Junichiさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

Junichi

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第三夫人と髪飾り(2018年製作の映画)

5.0

家父長制度の 被害者は
女性(妻たち)でもあり
男性(とりわけ長男)でもある

19世紀のベトナム北部の美しい情景
極限まで廃された人間たちのことば
映像と音楽で語りかける映画

主人公メイ
(グエン
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

5.0

フランスの経済学者トマ・ピケティが
著者『21世紀の資本』で
民主主義の社会において
自由主義経済学の成熟によって格差は是正されず
むしろ格差は拡大することを学問的に証明したのが2013年。

彼が言
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男はつらいよ 寅次郎恋歌(1971年製作の映画)

5.0

「人間は絶対に、一人じゃ生きていけない。逆らっちゃいかん。人間は人間の運命に逆らっちゃいかん。そこに早く気がつかないと、不幸な一生を送ることになる。わかるね寅次君…、わかるね。」

諏訪さくらの夫、諏
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男はつらいよ お帰り 寅さん(2019年製作の映画)

5.0

「男とゆうもの つらいもの
顔で笑って 腹で泣く」

山田洋次監督の『男はつらいよ』の第50作
当初の予定どおり、50作まで作った山田監督の心意気

おいちゃんも、おばちゃんもいない。
タコ社長も御前
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スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(2019年製作の映画)

5.0

人は
自らの力を支配できず
力に支配されると
容易に「権力(暴力)」に魅惑されてしまう

正義とは確固として不変のものではなく
悪と表裏一体である

サタンにそそのかされ
楽園から追放された人間は
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こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話(2018年製作の映画)

5.0

彼が命懸けで伝えたのは
生きるとは
他者に頼るということ

大泉洋演じる鹿野さんは
筋ジストロフィーを患っている
体中の筋力が弱っていき
心臓や肺などの内臓を動かすことも難しくなっていく病気

つまり
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アナと雪の女王2(2019年製作の映画)

5.0

街(都会)で生きるのが幸せな人もいれば
山(地方)で生きるのが幸せな人もいる

結婚して生活するのが幸せな人もいれば
独身生活が幸せな人もいる

ダブルヒロインにしたことで
そんな生き方の多様性を肯定
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アナと雪の女王(2013年製作の映画)

5.0

エルサが歌う『Let it go/ありのままに』に
この物語の本質が表現されています

エルサが戴冠式で魔法を解放してしまい
一人寂しく雪山を歩く場面で歌われる『ありのままで』
(この場面はまさしく映
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レ・ミゼラブル(2012年製作の映画)

5.0

I write my last confession.
Read it well, when I am last sleeping.
It' the story of one who turned f
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IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。(2019年製作の映画)

5.0

「お前らすっかり大人になったな」

かつて子どもだった大人たちが
普通の大人になっていく
とてもとても哀しい青春の物語

「It」は性の無い(中性)人称代名詞
ドイツ語では「Es」であり
S.フロイト
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男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け(1976年製作の映画)

5.0

49作ある『男はつらいよ』でベスト
寅さんの本質が描き出された大傑作
『男はつらいよ』第17作(1976年)

宇野重吉演じる日本画の大家と
呑み屋で寅さんが知り合う
その出会い方も寅さんらしい

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時をかける少女(2006年製作の映画)

5.0

「帰らなきゃいけなかったのに、いつの間にか夏になった。お前らといるのが、あんまり楽しくてさ。」

細田守監督の最高傑作
毎年七月の講義で扱う作品

1ポスト・セカイ系
「ごく平凡な、ある一人の女の子の
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桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)

5.0

「闘おう。ここが俺たちの世界だ。俺たちはこの世界で生きていかなければならないのだから。」

これは、劇中劇の登場人物のセリフとして語られる、吉田大八監督がこの映画に込めたメッセージ。

毎年四月に講義
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ジョーカー(2019年製作の映画)

5.0

笑うこと、笑わせること、笑われること。

コメディアンを目指す主人公のアーサーは、人を笑わせるセンス(ジョークのセンス)がない。
それは、彼が優しい善人であるがゆえに毒舌や下ネタを言うことがで
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