこ>>続きを読む
グロテスクで多分に猟奇的な割には、教訓的な結論へと収束していくストーリー。同じようなシチュエーションの作品に「ハイ・ライズ」(ベン・ウィートリー監督、2015年)というイギリス映画があったが、この作品>>続きを読む
公開直後に初めて観て、今回は確か3度目の観賞。観れば観るほど深く心に刻まれていく稀有な作品だ。とにかくあからさまな説明的シーンはあまりなく、ぼんやりしているとスルーしてしまうような映像やセリフに、さま>>続きを読む
「いつだってやめられる」3部作のシドニー・シビリア監督の作品。イタリアからのネットフリックス作品だ。1968年に一方的にイタリアから独立宣言をした、リミニ沖の公海上に建設された人工島「ローズ島共和国」>>続きを読む
この作品が公開された1983年4月は第一次中曽根内閣のときで、首相の口からは「戦後史の転換点」という言葉も聞かれた時代だった。それに呼応するかのように、第二次世界大戦直後から始まり、サンフランシスコ講>>続きを読む
「アマンダと僕」で2018年の第31回東京国際映画祭でグランプリを受賞したミカエル・アース監督のひとつ前の作品。2015年の作品だが、グランプリ受賞のおかけで日本でも公開されたらしい。自分としては、劇>>続きを読む
日活が一般映画の製作を縮小させていくなかでつくられた「戦争大河超大作映画」。1970年にこの第一部が公開され、以後、73年までに「第二部愛と悲しみの山河」、「第三部 完結編」が公開された。第一部だけで>>続きを読む
2016年のアメリカ映画。日本では劇場未公開で、アマゾンで配信された。この作品以前に、1997年に製作された「エルヴィスとニクソン」というテレビ映画があったらしいが、そちらは未見。この作品は、それを基>>続きを読む
ポール・グリーングラス監督は、新作が待ち遠しい映画監督。マット・デイモン主演の「ボーン」シリーズの監督として知られるが(「ボーン・スプレマシー」「ボーン・アルティメイタム」「ジェイソン・ボーン」)、も>>続きを読む
ネットフリックス配信のインドを舞台にした作品。とは言っても、原作はイギリスでブッカー賞を受賞したインド人作家アラヴィンド・アディガの小説「グロ-バリズム出づる処の殺人者より(邦題)」。製作もアメリカと>>続きを読む
ネットフリックスでは世界中の作品が配信されているが、かなりの確率でクオリティの高い作品にめぐりあう。最近ではスペインやポーランドの作品になかなか良いものがあったが、これはイギリス製作の作品。時代は19>>続きを読む
ヴェネツィア国際映画祭で、主演のルカ・マリネッリが男優賞を獲得した、イタリアのピエトロ・マルチェッロ監督の作品。1909年にアメリカの小説家ジャック・ロンドンが発表した同名の自伝的小説が原作。この作品>>続きを読む
自分としては生涯ベスト10に入る作品である、ベルナルド・ベルトルッチの「暗殺の森」(1970年)を思わせる作品との評判を聞いて、観賞。確かにイ・ビョンホンが演じる、やがて暗殺者となる韓国の中央情報部(>>続きを読む
1970年のATG作品。高橋和巳の原作小説を劇作家の福田善之が脚本化、「竜馬暗殺」(1974年)の黒木和雄が監督した作品。おそらく福田のアイディアだと思うが、登場する2人の主人公である刑事とヤクザを、>>続きを読む
何故か日本の山梨県で人型ロボットの開発を進める主人公の科学者ジョージ・アルモア。1号機、2号機を完成させたのだが、その姿は人間とは似ても似つかわぬ箱型のロボット。会社からは進捗のない開発に対して、クレ>>続きを読む
日活は1971年をもって一般映画の製作を中止するが、この作品はその末期である1969年のもの。石原裕次郎、渡哲也、二谷英明、藤竜也、浜田光夫、吉永小百合など当時の日活のオールスターが揃って出演する豪華>>続きを読む
アマゾン・プライム配信のブラックなコメディ。2007年の前作「ボラット 栄光なる国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習」も強烈だったが、この作品では、それをさらに上回るパロディやダークなギャグが次か>>続きを読む
3時間20分もある長尺作品なのだが、はっきり言って退屈さはまったく感じなかった。もちろんマルコムXの人生そのものが波乱に富んだものであり、それを追うだけでも興味は尽きないのだが、オーソドックスに少年時>>続きを読む
このところ、アマゾン・プライムも、ネットフリックスに負けじとクオリティの高い作品をリリースしている。この作品もアカデミー賞のノミネート候補に擬せられているということで観賞。とにかく観応えのある作品だっ>>続きを読む
映画監督としての処女作「市民ケーン」(1941年)が、映画史上のNo. 1の傑作に輝いているオーソン・ウェルズだが、それ以降の彼の仕事はけっして順風満帆というわけではなかった。監督作品の興行成績は芳し>>続きを読む
ネットフリッククスの配信で観た「Mank/マンク」に触発されて、この映画史上No. 1と言われる作品をひさしぶりに観賞する。過去に何回か観ているのだが、「Mank/マンク」で描かれている脚本家のハーマ>>続きを読む
あらためてネットフリックスという「映画制作会社」(敢えて配信会社とは呼ぶまい)の懐の深さを思い知らされた作品だ。デビッド・フィンチャー監督が、父親のジャック・フィンチャーが執筆した脚本を映画化。たぶん>>続きを読む
地球が滅亡の危機に陥り、5000人の選ばれた人間が人類の生息できる星に移住しようとする。シチュエーション的には、ネットフリックスで配信されたジョージ・クルーニー監督・主演の「ミッドナイト・スカイ」と似>>続きを読む
本家本元のイタリア版(「おとなの事情」、2016年)とフランス版(「ザ・ゲーム 〜赤裸々な宴〜」、2018年)は観賞しているが、とにかく世界20カ国近くでリメイクされているタイトル、いよいよ日本版も登>>続きを読む
このところ、韓国の現代史に題材を採った作品が多くつくられているが、これは1987年、1人の学生の死から始まった民主化闘争の実話を基に描いた2017年の作品。全斗煥大統領による軍事政権下の韓国で、警察の>>続きを読む