キヲシさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

キヲシ

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黒い十人の女(1961年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

陰影の濃いスタイリッシュな画面で美しい女性たちとその間をふらふら漂う船越英二を描く。女性といても仕事してても、どこか心ここに在らずな感じ。深夜のテレビ局の屋上で、月?を見上げ、若い女性タレントに声をか>>続きを読む

犬神家の一族(1976年製作の映画)

2.9

湖から突き出した逆さまの両脚。当時、CMでもよく流れていたし、何度もテレビ放送されていたのだが未見であった。さすがに雰囲気はある。犬神家の屋敷の間取りもよくわからないまま、薄暗い廊下や広間や屋根裏を彷>>続きを読む

劇映画 沖縄(1969年製作の映画)

4.0

こ、これは貴重な興味深い作品。返還前70年頃の沖縄が舞台。ベトナム戦争渦中の米軍基地内の軍艦や戦闘機、爆撃機B52、米兵が闊歩する夜の繁華街(コザ?)、ドルに溢れた商店街のキャッシャー、数千人規模のデ>>続きを読む

小早川家の秋(1961年製作の映画)

4.0

アマプラ東宝チャンネルにて。これはリマスター版か、パキパキの画質で見る小津作品はモダンとしか言い様が無い。川縁の土手ですっとしゃがむ原節子と司葉子。青空を背景に黒い喪服の二人。ロングで同時に立ち上がる>>続きを読む

宗方姉妹(1950年製作の映画)

3.8

小津映画での高峰秀子はめずらしい。この作品だけか?成瀬監督との仕事が増えるのは後の話(「秀子の車掌さん」は例外)。ここでの高峰はちょっと子供っぽい、おきゃんな役を実に魅力的に楽しそうに演じていて、素晴>>続きを読む

子連れ狼 三途の川の乳母車(1972年製作の映画)

3.8

冒頭の虚無僧のような深編み笠で襲う刺客がおおっ!という技を見せる。これを見事に返り討ち。そこからの怒濤の展開。女柳生軍団の手にかかり、指が、腕が、ぼたりと転がる。曲芸師はともかく、大根掘りの農民に扮し>>続きを読む

子連れ狼 子を貸し腕貸しつかまつる(1972年製作の映画)

3.0

「子連れ狼」シリーズはエログロ映画として海外でも評判だった、という話を映画評論家の町山がしていた。そういう映画なんだが、伊藤雄之助や内田朝雄、関山耕司の昭和な顔面力がすごい。「介錯?…拝む?…さては!>>続きを読む

驟雨(1956年製作の映画)

4.3

アマプラ東宝チャンネルでの大量の配信停止はどういうことだろう?また復活してもらわないと。
これまた並木座で見たことあるやつ。並木座は東京銀座の裏路地、雑居ビルの地下1階にスクリーンがあった。座席は50
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めし(1951年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

草臥れた靴、仏頂面の原節子、酔った上原謙、お調子者の大泉滉、子連れの中北千枝子…は憶えていた。並木座案件。職場の机に向かう上原の横移動にキュッキュッという音が重なり、新しい靴のアップ。上原と姪の島崎雪>>続きを読む

乱れ雲(1967年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

これも並木座で見た。あらすじを話しても、この映画の魅力は全く伝わらないであろう。何故、こんなにもこころ動かされるのか…司葉子の歩く姿の美しさ?加山雄三の笑顔?閉じられ開けられるカーテン?「まあ、そうい>>続きを読む

乱れる(1964年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

かつて銀座並木座で見たときは衝撃のあまり劇場を出てから、駅に向かわず裏路地をあてもなく歩き続けた。あの表情に「完」で放り出すとは、個人的には映画史上最も印象的なラストシーン。
今回の再見では電話で呼び
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痴人の愛(1967年製作の映画)

3.0

なんと脱ぎっぷりのいい安田道代!パーティーで踊る(暴れる)小沢昭一がおかしい。まーちゃんこと倉石功の赤い車は「5555」のゾロ目。やはり、そういう奴だよな。赤い玄関扉の平屋住宅。扇風機が回るその部屋の>>続きを読む

シャッター アイランド(2009年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

あら~、幽霊が出てくるしホラー映画みたいだなと思ったら、灯台に辿り着いた辺りでようやく気付いた…。背後から近寄って回り込むとマックスフォンシドー登場!のシーンがいいね。鉛筆ガリガリして「止めてくれー」>>続きを読む

ヒューゴの不思議な発明(2011年製作の映画)

3.5

スコセッシが映画愛とCGと3D(知らなんだ)という玩具で大はしゃぎ。歯車、パリの夜景から駅の構内、時計や壁の裏をくぐり抜けてぐいぐい行くカメラ。表情の乏しいヒューゴが覗き見る世界と人々。ミニチュアダッ>>続きを読む

丹下左膳餘話 百萬兩の壺(1935年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

アマゾン配信終了間際に再見。名画座?ビデオ?で見たのか定かではない。画質が悪かったことと走る丹下左膳が記憶に残った。今回はリストア版なのか見易い。しかし、大河内傳次郎が何度も走るショットがない…何か他>>続きを読む

けんかえれじい(1966年製作の映画)

3.4

鈴木清順の普通の代表作…と思ったら、やはり清順「良志久(らしく)」ぶっ飛んでた。メリケンって、亀の子タワシと釘で作るのか。OSなんたら団との戦争に父親乱入で櫓を上下する姿がおかしい。階段だの欄間だのの>>続きを読む

秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

3.8

この二人はそっくりだと思ったらやはり双子なのね。「さよなら」隣の部屋でまた「さよなら」…空のベッド脇の杖を取り「これもらっていい?」。…「最後にさよなら言えなかった」、食堂の戸棚の裏の壁紙、子供部屋の>>続きを読む

ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

3.5

モノクロのような色彩を抑えた納屋の屋根裏で女たちが言葉を歌を祈りを怒りを赦しを意志を取り戻していく物語。おぞましい出来事が明らかになり、いきなり話し合いの場に放り込まれる。誰が誰だかわからないまま。「>>続きを読む

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

いよいよマルチバース大爆発。お前がごちゃごちゃ注文つけるからって言うけどさ、やはり一番の主犯はストレンジなのでは?初代パーカートビーマグワイアの登場で、おじさんになってる…と盛り上がる。お面に八つ当た>>続きを読む

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019年製作の映画)

3.0

「エンドゲーム」見てから、「ホームカミング」見てから、だいぶ経ってしまった。「ファーフロム…」ようやくテレビ放映にて鑑賞。飛行機でMJの隣のシートに移動しようと画策して失敗。ネッドはこの機に彼女ができ>>続きを読む

美貌に罪あり(1959年製作の映画)

3.8

田中澄江の脚本が素晴らしい。それに見事に応える増村保造監督。姉の山本冨士子が着物姿で日本舞踊の師匠勝新太郎と実家の花農家を訪れる。野良着姿の妹若尾文子と川口浩がトラックの荷台から迎える。栽培管理のいか>>続きを読む

青空娘(1957年製作の映画)

2.7

これは…古典的な少女マンガだな。若尾文子が真っ直ぐで明るく強く美しい。女中扱いという正妻沢村貞子やその娘のいじめに負けず、もう青空に呼びかけるような笑っちゃうくらいに正統派ヒロインを演じる。が、画質が>>続きを読む

グレムリン2/新種誕生(1990年製作の映画)

3.1

バックスバーニーとダフィーのドタバタオープニングから最後まで止まらない。ギズモが音楽に合わせて踊る姿がカ…カワイイ。どう見ても人形なんだが動きにやられる。水道修理から製図板を伝って水が…そうだろそうだ>>続きを読む

ハッピー フィート(2006年製作の映画)

3.0

みんな大好きプリンスの「キッス」!なんともセクシーなペンギンの愛の賛歌。ここまでに何曲分詰め込まれているのだろうか?かなりリアル志向のCGアニメ。ペンギンの毛並み、氷や海の表情、空撮みたいなロングショ>>続きを読む

蜘蛛の瞳/修羅の狼 蜘蛛の瞳(1998年製作の映画)

3.8

ガムテープで拘束された寺島進、草叢に倒れた少女、哀川翔はコピー機の作動音の中で机に向かう。河原で穴を埋める哀川の背後に幽霊のように白い布を被った何かが立つ。ベンチの隣に腰掛けて来るダンカン。「俺だよ岩>>続きを読む

蛇の道(1998年製作の映画)

3.0

住宅街へと続く坂道を、曲がりくねる細い街路を車載カメラがとらえる。不穏。捕まえた男を車に運び入れるときに奥のベランダから女性が見ている。がらんとした廃工場らしき空間を横切る。長回し。鎖に繋がれた男に向>>続きを読む

地獄の警備員(1992年製作の映画)

2.0

公開当時見たはずなのだが…全く覚えてない。黒沢清の映画で車に乗って移動すると碌なことにならない。左上隅から右下隅に斜めに横切る久野真紀子。バブル期の衣装は襟がでかい。絵画に80億とかいうわりには社屋が>>続きを読む

DEAD OR ALIVE 犯罪者(1999年製作の映画)

2.7

ラストがぶっ飛んでいると、なにかで読んで気になっていた作品。しょっぱなからハードな曲に合わせて、エロとアクションをたたみかけてくる。ここから続く飛び散るラーメンや現金輸送車強奪の世界と哀川翔らの家庭が>>続きを読む

黒い家(1999年製作の映画)

2.8

「そっかあ、まだなのかあ」の西村雅彦。足を引きずる町田康。手を引かれて退場する小林薫。モーターボートで帰ります。カメラを持った挙動不審な先輩…。ひまわり、ワンピース、ウェア、そして黄色いボーリングボー>>続きを読む

べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

3.3

死んだ目をしたコンビニ店長との面接からの店内での大乱闘!ん?こっちが先か。伊澤彩織の人体パルクールみたいなアクションが面白い。喫茶店での打ち合わせ。「はい二百万円のお釣り」とか、もう流行り言葉とかセリ>>続きを読む

プロメテウス(2012年製作の映画)

3.1

サルガドみたいな人外の空撮から滝を登ると…はいはい、彼があれな感じね。とある企業経営者がパトロンとはいえ、起源を探る旅のメンバーにしてはポンコツ過ぎないか?迂闊な粗忽者たちがずらりとポッド?が並ぶ空間>>続きを読む

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.0

長いけど案外いけた。さらさらと砂が流れ過ぎるほどに。ジェイソンモモアが扉閉めるとこは見せ場。シャラメは色気も雰囲気もある。ジョシュブローリン、デイヴバウティスタ、チャンチェンもいる!個性派俳優だらけで>>続きを読む

バレリーナ(2023年製作の映画)

3.0

コンビニ強盗中、普通に買い物して…使った缶詰の代金も払うと。どういう女優さんなんだろか?「バーニング」の?チョンジョンソ只者じゃない。ワイルドなキムジフンは無駄に格好いいけど。容赦ない痛そうな描写は口>>続きを読む

あにいもうと(1953年製作の映画)

3.8

駄目な男達が次々にぞろぞろ歩いて来やがる。元親方の父親はふらふらで罵声を浴び、酔って元部下に絡み、かみさんの店から金をくすねる。石工職人の兄がなんと森雅之。インテリ風な印象があるが、粗暴な男にしか見え>>続きを読む

稲妻(1952年製作の映画)

4.0

窓が大きく開け放たれた二階の貸間に隣家のピアノの音が聞こえ、実家を飛び出して来た高峰秀子が目をやると庭先の洗濯物が見える…再び貸間に戻り母親浦辺粂子と互いをなじり合う。この辺りだけ記憶に残り、作品名が>>続きを読む

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

3.8

「フェイブルマン」て、ユダヤ的な響きがあるんだろうな。ベーグルマンではない。ファーストシーンの誰?どこ?から、科学者の父と芸術家の母の対比。映画の列車の衝突シーンの再現までのテンポの良さ。カットバック>>続きを読む