緑青さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

セブン(1995年製作の映画)

4.0

これまでデヴィッド・フィンチャー監督作品を『ファイト・クラブ』だけしか観たことがなかったのを心底後悔した。すごく繊細な調整で作られた映画だと思う。予想の百倍よかった。かなり好き。もっとこの監督の作品を>>続きを読む

ナイブズ・アウト:グラス・オニオン(2022年製作の映画)

3.7

真面目な仕事の上に作られたお祭り映画だなという感覚がある、安心して観た。とても良かった。あまり辛い気持ちにならずに観られる(比較的筋のある)ミステリエンタメ作品で素晴らしい。
どうでもいいが水を用いる
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死を告げる女(2022年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

シン・ハギュンさんが出演されているというので拝見。この手の、下手をすると映画をぶち壊しにしかねないリアリティラインぎりぎりの役どころを彼のような抜群の説得力の役者に担わせるのは本当に必要なことだなとし>>続きを読む

アバウト・ア・ボーイ(2002年製作の映画)

3.9

私はヒュー・グラントとニコラス・ホルトが好きなので「いやこんなん好きやろ…」と思って観た。好きだった……………。
途中めちゃくちゃ笑ってしまったので(心を解かれてしまったので)「これ下手したら泣かされ
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犬王(2021年製作の映画)

4.3

感無量。
なんで私は映画館で観なかったんだと心底後悔している(クソ忙しすぎたからです)。
全セクションが最高の仕事をしている最高の映画。めっちゃ泣いてしまった。このショーを実際に観たい、私も熱狂的にハ
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.1

自然災害を個人の責任に帰属させる構造は『君の名は』以降気になっていたが明言してきて驚いた。

鑑賞者としての責任があると感じ、具体的な感想をコメントにて追記。

守護教師(2018年製作の映画)

3.6

ふいにカットが飛んでホラー的な演出になるのがおもしろかった。様々な種の犯罪者のパターンが見られる。
正拳突き一発で車のガラスを割るマ・ドンソクがカッッ…コよかった……

アマデウス ディレクターズ・カット(2002年製作の映画)

3.9

ものすごく面白かった、隅々迄行き届いた見事な世界観の構築。モーツァルトを存分に使った音楽演出がもはや一番大きな役者だった。主演役者があまりにも良い。強い執着をみんな愛と呼んでいるだけだ。神と認めた才能>>続きを読む

ナイトメアー・ビフォア・クリスマス(1993年製作の映画)

3.8

て、天才の作品だ……。完成した世界観をガツンと見せてくれる作り込みの確かさに痺れる。ジャックのキャラクターがおもしろい。実力に裏打ちされた自信家で、日々に飽きてもいて、新しいものに素直にはしゃいで、生>>続きを読む

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.0

先に断っておくと私はこの手の映画は全然好みじゃないのだが、めちゃくちゃ面白かった。
・1作目は観た(面白くはなかった)
・軍隊に対する警戒心強
・飛行機への憧れほぼ無し
・トムクルーズへの憧れあまり無
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恋人はアンバー(2020年製作の映画)

3.5

とても良い映画、しんどくてとても良い映画なのだが、最後の展開で動揺しすぎてきちんとした感想が書けない。
私はそもそも恋愛や性愛について興味が薄く、あのような状況に置かれたら地獄を超えた地獄で、観ている
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名探偵コナン 瞳の中の暗殺者(2000年製作の映画)

4.0

めっちゃおもしろかったんですけど……良すぎて呆然とした……エンディングの1行目の歌詞がグッときます。
2000年て、まだセルなのだろうか、色彩が良すぎて震えた。背景も作画も信じられないほど良い。シャッ
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警官の血(2022年製作の映画)

3.7

12話ものくらいのドラマで観たい、絶対おもしろい。キャストへの信頼感で安心して観られたし、映像の完成度は本当に安定しているなと思う。
チェ・ミンジェに眼鏡が似合いすぎるのと、そんなふうに見えないのにほ
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名探偵コナン ハロウィンの花嫁(2022年製作の映画)

3.8

同期・親友という関係性にツボのあるひとはどうしようもないくらい最高の瞬間がいくつかある映画だと思う。映画のシチュエーションは色々笑えなくてたまに真顔になった。
3年って凄い最近じゃないですか。7年間で
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名探偵コナン 緋色の弾丸(2021年製作の映画)

3.6

いやそれは流石に死ぬよ!!!!!とは思いましたが終わり方がすごく良かった、「良い映画見たな…」という感覚が残る。思いの外渋みのある脚本と演出が噛み合って見事。アクションも良かったけど堅実なコンテ&作監>>続きを読む

ライトハウス(2019年製作の映画)

3.9

めちゃくちゃ仕事に疲れちゃった人の話?(違います)ホラーだと知らずに再生したので、ちょっと童話的なヒューマンドラマだなと思いながら観ました。
これを見せて寝かせようとしていたふぉろわさんたち私の体力(
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ドクター・ドリトル(2020年製作の映画)

3.6

吹替で鑑賞。RDJ氏は本当にこういう役がハマる。「ポリー何してくれる、あの子が死ぬところだった」から「察し」てなっちゃうもんな…。
キリンさんとキツネさんのスピンオフ観たい。マイケル・シーンさん、我々
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幸福なラザロ(2018年製作の映画)

4.2

クレジット見ながら訳もわからず泣いた。なんだろうこの映画は。なんだこれは……。
こういうのを観られてよかった。イタリア映画ってこういう瞬間に信じがたいほど尊い。人間のことをどうしてこんなによく知ってい
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名探偵コナン 異次元の狙撃手(スナイパー)(2014年製作の映画)

3.5

好きなタイプのアクション映画だった。2次元平面で考えていては見えないから「異次元」。カーチェイスも銃撃戦も肉弾戦もとーーっても良かった、情報に踊る民衆の様子が挿入されるのとかすごく好き。今回は「誰?!>>続きを読む

七人樂隊(2021年製作の映画)

4.1

香港映画界はどうしてこう、ものすごく良い意味で、同人誌を作る時のような自由さと軽やかさで見事な映画を作れるのだろう。
もう本当に笑っちゃうくらいそれぞれのカラーが出ていて、オムニバスってこういう楽しさ
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バッドガイズ(2022年製作の映画)

4.0

好き。ねぇ、こんなのは好き。めちゃくちゃ良かった。正々堂々ファミリー映画でありながら、クライム映画の持つ小気味良さがきちんと随所に効いている。アニメーションとしても本当に気持ちがいい。
私はサム・ロッ
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名探偵コナン 純黒の悪夢(2016年製作の映画)

3.8

めちゃくちゃ良かった、映画として完成度が高い。アニメでやればこのくらいぶっ飛んだアクションも白けなくて楽しい。潜入捜査官の、大々的に身動きが取りにくい孤独さがスパイ映画の味わいてですごく良かった。どう>>続きを読む

名探偵コナン ゼロの執行人(2018年製作の映画)

3.4

TLの勧めで、初めて劇場版コナンを観た。コナンは原作1巻しか履修していないので新情報があるたび毎回「そうなん!?」となっていた。特に安室透は「いやこんな潔癖っぽいイかれたワーカホリックの美人、全員好き>>続きを読む

フルタイム・キラー(2001年製作の映画)

3.4

この映画に辿り着く前に得た前評判と比べて、そこまで悪くなかった。覚悟していた20倍くらいよかった。反町隆史さんを初めてちゃんと拝見したんですけど、スタイルよくってカッコイイんだねぇ?!と思った、アクシ>>続きを読む

スペンサー ダイアナの決意(2021年製作の映画)

4.0

芝居も脚本も撮り方も音楽も、製作陣の手堅さと気鋭さを感じるいい映画だった。繊細で緊張感があり、印象的なのにリアルで、丁寧で度胸がある。実際の悲劇を基にした寓話、という注意書きに忠実。「寓話」という一般>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

4.4

3時間毎秒、想像したこともないような映像が観られる親友映画。何かが常に起こっている。何故これで行けると思った、そして何故行けている。どうやっても開いた口が塞がらなかった。閉じる端から開いてしまう。
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強奪のトライアングル(2007年製作の映画)

4.0

創作の歓びに満ち満ちた映画。三十分ごとにリレーションした監督三者があまりにも三様。脚本がどっちゃらけに見えたとしたら、それは当然だし(実際全く統一感がない)、それこそがこの映画の素晴らしいところだと思>>続きを読む

冷たい雨に撃て、約束の銃弾を(2009年製作の映画)

3.9

ひゃーーーー超しぶいのに明快、最高。「復讐とは自己満足」を徹底して描き切っていて刺さる。
自転車銃撃は最高だが、パスタ皿神エイムも月下の銃撃戦の入り(水を炭に)もゴミ転がし銃撃戦も、他の全場面笑っちゃ
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ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

3.7

(開口一番)ブラッド・ピットって最高ですよね。「アドアストラ」とか「ワンアポ」とか「ブレトレ」のブラピのタイトなアクションがかなり好きなんですが、脇の締まり方が素晴らしいし、体の動きが顔に出ないからな>>続きを読む

キャッシュトラック(2021年製作の映画)

3.8

面白かった。ガイリチの映像の、あの基本冗談みたいな音楽とカメラワークが、ハードボイルドで遊びの少ない脚本を飽きずに魅せてくれてとてもよかった。本当に安定感がある。
ガイリチ監督、自分の脚本だと「どうや
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プリースト 悪魔を葬る者(2015年製作の映画)

3.7

人間が「悪」と対峙しようとするときの複雑な動機や精神状態の在り方についてが主眼、と言わんばかりの映画。人間はそんなに強く在れるものだろうかと、こういう対悪魔戦の聖人を観るたびに思う。逆境で正しくいるこ>>続きを読む

SEOBOK/ソボク(2021年製作の映画)

3.7

絆されコン・ユおじさんと危なっ可愛いソボク君のノッキン・オン・ヘブンズ・ドア。
フォロワさんが「白泉社で連載してる恋愛じゃないタイプの少女漫画の実写化作品」と形容していて、言い得て妙だった。
ピアノで
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ノーボーイズ,ノークライ(2009年製作の映画)

3.7

こんな映画があったなんて知らなかった、めちゃくちゃ時代を感じる、おもしろかった、ハ・ジョンウさんの芝居が良すぎてどうしたらいいのかわからない。
始まった途端に(その場面の舞台が釜山なのに)「すごい、ち
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パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

3.6

すごくよかったのですが大変モヤモヤもした。ベネディクト・カンバーバッチはすごい。全てが完璧。
全体を通して(というか、脚本の展開に)いわゆる「有害な男性性」や家父長制やホモソーシャルに対する非常に強靭
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パニック・フライト(2005年製作の映画)

3.8

想定の10倍くらいおもしろかった、これはかなり名作。非常にシンプルで観やすくてキリアン・マーフィをやっつけるたびに快哉が上がるいい映画です。
もうかなり前の映画だし、ジェンダー表象とかがアレだろうなと
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ドライビング・バニー(2021年製作の映画)

4.0

とても良かった。観終わった後の感覚の重さがちょうどいい。
宣伝では完全にロードムービーの装いだったが、私が観た感じこれはロードムービーとは呼ばないんじゃないかなと思う。確かに「人生は旅」だし、最後の展
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