仮想空間さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

3.8

シアマ節炸裂の原色遣いと家族観、非永続的な関係性のストーリーで『燃ゆる女の肖像』の焼き直し(決して劣化コピーではない)の感。
いきなりボートで漕ぎ出すあたりからの色の統一感のくだりはあざと過ぎて浮いて
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女の防波堤(1958年製作の映画)

3.2

途中から脈絡の無い展開続きになるまでは良かったと思う。幼馴染がラーメン屋で発狂するシーンでようやくこの映画の主題はそうだったよな、と正気に戻される。
三原葉子らしい人物を探していたが、ムチで打たれるシ
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マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)

3.5

型破りなプロットだったと思うがいまいちはじけきれてない。たぶんそれはご都合主義に依った部分があるせいのように感じるし、予定調和らしい終わり方のせいでもいると思う。
それ以外はかなり好き。まじでなんで…
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乳房よ永遠なれ(1955年製作の映画)

3.6

あまりにもカッチリ作られていて退屈(失礼)だが、卓越した音響演出が全編冴え渡っていた。
鏡を使った強い孤独の表現でかなり目が覚めた。当の田中本人の出演はだいぶ後。

お染久松 そよ風日傘(1959年製作の映画)

4.2

一人二役の正しい使い方。
祝祭的気分を「祭り」という現象で表現し、それを思い切り心象表現に切り替える演出はあまりに見事。美空ひばりがその演出に耐えうる演技をしていたかはわからない。
溝口映画に多く出演
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関東流れ者(1971年製作の映画)

3.9

モンタージュの積み重ねよりも明快さを優先させる演出が面白い。「たしか、横文字のバーに」と言って横書きの看板のバーのショットが並べ立てられるあたりかなりライト。
日活任侠映画って本当に救いようがないよう
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記憶はミステリー(2022年製作の映画)

1.5

誰もまだMarkしてなかったのか…
酷いの一言に尽きる。言葉を尽くそうとするたび虚しくなると言うか、どこに救いを求めたら良いのかわからなくなる。
男の目線でしか描かれない理想の女性描写はキツい。60分
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ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

3.3

やたらラブシーンが多かった気が。
法廷ドラマも回想シーンとのバランスも微妙。どんなジャンルの映画?と訊かれたら「れ、恋愛なんじゃないですかね…」と答えるしかない
よそ者をとことん排除する社会を論点とし
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三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実(2020年製作の映画)

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三島の非合法の暴力の肯定や決闘の思想、楯の会の生成はまさに古典的極右の「一人一殺」に通底しているものがある。早い話が保守はいつまでもどこまでも保守なのだ。
三島由紀夫対東大全共闘という構図からわかるよ
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ペルシャン・レッスン 戦場の教室(2020年製作の映画)

3.7

まさかセカイ系の構造を持った作品だと思わなかったし、なんとなく「少女革命ウテナ」を想像させられた(これは俺の所有物だ!って言うあたりまさに)
フォーカスを絞られても背景の情報を排斥せず豊富に映像で語っ
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燃えよドラゴン(1973年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

新年1本目
ヤン・スエ、あんなにあっさりやられるとは……

CLOVER(1999年製作の映画)

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音楽・橋本一子
諫山実生「月のワルツ」が好きな人はハマる

花様年華 4Kレストア版(2000年製作の映画)

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愛する相手に自分の全てをさらけ出さないままプラトニックを貫けるほど美しい人間じゃないです

恋する惑星 4Kレストア版(1994年製作の映画)

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ファッショナブルでパッショナブル
えぐいくらいの平成初期エッセンスを感じたけどテンポ感についていくの大変だった……

痴漢電車 ちんちん発車(1984年製作の映画)

3.1

各シーンがぶつ切りになっている分独立した強度がある。裏を返せば全体的に歪みがある。冒険しすぎだよ滝田洋二郎

ブルーフィルムの女(1969年製作の映画)

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衝撃すぎた。整理してまた書こうと思う。
[特記事項]
障害者の性をまさかピンク映画で昭和44年時点で描くとは思わなかった。描写の正確さをさて置くとしても何かしらの映画史的分析対象にすべき。

アウトサイダー(1981年製作の映画)

3.5

社会主義の雰囲気の中で今泉力哉の愛憎劇を見せつけられる。初期ベーラもなかなかあなどれない上にドキュメンタリータッチという形容もまんざらではない。というかかなり好み。
とにかく演奏して踊るスタイルもこの
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ファミリー・ネスト(1977年製作の映画)

3.4

自分の家族の特に嫌いな部分を全部かき集めてぐっちゃぐちゃに煮詰めやがった作品。おじいちゃんの独裁ぶりには本当にイライラしたが多くの人にとっては全く他人事ではない

ダムネーション 天罰(1988年製作の映画)

3.3

遠近感を撹乱させ、観る側の視覚の自由をはく奪してしまう作品
サタン・タンゴを思い出すシーンも多い
強制的なパンニングをフレーミングの核とするが、いきなりフィックスの長回しのダイアログを入れてくる抑揚も
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変態夫婦の過激愛/過激!! 変態夫婦(1988年製作の映画)

3.5

初期森田芳光ばりのナンセンスとサイケな映像をミックスさせたピンク映画という、一周回ってよくわからない映画だった。情報量のフルコース。実際ストーリーもよくわからなかったが、あらゆる愛の形とセックスの形を>>続きを読む

らしゃめん(1977年製作の映画)

3.0

地味ーーーーに話が進んでいき最後は悲劇的な結末で終わる。特に印象に残る部分も無く、無難と言えば聞こえはいいものの東映実録路線の名俳優たちのゲスト出演もどことなくパッとしない。これはプロデュースミスと言>>続きを読む

SPACE ADVENTURE コブラ(1982年製作の映画)

3.6

この手のアニメ映画が一番評価に困る。映像美が冴えに冴え渡っているが、情報量のコントロールは放棄してしまっている印象。撮影をゴリゴリにやりすぎていてもはや愛嬌まである。
ストーリーがびっくりするくらい印
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.8

本当は5.0でもいい…ただ前半のテンポへの違和感が否めない。けれどその後の2時間あまりが完璧に進んでいった。リョータ君に惚れてしまう……
あまりにも胸熱すぎる

2022.12.28 イオンシネマ弘前
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馬と女と犬(1990年製作の映画)

3.8

どっちを向いても夢野史郎脚本、どこまで行っても佐藤寿保演出。
漂着する女をポラロイドカメラで撮っちゃうあたりからもう佐藤エキス全開。その後の獣姦輪姦シーンも味付けが濃い。
腑に落ちるようで落ちないスト
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オルメイヤーの阿房宮(2011年製作の映画)

3.6

コッテコテの白人優位主義批判が鼻につくが、ヒロインの表情の饒舌さといい、見るべきものが多くある作品だと思う。
ラストの船の大きさの対比が別離のシーンにおいてはかなり演出として効いてた。

囚われの女(2000年製作の映画)

4.0

アケルマン作品はずっと観たかったのだが今回ようやく初鑑賞。めちゃくちゃ自分に合っていたので長文感想になりそう。
ドラマも構図も常に一方通行。車の進む先も歩く先も会話も一方的でぜんぜんLOVEを感じない
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沖縄やくざ戦争(1976年製作の映画)

4.8

鑑賞3回目。
最高だろ、、、狂犬と化した松方弘樹とか狂犬そのものみたいな千葉真一とか大満足のアクションと演技だった。実録路線作品で一番好きだな
ひろみ麻耶のアンニュイな雰囲気とスレンダーさがすごい癖で
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ズームアップ ビニール本の女(1981年製作の映画)

3.8

液体への執着
吉田喜重の映画のようなセックス
加藤文彦とセットで語られるべき作品だろう