レイチェルさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

アッシャー家の惨劇(1960年製作の映画)

3.0

エドガー・アラン・ポー原作。ジャケットの中にあれこれ書いてあることがほぼ全てだった。もし鑑賞するのならジャケットを拡大しないようにお気をつけください。

婚約者を迎えに来たイケメン。屋敷の前で執事に帰
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天使の影(1976年製作の映画)

4.0

ジャケットのシーンがとても印象的。ファスビンダーがシュミットと一緒に脚本書いているし、役者でも!

戦後ドイツのフランクフルト。ジャケットの女性は娼婦リリー(イングリット・カーフェン)。男はリリーの恋
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

3.8

鬱鬱とした気分になりたい時にぴったりのダーレン・アロノフスキー監督の最新作。

通常のぽっちゃりさんを遥かに超える大きな身体の男性の部屋の中だけで進行。元は舞台用の作品らしい。

辛い過去を語るのをほ
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マリア・ブラウンの結婚(1978年製作の映画)

4.5

ファスビンダー監督作品鑑賞3作目。これはカウリスマキ作品とは似ていないスタイル。

結婚翌日に夫が戦争へ。終戦しても戻らない夫をひたすら待つ若くて美しいマリア。彼女は「夫と結婚」しているけれど、他の男
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不安は魂を食いつくす/不安と魂(1974年製作の映画)

4.5

ファスビンダー監督に夢中!これも素晴らしかった。

60歳未亡人掃除婦と30歳移民自動車工。互いに孤独な二人が偶然出会い急速に愛し合い結婚。周りの無理解や反発や嫌悪感に晒されながらもお互いを想う気持ち
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ペトラ・フォン・カントの苦い涙(1972年製作の映画)

4.5

ファスビンダー監督作品初観賞!最高!

ドイツのファッションデザイナー、ペトラ・フォン・カント。超絶傲慢でキャリアを鼻にかけ、アシスタントのマレーナを奴隷のように扱い、幸せな結婚生活を送る友人を馬鹿に
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博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964年製作の映画)

4.0

前から観たかったキューブリック監督作品。NHKBS様ありがとうございます。

ここのあらすじのまま。そのままだけど、観ないとこの感じは掴めないので観て良かった。

ピーター・セラーズが一人三役。
・マ
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愛と激しさをもって(2022年製作の映画)

3.8

良かった。という意見が少ない中、何故かとても沁みた。

若くない夫婦。
妻は魅惑のサラ(ジュリエット・ビノシュ様)でラジオのパーソナリティ。社会問題などインタビューして仕事はクール。
夫は元ラグビー選
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十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

3.8

シドニー・ルメット監督作品は『狼たちの午後』『旅立ちの時』しか観ていないかも。超有名な傑作を初鑑賞。

もちろん素晴らしかった。

陪審員の中にヘンリー・フォンダ演じる男性がいなければあっさり終わった
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光の旅人 K-PAX(2001年製作の映画)

5.0

例えば、普段あまり映画を観ない人にいきなりおススメ映画を訊かれたら…

本作を激推しします。

ケヴィン・スペイシーは唯一無二の役者であることを再認識。もう、そろそろ復活しないのかな。

バナナを皮ご
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ロスト・レオナルド 史上最高額で落札された絵画の謎(2021年製作の映画)

4.0

1,175ドルの絵画が4億5,000万ドルになるまでのドキュメンタリー。面白すぎる。

レオナルド・ダ・ヴィンチの作品、かもしれないし彼に近い作者の物かもしれない。

美術史と美術マーケットを大きく揺
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カフカ「変身」(2019年製作の映画)

3.0

かなり前に原作を読んでいるはずだけれど、記憶とかなり違った。

毒蜘蛛的なイメージだったけど、ゴ〇〇リ的なビジュアル。羽は無し。

何故こんな事になったのか不明。不条理極まりない設定の為、その後の家族
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マネーボーイズ(2021年製作の映画)

3.8

とても切なくて重いストーリー…

お金の為に男娼になり、気ままに暮らす話かと思いきや、主役の男子は元々田舎の母に送金する為に売っていたのね。

恋人のあの事件は複雑な心境!自分の為に…でも自分は…
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ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

3.8

エクソシスト(悪魔祓い)の映画は大好き。エンタメ寄りかと期待せずに観たけれど、正統派だった。

悪魔の◯◯を知ると大抵勝てるのが原則だと思う。

ラッセル・クロウがカフェ・オ・レを勧められてエスプレッ
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イノセント(1975年製作の映画)

5.0

ヴィスコンティ監督の遺作は私の大好きがてんこ盛りで最高。

イタリア貴族の愛憎物語。夫は妻に、愛人への愛を熱く語る!
「官能的な美女なのだ!」はぁ?
妻のことは妹のように愛しているが、許して欲しいと。
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エリザベス 神なき遺伝子(2014年製作の映画)

3.3

ここの評価は低めだけど、そんなに悪くなかった。

クローン技術による人間の新生児を誕生させた博士は、その前にある秘密を隠していたのだった…

密かにこんな実験をしている科学者は世界のどこかに絶対いると
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

5.0

大好きな作風。余白が多いのに沁みるのは、音楽の使い方が秀逸だから。楽曲を作ったミュージシャンの背景が映画の主題とリンクして素晴らしい。

映画の音楽って旋律が美しくて物語に馴染んで素敵ならそれだけでも
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次郎物語(1987年製作の映画)

3.8

以前原作を読んだ思い出の作品。感動の名作。

3人兄弟の2番目次郎。母親(超絶美しい高橋惠子様)が病弱の為、生まれてすぐ里子に出された次郎。里親(若くて優しい泉ピン子)は次郎を溺愛し、実家が迎えに来て
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もっと遠くへ行こう。(2023年製作の映画)

3.8

この監督は『ライオン25年目のただいま』が素晴らしかった!本作は静かなSFの雰囲気とジワるサスペンスが融合しており、夫婦の在り方と自身の存在証明に関する近未来的ストーリー。

ヘン(シアーシャ・ローナ
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.2

え…こんなに素晴らしいとは。良いとは聞いていたし、良さそうとは思っていたけれど、その何倍も良かった。ジャズのライヴに行ってみたい。

熱い。かっこいい。とても良かった。内緒だけどちょっと泣いた。

パッション(2012年製作の映画)

3.8

いつも素敵なレビューを書いていらっしゃるとわさんのお勧め作品!やはり間違いなく面白かったです。ありがとうございます!

パワハラ上司とその優秀な部下と彼女のアシスタント。3人の女子のドロ沼ストーリー。
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愛のメモリー(1976年製作の映画)

4.0

デ・パルマ監督の初期作品、傑作サスペンス映画は大満足!面白かった。

妻と娘が誘拐され身代金を要求された男。救出作戦は失敗に終わり、彼は悲嘆に暮れるのだったが…

その後の展開が観ている方も心配になる
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Pearl パール(2022年製作の映画)

3.8

『X』の前日譚。『X』は好みじゃなかったので期待もせず、やや放置していたのが勿体無かった。とても面白かった!前日譚のほうがこんなに好みだったなんて。

若き日のパール。自分はオカシイと思いつつ止められ
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続・禁断のインモラル/ラウラ・アントネッリの青い欲望(1974年製作の映画)

3.8

修道院育ちのラウラ・アントネッリ様。愛しの恋人と結婚、初めての夜。ドキドキのその直前に衝撃の知らせが、疎遠だった父親から届く…

実は、お前たちは異母兄妹なのだよ。

ふたりは禁欲の誓いを立て、表向き
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さらば、わが愛/覇王別姫 4K(1993年製作の映画)

5.0

超絶大傑作!京劇のスター役者二人。中国の激動の歴史に翻弄されながら一人の女性と微妙な三角関係の中、演劇と現実が融合するかのように流されるのだった。

京劇についてほぼ無知のまま観たが、幼少期からほぼ拷
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メグレと若い女の死(2022年製作の映画)

3.5

ルコントだから観たけれど、いつものルコントではなかった。ミステリーも撮っていたのは知らなかった。いつもの方が好き。

基本的にぶっ飛びラブストーリーのイメージの監督だけど、そういう展開は皆無。ある殺人
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血を吸うカメラ(1960年製作の映画)

3.5

素敵な邦題に惹かれてクリップしていた作品。血を吸うカメラ…比喩ですもちろん。

『PEEPING TOM』(覗き見トム)。トムってどなた?主役はマーク。覗き見がやめられない病気。それは父親のせいらし
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オール・アバウト・マイ・マザー(1999年製作の映画)

4.2

とても良かった。アルモドバル監督作品でも変態さんがほぼいない。女性、母親、女性になりたい男性、そんな人達へのリスペクトを感じる人間ドラマ。

シングルマザーが大事な一人息子を事故で亡くすところから、こ
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サイレント・ナイト(2021年製作の映画)

3.0

イギリスの田舎のお屋敷。クリスマスのディナーパーティーに集まった友人達とその家族。

何かとても重い運命の前に、それを紛らわそうとでもする大人たち。諦めないでもっとやれる事がありそう。

ジョジョラビ
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テオレマ 4Kスキャン版(1968年製作の映画)

4.7

バリー・コーガンくんが気持ち悪くて最高だった『Saltburn』の元ネタ、らしい。

パゾリーニ監督作品初鑑賞。難解なイメージは『Saltburn』を思い出しつつ観ると分かりやすいと思う。

謎の美青
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ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

3.8

ブラッドリー・クーパーが汚れ役で面白かった。

イカサマ読心術のクパさん。上手く騙してのし上がり、調子に乗り過ぎて…

これはオチを知らずに観て良かった。そういう経緯ですか。

ルーニー・マーラが可愛
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続・黄金の七人/レインボー作戦(1966年製作の映画)

3.8

続編も楽しかった!

冒頭から教授の女装が最高。意外にも似合っていて普通に美しい。あの毛皮のコートの下も峰不二子ちゃんとお揃いのレオタードなのかな。

今回も教授の作戦を仲間6人プラス峰不二子ちゃんで
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黄金の七人(1965年製作の映画)

3.8

とわさんのレビューに素敵なレオタードについて記述されておりました。速攻で確認です!とわさん、いつもありがとうございます!

『ルパン三世』の元ネタなのですね。『オーシャンズ11』のようでもあり、綿密な
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マイレージ、マイライフ(2009年製作の映画)

3.8

いろいろびっくり。ライアン(ジョージ・クルーニー様)はリストラ宣告の代行会社のエリート。飛行機で全米を飛び回るのでマイルが貯まる貯まる。

…リストラ宣告って自社で行わず、代行会社に依頼するのが主流な
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薔薇の貴婦人(1984年製作の映画)

3.6

重い映画の後は、妖艶で優美で倫理観皆無の映画で心を落ち着かせるのです。最高。

ヴェネチアは恋の街。美しい男が休暇でやってきた。(彼はショーン・コネリー様のご子息!)目的はキッパリと女遊び。

美しい
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あなたを抱きしめる日まで(2013年製作の映画)

4.0

安心のBBC制作、実話ドラマ。ここで描かれた悲劇と同じ想いに苦しんでいる人が今でも沢山いるらしい…

3歳の息子と生き別れ。その経緯、彼女が50年後に初めて家族に打ち明けた真実。

なぜ、生き別れたの
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